旅行業に役立つ資格「旅行業務取扱管理者」
旅行業務取扱管理者とは、旅行業界において唯一の国家資格です。旅行商品を販売する事業所では、1名以上資格保持者を配置することが義務付けられています。
旅行業取扱管理者は「国内旅業務取扱管理者」「総合旅行業務取扱管理者」そして「地域限定旅行業務取扱管理者」の3種類があります。
この記事では、「国内旅業務取扱管理者」についてを解説します。資格の概要や取得することでのメリット、難易度や合格率、合格するための勉強方法について、詳しく見ていきましょう。
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国内旅行業務取扱管理者とはどんな資格なのか?
国内旅行商品の販売を行う事業所には、最低1名の国内旅行業務取扱管理者の資格保持者がいなければなりません。一定の管理・監督業務を行わせるために、1名以上選任する必要があるのです。
国内旅行業務取扱管理者の職務は、国内旅行における旅行計画の適正な作成や料金の掲示、取引条約の説明、適格な苦情処理といったものです。
国内旅行業務取扱管理者の資格保持者は、旅行販売業の運営に必要不可欠な人材です。旅行販売業への就職にとても有利で、自分で国内旅行の販売業を起業することもできるでしょう。
また、すでに旅行販売業で仕事をしている人にとっても、担当できる業務の幅が広がるため、キャリアアップに繋がる資格です。
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国内旅行業務取扱管理者の合格率や難易度・試験科目は?
国内旅行業務取扱管理者は、国家資格としては難易度が低いと言われています。令和2年度の合格率は40.5%でした。
令和元年度の合格率も40.5%、平成30年度は39.6%です。およそ2.5人にひとりが合格しているのですね。また、実務経験何年以上などの制限はなく、受験資格は誰にでもあります。
試験の科目は以下の通りです。
- 旅行業法及びこれに基づく命令
- 旅行業約款、運送約款及び宿泊約款
- 国内旅行実務(運送機関及び宿泊施設の利用料金その他の旅行業務に関連する料金・旅行業務の取扱いに関する実務処理)
それぞれ100点満点で、すべての科目に6割以上正解すれば合格です。
また、すでに地域限定旅行業務取扱管理者の試験に合格している、前年度の受験で一部の科目に合格している、国内旅行業務取扱管理者研修を修了しているなどの条件を満たすことで、免除される科目もあります。
詳細については、一般社団法人全国旅行業協会のホームページでご確認ください。
国内旅行業務取扱管理者の願書受付開始・試験・合格発表はいつ?
国内旅行業務取扱管理者の資格を取りたい!と思ったら、まずは試験のスケジュールを確認しましょう。
例年、6月下旬から7月下旬にかけて願書の受付が始まります。受付期間中は一般社団法人 全国旅行業協会のホームページから願書の作成ができるようになります。
そして、試験は9月上旬で、第一日曜日に行われることがほとんどである模様です。結果が分かるのは10月下旬。ホームページに合格者の受験番号を掲載したPDFが公開されると共に、郵送にて通知が届きます。
国内旅行業務取扱管理者は独学で合格を目指せる!
国内旅行業務取扱管理者の資格を取るための、スクールや通信教育もありますが、独学でも十分に合格を狙えます。市販のテキストや問題集、一般社団法人 全国旅行業協会のホームページで公開されている過去問を活用し、独学で見事に合格したという人はたくさんいます。
ただし、国家資格にしては難易度が低いとはいえ誰でもかんたんに合格できるというわけではありません。ある合格者は3カ月でおよそ200時間ほど勉強したそうです。仕事の日・休みの日でメリハリをつけ、息抜きをしながら継続して取り組むことがコツだと語っています。
試験科目の国内旅行実務では、観光資源についての問題があるため、もともと旅行に興味のある人なら独学でも意欲的に勉強できるのではないでしょうか。
独学で気を付けたいポイントは、運賃の変動や旅行業法の改正です。必ず受験する時点での最新情報を押さえるようにしてくださいね。
旅行業に興味があるならチャレンジしたい国内旅行業務取扱管理者
比較的、取得の難易度が低く旅行販売業の就職・キャリアアップに役立つ国内旅行業務取扱管理者は、コスパの良い資格といえるのではないでしょうか。
一度取得すれば更新なども不要で、万が一合格証書を紛失した際には再発行が可能です。コロナ禍で旅行業界全体が時間を持て余している今こそ、資格取得の勉強を始めてみてはいかがでしょうか。
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