伊豆半島で最も歴史深い温泉地、修善寺温泉。概要と暮らしについて

静岡県伊豆市に位置する修善寺温泉は、開湯から1200年余りの古い歴史を持つ温泉地です。地名の由来ともなった修善寺をはじめとして、キャンプやゴルフなどのアクティビティも充実しており、一年を通して全国各地から観光客が訪れます。今回の記事では、修善寺温泉の概要や暮らしについてご紹介します。

目次

    修善寺温泉とは

    竹林

    iStock/Tom-Kichi

     

    伊豆半島の温泉地の中で最も古い歴史を持ち、日本百名湯にも選出されている修善寺温泉。ここでは、修善寺温泉の概要や歴史についてご紹介します。

    修善寺温泉の概要とアクセス

    修善寺温泉は、静岡県伊豆市北部に位置する温泉地です。開湯から1200年余りの古い歴史と良質な泉質、豊かな自然は文人墨客をも魅了し、この地を舞台に数々の小説や歌が生み出されてきました。最寄り駅は伊豆箱根鉄道の修善寺駅で、東京駅からは新幹線と電車を乗り継いで2時間ほどの距離にあります。

    修善寺温泉の歴史と現状

    修善寺温泉の起源は古く、西暦807年の平安時代にまで遡ります。親孝行の息子が病に苦しむ父親の体を冷たい川の水で洗っていると、通りかかった一人の僧侶がその姿に胸を打たれ、独鈷で岩を打ち霊泉を湧出させました。温泉に浸かると、たちまち父親の病は治り元気を取り戻したそうです。優しい親子の情愛から生まれた、霊験あらたかな温泉として語り継がれ、温泉療養を目的に各地から人が訪れるようになりました。修善寺温泉の名前の由来でもある修禅寺は、この伝説に登場する僧侶が開いた寺であり、鎌倉時代から修善寺と呼ばれるようになったそうです。

     

    その後、江戸時代中期頃から開発が進み、外湯や宿泊施設が整備され、江戸時代後期の温泉番付には、東之方前頭に格付けされました。明治時代に交通網が整備されると、多くの文人墨客が利用し、作品の舞台になったことも相まって湯治客が増加していきます。

     

    現在は「伊豆の小京都」とも称されるように、修善寺川を中心として川沿いに温泉宿や飲食店が建ち並び、歴史ある建物が残る風情漂う街並みが広がります。修善寺温泉の始まりとされる独鈷の湯は、河川の増水などの安全を考慮し、現在の場所に移築されました。

    修善寺温泉の泉質と温泉街

    風呂桶

    iStock/YUTARO

     

    修善寺温泉は、温泉療法医がすすめる温泉としても名高い温泉地です。ここでは、修善寺温泉の泉質や効能、周辺の観光スポットについてご紹介します。

    修善寺温泉の湯量と泉質について

    修善寺温泉の泉質はアルカリ性単純温泉で、柔らかくクセのない優しい肌あたりが特徴です。効能は神経痛や筋肉痛、関節痛、うちみ、慢性消化器病、冷え性、美肌など、さまざまな症状によいとされています。温泉療法医がすすめる温泉としても注目され、湯治を目的に全国各地から宿泊客が訪れます。

     

    参照:修善寺温泉の泉質・効能/伊豆市観光協会修善寺支部公式HP

    修善寺温泉の温泉街や観光スポット

     

    修善寺温泉には、地名の由来となった修禅寺をはじめとして、独鈷の湯や竹林の小径など、四季折々の風情を感じながら散策が楽しめます。周辺には、国の有形文化財に登録されている明治時代に建設されたトンネル、有名な演歌にも歌われた浄蓮の滝、テーマパークや地ビール工場など、さまざまな観光資源に恵まれています。

     

    また、昔ながらの行事も大切に残されており、毎年4月には温泉と寺の開祖への感謝祭として「湯汲み式」が行われます。これは、市内から選出された約30名ほどの女子が揃いの着物姿で、湯桶に独鈷の湯を汲み、修禅寺本堂まで運び献上する行事です。稚児などと共に総勢250名の行列で温泉街を練り歩く華やかなパレードとあって、例年大勢の観光客でにぎわいます。

    修善寺温泉にあるホテルや旅館での働き方と暮らし

    旅館のフロントと接客

    iStock/TAGSTOCK1

    修善寺温泉の旅館やホテルで働く

    修善寺温泉には古くからの歴史と伝統が息づく旅館や高級な温泉宿も多いことから、一流の所作が身につけられることでしょう。職種はフロントなどの接客係が多く、正社員の募集を行っている旅館やホテルもあります。仕事の内容としては、部屋への案内や食事の提供などが挙げられ、丁寧なサポートや研修があることから、未経験でも安心して働ける環境が整っているようです。おもてなしの心に加えて、ビジネスシーンに欠かせない言葉使いや立ち居振る舞いなど、実務を通して接客スキルを身につけることができます。やりがいと働きやすい職場を目指し、柔軟なシフト体制を取り入れ、家事との両立などライフワークバランスの実現にも取り組んでいるようです。

    修善寺温泉の暮らし

    修善寺温泉のある伊豆市は、中央部に狩野川が流れ、南側には天城山系の山々、西側に駿河湾が広がる豊かな自然に囲まれています。修善寺駅周辺にはスーパーやコンビニ、飲食店、市役所や図書館、こども園から高校、銀行や郵便局なども揃っており、隣接する街には大学病院もあり暮らしやすい環境です。伊豆市では若者定住促進補助金として、夫婦のどちらかが満40歳以下で伊豆市へ定住する場合、さまざまな支援制度を用意しています。例えば、住宅を取得した場合は100万円を上限に補助金を交付、住宅ローン契約時には金利優遇など住宅に関する制度が充実しているのも特徴です。伊豆市へ移住をする際は上手に活用し、お得に移住できるとよいですね。

    豊かな自然の中で日常と非日常を満喫する暮らし

    川と紅葉

    iStock/TAKATEN1059

     

    伊豆半島の中心に位置し、四季折々の豊かな自然環境に恵まれた修善寺温泉。平日は温泉で日々の疲れを癒し、休日はキャンプやゴルフなどのレジャーを気軽に楽しめる環境です。水道水もおいしいと評判で、地ビールや地酒、地ワイン工場もあります。都心からのアクセスもよいことから、温泉や観光に家族や友人を招いても喜ばれるのではないでしょうか。

     

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