【旅行業界とは？】分類や職種・今後の取り組みについて解説

転職市場で人気の高い「旅行業界」。新型コロナウイルスの影響によって一時は需要が落ち込みましたが、現在は回復傾向にあります。回復とともに旅行へのニーズの多様化が進み、業界の進化も続いています。旅行業界とはどのような業界なのか、また、分類や職種、今後の取り組みについて紹介します。旅行業界への転職を検討している方は、業界研究の参考にしてくださいね。

旅行業界とは？

旅行業界への転職を検討している方もいるのではないでしょうか。

旅行好きがきっかけで旅行業界を目指すようになったということもあるはずです。旅行業界は就職・転職市場において、常に人気の高い業界です。

新型コロナウイルスの影響で一時は需要が大きく落ち込んだ旅行も、移動制限などの緩和があってからは、徐々に回復を見せました。

特に、外国人の入国制限が解除された2022年10月以降、インバウンドの回復は目覚ましいものがあります。

インバウンド観光の需要の高まりや、新しいスタイルの旅行が注目されていることから、旅行業界の成長には期待できるでしょう。

旅行業界は社会情勢の変化や景気の変動による影響を受けやすい業界です。そのため、トレンドに合わせて変化するという特徴があります。

業界に対する不安を感じたことがある方もいるかもしれませんが、旅行業界は今、回復の勢いに乗って新しいサービスや商品を続々と展開しています。

転職の第一歩ともいえる、業界研究。旅行業界を目指す方は、旅行業界や旅行業界を取り巻く環境ついて、しっかりと理解しておかなければなりません。

旅行業界について詳しくみていきましょう。

【旅行業界とは】旅行業界の分類

まずは、旅行業界の基本とも言える、旅行業界の分類について紹介します。旅行業法によると、旅行業界は「旅行業」と「旅行業者代理業」の2つに分類されます。中心となる2つに加え、昨今の主流とも言える「OTA」について紹介します。

旅行業

旅行業は、業務の範囲によって3種に分類されています。いわゆる「旅行会社」で、おもな仕事内容は「企画」です。店舗やインターネット上などで販売も行います。

• ・第1種：海外・国内の旅行が取り扱える
• ・第2種：海外募集型企画旅行をのぞく、海外・国内の旅行が取り扱える
• ・第3種：国内旅行のみ取り扱える
• ・地域限定：特定区域の国内旅行のみを取り扱える

さらに、業務範囲は以下のように分類されています。

• ・募集型企画旅行：旅行業者が予め旅行計画を作成し、旅行者を募集するもの（例：パッケージツアー）
• ・受注型企画旅行：旅行業者が旅行者からの依頼によって、旅行計画を作成するもの（例：修学旅行）
• ・手配旅行：旅行業者が旅行者からの依頼により宿泊施設や乗車券などのサービスを手配するもの

参考：旅行業法/観光

旅行業者代理業

旅行業者代理業は、旅行会社と代理契約を結び、旅行会社が企画したツアーなどの旅行商品を代理販売します。

主な仕事は販売で、企画などは行いません。特定の旅行業者1社と契約を結び、業務範囲は旅行業者と締結した契約の範囲内です。

OTA

OTAは「Online Travel Agent」の頭文字の略で、インターネット上だけで取引を行う旅行会社のことを言います。

宿泊施設と旅行者の宿泊仲介や、宿泊と移動手段のセット販売、手配旅行などもオンライン上で扱い、利便性の高さが支持されています。

旅行商品の半数以上がOTA経由で販売されているとも言われ、現在の旅行業界の台頭と言っても過言ではありません。

旅行業以外からの参入も多く、コンセプトやターゲットが異なる特化型のOTAも増えています。

【旅行業界とは】旅行業界の職種

次に、旅行業界の職種について紹介します。転職を検討している方は、職種選びの参考にしてくださいね。

カウンターセールス

旅行会社が企画した「パッケージツアー」や、お客様の希望や計画に合わせて手配する「手配旅行」を、旅行会社のカウンターで販売します。

予算に合わせてホテルや航空機・鉄道を選択し、専用の端末を使ってチケットの手配や、宿泊施設の予約も行います。

旅行商品の説明だけでなく、要望に合わせてアドバイスすることも多いため、高いコミュニケ―ション力が必要です。

ツアーコンダクター

団体旅行に同行して、予定通りの旅行ができるよう、また、参加者が快適な旅を楽しめるようにするのがツアーコンダクターの仕事です。

担当するツアーの責任者として、集合・出発から解散まで参加者と行動をともにするのが主な仕事ですが、旅行前には目的地の下調べや手配担当者との打ち合わせ、参加者に確認、連絡なども行います。

ツアー参加者の安全を守る役割もあるため、冷静な判断力や細やかな気配りが必要です。

ツアープランナー

国内外の旅行商品を企画するのがツアープランナーの仕事です。

パッケージツアーの企画立案をしたり、各種交通機関や宿泊施設との交渉・手配を行ったりします。

観光地やイベントなどを吟味し、移動手段や滞在時間を考慮しながら、販売数が見込めるツアーを企画しなければなりません。採算性への意識も必要です。

次々のアイディアを出さなければならないため、ニーズやトレンドのキャッチ力や情報収集力が必要です。

法人営業

旅行のプランの提案と営業を行うのが法人営業の仕事です。

内勤営業とも言われる「カウンターセールス」が個人を相手にするのに対し、営業の顧客は主に企業や学校などの法人です。

相手の規模が大きいため、旅行会社にとって売り上げに直接貢献する責任のある仕事と言えます。

サイト運営

サイト構築からWebデザイン、ライティング、Webマーケティングなどの業務を担うのが、サイト運営の仕事です。

利用施設への掲載営業や、宿泊施設へのコンサルティングを行う場合もあるようです。

OTAだけでなく、店舗を持つ旅行会社でも力を入れている分野ですので、需要はさらに高まるでしょう。

【旅行業界とは】今後の取り組み

目まぐるしく変化する旅行業界を取り巻く環境に合わせ、今後はどのような取り組みが必要なのでしょう。旅行業界の今度について考えてみましょう。

インバウンドへの対策

新型コロナで大きく落ち込んだインバウンドも、2022年1月に入ってから徐々に回復してきました。

2023年8月時点では、インバウンドは200万人を超え、インバウンドのピークと言われた2019年の同月と比べると、回復率は8割を超えています。

2025年には大阪万博の開催が予定されていることから、インバウンド需要にはさらなる伸びが期待されています。

インバウンドについては、言語や文化への対策や、地方への偏りが課題に上げられることがあります。旅行業界は主体となった対策も必要でしょう。

インバウンドは旅行業界、日本経済を活性化させる存在であることは明白です。インバウンドの消費額は、コロナ前を上回っているとも言われています。

市場の活性化は、急務とも言えるでしょう。回復させるだけでなく、成長に向けて取り組むことを考えなければなりません。

多様化する需要への対応

旅行形態が多様化している中で、従来のパッケージツアーだけではなく、ニーズに合わせた多くの選択肢が必要です。

近年では、観光名所を巡ることだけでなく、地域の生活や地元の人との交流をはかることに関心を向ける旅行者も増えています。

かつては特別なイベントとしてとらえられていた旅行も、交通網の発達や低価格な宿泊施設の登場によって、ライフスタイルの一部になっています。

変化するニーズやトレンドをいち早くキャッチして、多様化する需要へ対応する必要があるでしょう。

人気の高い旅行業界！転職を目指すなら徹底した業界研究をしよう！

ここ数年で大きな変化を続けている旅行業界は、転職先として人気の高い業界です。

徹底した業界研究は転職成功のカギと言えるもの。常に最新の情報をチェックしましょう。

旅行業界を目指す方の中には宿泊業界も視野にいる方もいるはずです。

ホテルや旅館での仕事にも関心がある場合は、おもてなしHRに相談してくださいね。