洗い場は洗浄だけが仕事ではない!
ホテルや旅館の洗い場は、使用済みのお皿をきれいに洗っていくだけではなく、厨房から出た調理器具の洗浄も担当する仕事です。
一見、ただ洗うだけと思われがちですが、混雑状況によっては休む間もなく次々と使用済みの食器が運ばれてくるようです。洗い場は、いかに早く効率的に食器類を片づけていくかを考えて業務にあたらなければなりませんね。
次の項目より、洗い場の具体的な仕事内容を詳しくご説明します。さらに、後半では当社サービスおもてなしHRに掲載されている求人情報をご紹介するので、参考にしてくださいね。
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洗い場の仕事内容
旅館には、食事などで使われた食器を洗う「洗い場」という仕事があります。主な仕事内容は、次の3つに分けられます。
食器や調理器具の洗浄
お客様が食事で使った食器や、調理で使った鍋などの厨房器具を洗うことは、洗い場のメインの仕事です。
一般的に、洗浄は大型の食器洗浄機を使っておこなわれますが、こびりついた汚れなどは事前に手で予洗いをします。また、漆器など洗浄機にかけられない食器は手洗いが必要で、洗い場の仕事をするためには旅館で使われている食器に関する知識も必要です。
お客様の食事後、非常に多くの食器が一度に返ってくることもあり、それらを効率的に洗って片付けていく対応力が求められます。
片付けや掃除
1日の営業の終わりや洗い物がひと段落したときに、洗い場周辺の掃除や食器洗浄機のお手入れをすることも洗い場の仕事です。
洗い場では水を使うので湿気や食器洗浄機の熱がこもりやすく、衛生管理のために日々の掃除が欠かせません。シンク周りや排水溝、食器洗浄機の内側や外側の掃除なども必要に応じておこないます。
厨房での軽作業
洗い場での食器洗いが落ち着く時間帯など、厨房の調理師から指示を受けて調理の手伝いをすることもあります。
野菜を切ったり食材の小分けをしたりなど、コンロや火を使わない簡単な調理であることが一般的です。洗い場に食器が返ってきていないか確認しながら調理をおこなう必要があるため、二つの作業を両立させる器用さも求められます。
このように、洗い場は食器や調理器具の洗浄、厨房の衛生管理、調理に関する軽作業などの業務を担います。旅館で扱う食器は非常に数も多く種類もさまざまで、中には高価なものもあることから、作業には丁寧さが求められます。大量の洗い物を効率よくするための創意工夫も必要となるでしょう。
なお、以下の記事ではホテルなどで食器の洗浄・管理を担当するスチュワードの仕事について解説しています。併せてご参照ください。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
洗い場のやりがい・大変さとは?
洗い場のやりがい
- 自分なりに作業を効率化する面白さ
- 調理の仕事にも携われる楽しさ
洗い場に山のように積み上げられた食器を効率よく洗うために、自分なりの工夫を凝らすことは、洗い場ならではの仕事の面白さです。
片付けやすいように同じ種類の皿をまとめて食器洗浄機に入れたり、食器洗浄機の入れ方を工夫したりと、効率化のための策を考えて取り入れれば、作業時間を短縮することもできます。
毎日同じ作業をしているようでも、工夫次第では業務のスキルを向上させることもでき、周囲からの信頼も得られるでしょう。
さらに、洗い場は厨房に併設されている施設も多く、調理スタッフが足りていないときや洗い場が落ち着いているときなどは、簡単な調理を手伝う場合があります。厨房では一流の料理人の仕事の様子を近くで見ることもでき、自身の興味を広げるきっかけになるかもしれません。
料理人の世界に足を踏み入れる第一歩として、洗い場から始めることもよいでしょう。旅館の花である料理に携わることができるのは、仕事のやりがいにもつながります。
洗い場の大変さ
- ハードな仕事環境
- スピードが求められる
洗い場は、山積みの食器を運ぶなど力仕事も多く、湿気と食器洗浄機の熱により夏は作業場が非常に蒸し暑くなります。業務用洗剤で手荒れをしてしまうことや、休む間もなく仕事することもあり、体力的にハードな仕事であると言えるでしょう。
仕事前と仕事後は体のメンテナンスをし、十分な睡眠時間をとって体力を回復させるなど、自己管理をしていくことが大切です。
また、お客様のお食事が終わる時間帯には、大量の食器が一度に洗い場に集中することも珍しくありません。スピード感をもって作業をこなさなければ、戻ってきた食器を置く場所がなくなり、必要な食器をお客様の元へ届けられないなど、他のスタッフの動きや作業にも支障が出てしまいます。
周囲に常に目を配りながら状況を判断し、テキパキと仕事をこなすスピード感が求められるでしょう。
洗い場の仕事でいかせる経験&必要なスキルとは?
いかせる経験
さまざまな場面で、オールマイティーに活躍できる洗い場の仕事にいかせる経験として
- 日常生活で皿洗いをしている
- 立ち仕事に慣れている
上記が挙げられます。
まず、洗い場の仕事自体は家事に近いものがあるので、日頃から皿洗いをしている方ならいかせますね。
さらに、洗い場は長時間に渡り、同じ場所にずっと立っているためある程度の体力が必要です。前職で立ち仕事をしていた方や体力を要する経験が豊富な方は、その体験が役に立つのではないでしょうか。
必要なスキル
洗い場で働くために必要な資格はなく、初心者でもすぐに働き始めることができます。仕事をスムーズにこなすためには、次のようなスキルが必要です。
・体力に自信がある
・創意工夫が得意である
・作業を丁寧におこなえる
洗い場は長時間立ちっぱなしでの作業や、大量の食器の上げ下ろしをすることもある仕事なので、体力やスタミナは欠かせません。
単純作業に見えるかもしれませんが、効率よくきれいに洗えるようにするために、自分なりの創意工夫を加えることが求められます。さらに、割れ物を扱うため、作業には丁寧さも必要です。
洗い場の仕事に向いている人の特徴
黙々と作業ができる人
洗い場は、比較的接客を伴わない仕事なので、黙々と作業をこなしたい方に向いています。
ただ、淡々と自分の業務をおこなうのではなく、どうすればもっと作業効率が上がるのかを考えることが必要です。
自分の仕事に責任感を持ちながら、創意工夫できる方は洗い場の仕事を検討してみてはいかがでしょうか。
コミュニケーション能力がある人
旅館の洗い場は、厨房と連携を取る場面が多々あります。たとえば、小鉢専用の器など優先して洗浄して欲しいものの依頼などさまざま。
洗い場が落ち着いていたら調理補助に入るなど、自ら積極的にコミュニケーションを図ることで信頼関係を深められますね。
接客対応がなくても、厨房との関わりを大事にできる方にもピッタリでしょう。
優先順位を決められる人
旅館で使用される食器には、頻繁に使われる食器と使用頻度の低い食器に分かれているそうです。そのため、洗い場に運ばれてきた食器の順に洗っていたのでは、使用頻度の高い食器が足りなくなってしまうこともあるでしょう。
厨房に入ってきたオーダー内容などを把握して、「どの食器を先に洗っていくか」と優先順位を決める必要があります。
常に作業効率を考えながら、自分で優先順位を立てられる方は、滞りなく洗い場の仕事ができるでしょう。
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具体的な仕事内容は、厨房洗い場業務をはじめ、アルバイトの場合は業務に慣れてきたら館内庭園管理なども任されるそうですよ。アルバイトの平均時給は1,000円以上、正社員の平均月給は20万円以上で昇給・賞与付きです。
勤務先の温泉を利用して身体を癒したり、無料単身寮に入居して出費を抑えられたりなど、仕事に集中できる環境が整っていると言えるでしょう。
洗い場のお仕事をお探しの方はおもてなしHRへ!
旅館の洗い場は、洗浄する食器の優先順位を意識しながら作業しなければなりません。洗い場の役目を理解して、1分でも早くお客様に美味しい料理を提供できるよう創意工夫していきましょう。
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