接客スキルの上達をめざそう!
サービスの仕事をしている方にとって、接客の上達に向けた努力は必要不可欠と言えるでしょう。接客スキルの上達が重要な理由と接客スキルを上達させるメリットについて解説します。
接客スキルの上達が重要な理由
接客スキルの上達が重要な理由としてまず挙げられるのは「顧客満足度を向上させるため」ではないでしょうか。
例えば、同じ商品を同じ価格で買うのであれば「どうせなら気持ちのよい接客をしてくれるお店で買いたい」と考える方が多いでしょう。
お客様から選ばれる店舗・施設となるためには、接客スキルの上達が必要不可欠なのですね。
接客スキルを上達させるメリット
接客スキルを上達させ顧客満足度を向上させれば、売上アップが期待できます。よい口コミが広がって新規顧客がやってくる、対応に満足したお客様がリピーターになってくれるといった可能性があるでしょう。
また、質の高い接客は、クレームを未然に防いだり発生したクレームを円滑に解決したりすることにも役立ちます。クレーム対応にかかる時間を削減できるため、業務効率化の面でもプラスに働くのではないでしょうか。
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接客スキルを上達させるための基本
接客スキルを上達させるためには、どのような努力が必要なのでしょうか。押さえておきたい5つの基本を見ていきましょう。
顧客心理を理解する
気持ちのよい接客を提供するためには、顧客心理を理解することが重要です。顧客心理とは、お客様の商品・サービス選びに影響する思考や感情のプロセスのこと。
以下は「6大顧客心理」と呼ばれ、多くの人が持つ心理とされています。
【歓待期待の心理】
「歓迎されたい」「気持ちよく受け入れられたい」という心理
【自分本位の心理】
「自分の欲しいものを手に入れたい」「自分が求めるサービスをしてほしい」という心理
【優越感を感じたい心理】
「他の人より優れていたい・優れていると思われたい」「恥をかきたくない」という心理
【まねをしたい心理】
「いいと思う人やものをまねしたい」「周りの人と同じようにしたい」という心理
【ひとり占めしたい心理】
「商品や体験を自分ひとりで楽しみたい」「自分だけのものにしたい」という心理
【損をしたくない心理】
「メリットがあるものが欲しい」「自分が受け取るものが他の物より劣っていてほしくない」という心理
こうした顧客心理を読み解けば「いらっしゃいませ」とあいさつをしたり流行の商品をおすすめしたりする意味が理解できるのではないでしょうか。
ただ「マニュアルだから」「指示されたから」とやるのではなく「顧客心理に訴えかける」という意識を持って取り組みましょう。
コミュニケーション能力を磨く
接客業で特に重視されるスキルは、コミュニケーション能力ではないでしょうか。前述の顧客心理に沿って適切な対応をするためには、コミュニケーション能力を磨くことが必要不可欠です。
そして接客業は、チームワークで取り組む仕事です。仲間と連携を取り円滑に業務を進めることにも、コミュニケーション能力が求められます。
なお、以下の記事ではお客様とのコミュニケーションについて詳しく解説しています。併せてご一読ください。
傾聴力を高める
傾聴力とは「相手の話を真剣に聴く能力」のことを指します。接客スキルの上達をめざすのであれば、傾聴力を高めることは必要不可欠でしょう。
接客というと、商品についての説明やおすすめをするなど「話す」スキルが大切なのでは?と考える方もいるでしょう。話すことも確かに接客において欠かせないスキル。しかし、相手のニーズを理解し適切な案内をするためには、しっかりと話を聞くことが重要なのです。
お客様の話を聞く際には、途中でさえぎったり他のことを考えたりせずに耳を傾けましょう。
積極的な姿勢を心がける
どのようなスキルでも、磨くためには積極的な姿勢を心がけることが重要です。接客スキルを上達させるには、以下のような積極的な行動が望ましいでしょう。
- 自分からあいさつする
- 困ったり悩んだりしている様子のお客様に自分から声をかける
- お客様の好みに合いそうなものをおすすめする
このように行動していけば、相手のタイプや喜ばれる接客のスタイルを判断しやすくなるはずです。
最初は「恥ずかしい」「緊張する」といった気持ちが強いかもしれませんが、接客スキルの上達をめざして取り組んでみてくださいね。
常に笑顔を忘れない
笑顔を見せることは「心を開いてあなたを受け入れます」というサインです。誰かと親しくなりたいときに欠かせない要素ですが、接客の仕事においても常に笑顔を忘れないことは重要でしょう。
常に笑顔でいることで「お客様を歓迎しています」という意思表示ができます。また、笑顔の従業員にはお客様が話しかけやすいはず。「売り場を教えてほしい」「いっしょにプレゼントを選んでほしい」といった場面で、お客様から頼りにしてもらえるのではないでしょうか。
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接客スキルをさらに上達させるためのポイント
ここからは、さらに高い接客スキルを身につけるためのポイントを紹介します。これらを心がけて日々の仕事に取り組めば、お客様から「ありがとう」といってもらえることが増えるかもしれません。
顧客一人ひとりに寄り添う
日々の業務で接するお客様は、一人ひとり違う要望を持っています。ときには要望をかなえられないこともあるでしょう。そのような場合に直面した場合は「できません」で終わらせず、寄り添うことが重要です。
例えばお客様が必要としている商品が店頭になかったとします。「ただいま品切れ中です」という案内も間違いではありませんが、それだけでは「お客様に寄り添った対応」とはいえません。在庫のある近隣の店舗を案内したり次回の入荷予定日を伝えたりといった対応ができるのではないでしょうか。
一流の接客担当者は、お客様一人ひとりに寄り添う姿勢を持っているもの。「可能な限り要望に応えよう」という気持ちを持って臨みましょう。
常に学び続ける
接客には「100人中100人が満足する対応」といった答えがありません。ベテランになっても「目の前のお客様に喜んでもらうためにはどうすべきか」を考え続けるのではないでしょうか。
対応の引き出しを増やすためには、常に学び続けることが重要です。同僚の接客を観察したり他の店舗や施設で受けた接客を振り返ってみたりと、接客について学ぶことを習慣にするとよいでしょう。
謙虚な姿勢を忘れずに、学び続けてくださいね。
失敗を恐れず挑戦する
接客スキルの上達を妨げるのは「失敗すること」に対する恐怖心ではないでしょうか。
オフィスワークと異なり、目の前にお客様がいる接客業。失敗すればお客様に迷惑をかけ、場合によってはクレームに発展することもあります。こうしたリスクを回避するあまり、お客様との接触を避けたり最低限の会話しかしないようにしていたりという方もいるでしょう。
しかし、失敗を恐れて挑戦しないでいると、いつまでたっても接客スキルの上達は見込めません。チャレンジに不安がある場合は、先輩や同僚にフォローを依頼した上で挑戦するなど工夫して取り組むことをおすすめします。
接客スキルを上達させるための実践方法
接客スキルを上達させるためには、具体的なアクションも必要です。実践方法の例を見ていきましょう。
接客研修
接客研修では接客にふさわしい言葉遣いや姿勢、立ち振る舞いのマナーなどを学びます。接客業に分類される職業であれば、入社してすぐの段階で接客研修を行うことが一般的でしょう。
しかし、接客研修は新人のためだけに行われるものとは限りません。既存の従業員を対象とした研修を行う企業も存在しています。
接客スキルの上達をめざすなら、自分の対応を振り返ったり知識をアップデートしたりすることが必要不可欠でしょう。接客研修を受けることは、そのためのよいきっかけになるはずです。
すでに接客業でベテランとして活躍している方も、機会があれば接客研修に参加するとよいでしょう。
ロールプレイング
ロールプレイングは「role(役割)」と「playing(演じる)」を組み合わせた言葉。職場や面接などで起こる場面を想定し、役割を演じながらスキルを習得する手法です。
接客業であれば、2人1組になってお客様役と従業員役を演じることが一般的。新人とベテランをペアにすれば、対応のお手本を見せたりフィードバックをしたりといった学習ができるでしょう。
レジや業務用端末などの操作をしながら行うなど、より実践に近い環境で行うこともあります。
OJT
OJTとは「On the Job Training」を省略した言葉で、実務を通して個別に指導を受けることを指します。実際の業務に触れながら学ぶため、細かい部分まで理解しやすいという点がメリット。新入社員や新しく配属された従業員を対象として行うことが一般的です。
接客業では、先輩の指導を受けながらお客様対応にあたったりレジ操作を行ったりすることがOJTの中心でしょう。手厚いフォローを受けられるので、ぜひ積極的な姿勢で臨んでくださいね。
読書
「本を読むことは勉強になる」といいますが、接客スキルの上達においてもこれがあてはまるのではないでしょうか。接客術や接客マナーに関する本は数多く出版されているため、参考になる本があるはずです。
また、接客に関するハウツー本の他、正しい言葉遣いを学べる本や人の心理を探る方法について書かれた本なども役に立つかもしれません。
書店や図書館に足を運び、自分の接客スキルの上達に役立つヒントを探してみてくださいね。
接客スキルの上達には努力を続けることが重要
接客スキルの上達をめざす上で重要なのは「努力を続ける」ということではないでしょうか。お客様の話に耳を傾けたり笑顔でいるように心がけたりといった努力は、続けてこそ意味があるものです。今回紹介したポイントや実践方法を取り入れて、接客スキルを磨き続けてくださいね。
なお、宿泊業への就職・転職はおもてなしHRにご相談ください。