「新入社員は残業するな」と言われる理由とは?
新入社員には、会社のルールや仕事の進め方を早く覚えることが求められます。「早く戦力になれるように」という気持ちから、残業をしてでも頑張りたいと考える人もいることでしょう。
しかし近年では「新入社員のうちは残業をするな」というスタンスの企業が少なくないようです。その理由を詳しく見ていきましょう。
早期退職や休職を防ぐため
残業は必ずしも「よくないこと」ではありませんが、従業員にさまざまなデメリットをおよぼすリスクがあります。疲労が蓄積して体調を崩したりワークライフバランスが乱れたりといったことが代表的でしょう。
新入社員のうちからそうしたストレスを抱えれば、早期退職や休職につながりかねません。これから育てていくべき人材の損失を防ぐ目的で、新入社員に残業をさせない企業もあるでしょう。
費用対効果が低いため
従業員に残業させるのであれば、企業は残業代を支給しなければなりません。また「法定外労働時間」といって、1日8時間もしくは週40時間を超えて働いた場合は、通常賃金の25%以上の割増賃金を支給する必要があります。
みなし残業代が支給される場合などはこの限りではありませんが、まだ十分なスキルが身についていない新入社員を残業させるのは、費用対効果は低いと考えられます。
新入社員に残業をさせない理由のひとつとして「人件費を適切に抑えるため」ということも挙げられるでしょう。
成果主義であるため
昔は「残業時間が長い社員ほど勤務先に貢献している」と見なされる風潮がありました。しかし、近年の日本は長時間労働よりも成果が評価される社会になってきています。
新入社員については、可能な限り定時内で成果を出す人材として成長するように「残業の習慣をつけさせない」という方針としているケースもあるでしょう。
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「残業するな」といわれたらどうする?新入社員が残業ゼロをめざす方法
上司や先輩に「残業するな」といわれても「仕事が終わらなくて残業せざるを得ない……」と悩む新入社員もいるでしょう。新入社員のころは業務の進め方に迷ったり、慣れない作業に時間がかかったりするものです。
そうした状況において、新入社員が残業ゼロをめざす方法を見ていきましょう。
明確な目標設定と計画的なタスク管理
残業時間ゼロを目指すのであれば、業務の効率化は必要不可欠です。そのためには目標設定を明確にし、計画的なタスク管理を実行することが重要。
目標設定の際には「SMARTの法則」を活用するとよいでしょう。
「SMARTの法則」とは、目標設定のためのガイドラインとして経営者やビジネスマンなどに提唱されている手法。「SMART」は、目標を設定するために必要な以下5つの要素の頭文字から取られています。
・Specific(具体的)
誰が、何を、どこで、いつ、なぜ、どのように達成するのかを具体的に定める。
・Measurable(測定可能)
目標の達成度を測定するための基準を作る。作業にかかる時間や工数など、進捗を明確に判断できる要素が適している。
・Achievable(達成可能)
夢や希望ではなく現実的で達成可能な目標を設定する。
・Relevant(関連性)
目標は組織の経営目標に関連したものとする。自分が所属する部署の目標や勤務先全体の目標に沿っているか要確認。
・Time-bound(期限付き)
明確な期限を設定する。それによって目標達成に向けた行動が促される。
タスク管理については、パソコンやスマートフォンなどのタスク管理ツールを使うことがおすすめです。リマインダー機能がついたツールなどもあるので、上手に活用しましょう。
また、業務に優先順位を決めて重要なタスクから進めるクセをつければ「今、何をするべきか」が見えてくるのではないでしょうか。
業務効率化とムダの排除
「残業時間が発生してしまう……」と悩んでいるなら、業務フローを見直して無駄な作業を徹底的に洗い出しましょう。やらなくてもよい作業を廃止すれば、その時間を削減できます。
また、キーボードのショートカット機能や表計算ソフトのマクロ機能を活用するなど、機械に任せられる部分は機械に任せることも業務効率化に役立つはずです。
コミュニケーションと積極的な情報収集
新入社員の生産性が低くなりがちな原因として多いのは「悩んだり迷ったりしている時間が長い」ということかもしれません。
初めての業務や慣れない作業でとまどうのは当然のことでしょう。そこで重要なのは「人の助けを借りること」です。上司や先輩などには、自分から積極的に質問をしましょう。状況によっては作業を手伝ってもらうなど、周囲に協力を依頼することも必要です。
そして日頃から最新の情報を集め、知識やスキルをアップデートしておくこともプラスに働くはずです。例えば、ITに関する情報を集めておけば業務に役立つツールをいち早く導入し、作業時間をさらに削減できる可能性があります。
オンオフの切り替えと適度な休息
業務を効率化して残業時間をゼロにするためには、仕事とプライベートの時間を明確に区別することが有効です。
休憩時間にはしっかりとリフレッシュし、心身を休めましょう。一旦休んで頭をクリアにすることで、その後の業務効率が上がる可能性があります。
また、仕事をしながらつい私用スマホを操作したり、業務に関係のないウェブサイトを閲覧したりといったことをしてはいないでしょうか。もし心当たりがあるなら、すぐにやめることをおすすめします。業務の効率が下がるだけでなく「業務専念義務違反」として懲戒処分を受けることになりかねません。
自分の心身と職業を守るためにも、オンとオフの区別は明確にしてくださいね。
周囲への相談とサポート体制の活用
抱えている課題や悩みがあれば、周囲に相談することも重要です。仕事の進め方であれば、前述のとおり上司や先輩を頼りにするとよいでしょう。
また、新入社員の中には「気持ちが落ち込みやすい」「将来のキャリアに不安を感じる」といったことで業務に集中しにくくなっている人もいるのではないでしょうか。
そのような場合には、勤務先のサポート制度を確認してみてください。福利厚生の一環として、メンタルヘルスケアやキャリアカウンセリングを受けられるかもしれません。
また、自治体の支援制度で専門家に相談できる場合もあるので、適切な窓口を探してみてくださいね。
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「残業するな」と言われた新入社員は「成果重視」で働くことを考えよう
これからの日本社会はますます「成果重視」の傾向が強くなっていくと考えられます。
少子高齢化によって労働人口が減少している中で企業が従業員に求めるのは「短い時間・少ない工数で成果を出す」というスキルではないでしょうか。
勤務先から「新入社員は残業するな」と言われることが、その証拠といえるかもしれません。新入社員の皆さんは、ぜひ「成果重視で働く」ことを意識してくださいね!
なお、ホテル業界への就職・転職はおもてなしHRにご相談ください。