ホテルなどをはじめとした接客業にはストレスはつきもの
接客業やサービス業は体力的にも、精神的にも大変な仕事です。立ち仕事も多く、時にはお客様の理不尽なクレームにも対応しなければなりません。
接客業が好きでやりがいを感じている方でも、ストレスを抱えながら仕事をしています。ですが、ストレスをためるだけでは良いパフォーマンスはできませんよね。特に、休日の取りにくいホテルや旅館で働いていると、ストレスは積もるばかりではないでしょうか。
誰しもが抱えるストレスを「どのように発散するか」は、今後の仕事の質や自分の将来に大きく関わります。やっかいなのは、ストレスを抱えていることに本人が気が付かないことです。
ですので、いまストレスを抱えている・いないに関わらず、自分なりのストレスの受け流し方や発散方法を身につけて実践しておくことが非常に重要なのです。
どんな仕事をしてもストレスが消えるわけではありません。接客業でのストレスと、どのように付き合っていくのか、一緒に考えていきましょう。
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接客業でストレスを抱える原因とは?
接客業で抱えるストレスには、どのような原因があるのでしょうか。仕事内容と職場環境に分けてみていきます。
仕事内容
日本には「お客様は神様」という言葉があります。この言葉はお互いを尊重しあう心があってこそ発揮されるものですが、一部のお客様は「お客様は神様」が客とスタッフの間に上下関係をつくるものだと勘違いしている方もいます。
結果、お客様がスタッフに横柄な態度をとったり、大げさなクレームを入れる事態にもなったりしまうのです。お客様が悪い場合でも、スタッフが頭を下げて謝らなければならない場面が多いので、どうしても精神的に疲れてしまいます。なかには理不尽なお客様に対応しているうちにストレスから人間不信に陥ってしまうこともあります。好きだったはずの接客が嫌いになってしまう事もあります。
また、接客業は基本的には立ち仕事です。長時間勤務になってしまう可能性もあり、体力も奪われます。接客業の仕事内容をみても、精神的にも、体力的にも疲れるきつい仕事であることが分かりますね。
職場環境
次は職場環境を考えてみましょう。接客業・サービス業は宿泊業界にかかわらず、そのほとんどが休日の取りにくい業種です。
長い休暇もとりにくく、ゆっくりと旅行に行くことも難しいかもしれません。そのうえ、給料や待遇に不満を感じているとストレスも大きくなりますよね。
加えて、接客業が好きでも職場の人間関係や雰囲気に馴染めずに悩んでいると、ストレスを溜めやすく離職するきっかけとなってしまうこともあります。
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接客業にストレスを感じやすい人の特徴は?
接客業にストレスを抱えている方の中には、離職するかどうか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。どんな仕事にも向き・不向きがあります。それは当然、接客業にも同じことが言えます。不向きな人はストレスを感じやすい傾向があります。接客業にストレスを感じやすい人を紹介します。
純粋で感受性が強い
「純粋で感受性の強い」方は、繊細なので相手の言うことを全て真に受けやすく、悩みを多く抱えてしまう傾向があるので、それがストレスに直結してしまいます。
「マイペース」な方は、自分の世界観があり一つの仕事にのめりこんでしまう傾向があります。接客業はお客様の立場に立って、すばやく行動に移す必要があります。
ですが、接客業は自分のペースを乱されることが常なので、マイペースな方は仕事もしづらくストレスも必要以上にためてしまうでしょう。
自己主張が強い
「自己主張が強い」方は、自分が正しいと信じることには一直線に突き進みます。しかし、接客業ではいくらお客様が間違っていようと、基本的にはスタッフが謝らなくてはその場が収まりません。
自分が悪くなくとも謝ることが難しい方は接客業には向いていないでしょう。
つらいときに笑顔を作るのが苦手
最後に「つらいときに笑顔をつくるのが苦手」な方は、接客で悩んでしまうことが多いかもしれません。
接客業では、どんなにつらいことや嫌なことがあっても、無理をしてでも笑顔でいなければいけない場面があります。
慣れてしまえば笑顔をつくることに抵抗はなくなりますが、どうしても笑顔を作れない方にとっては、接客業はストレスをためやすい業種になってしまうでしょう。
接客業でストレスをためないためには?
ストレスを抱えていようとも「接客業が好きで、できればいまの職場も辞めたくない……」という方もいらっしゃることでしょう。実際に接客業でストレスをためないためには、どのような方法があるのでしょうか。ストレスと上手に向き合っているために、いくつかの方法をご紹介します。
割り切る
つらいことや嫌なことがあってストレスを感じたら、ある程度割り切ることも大切です。
同僚や上司が原因でストレスを抱えてしまう場合は「あの人はああいう人だから仕方ない」「また同じことを言ってる」などと思うようにしましょう。
時には感情を入れずに流れ作業に徹して対応したほうがうまくいくケースもあります。
お客様や同僚・上司などに言われたことを鵜呑みにして考えすぎるのではなく、サラッと受け流すためにぜひ割り切ってみてください。少しは楽になりますよ。
相談相手をつくる
同じ会社の同僚や上司でもいいですが、普段付き合いのある友人でもいいので、自分が置かれている状況を相談できる相手をつくることも重要です。
自分の感じていることを話すだけでもストレスは発散されます。とりわけ、接客業に行き詰ったら同僚や上司に相談してみてください。同じ接客業を担当するものとして、何かしらの解決策も見つかる可能性もあります。
休日に好きなことをする
せっかく取れた休日は、自分の好きなことをたくさんしてください。ショッピングや食べ歩き、釣り、スポーツ、映画など、仕事を忘れて思い切り楽しむということがポイントです。
もちろん、家でダラダラ過ごすだけでも大丈夫。体と心をゆっくりと休ませることが重要です。
誰とも会わない日をつくる
休日では、あえて誰とも会わない日をつくることも良いでしょう。
接客業はいつも人とコミュニケーションを取って仕事をしています。お客様に対しては緊張感を持って接しなければならないので、「コミュニケーション疲れ」を引き起こしている可能性も考えられます。
もしかしたら、あなたは人と会うこと自体がストレスになっているかもしれないのです。人と会うことがストレスになっている場合は、試しに一度誰とも会わない日をつくってみてはいかがでしょう。
ホテルの接客業にストレスを感じたら裏方に行くのもアリ
接客業に向いていないし、今後続ける気力も保てそうにない。でも、ホテルの仕事には携わっていたい。そのように考える方も少なからずいらっしゃるかもしれません。
ホテルの仕事は接客だけではありません。無理をして接客を続けるよりは、まず上司に相談して、ホテル内の裏方で勤められないかなどを確認してください。
ホテルの裏方には事務や客室清掃、経理などもあります。人と関わることが苦手な場合は、比較的、人と関わらない仕事もあるでしょう。そういった職種でも現場の経験がいきることもありますよ。
あなたの経験や能力を存分にいかせる場所で、気持ちよく働けることを第一に考えましょう。
接客業でストレスを感じてしまったら休職・転職も視野に入れるべき
接客業でストレスを感じると様々なことに変化がでます。クレーム対応をはじめ、お客様と接するだけでも疲れを感じます。また、人間不信になってしまったり、ストレスが原因で病気になってしまうケースもよく見られます。
接客業を好きになれない場合は、休職や転職を視野に入れましょう。無理をすると、最悪の場合、病気になってしまい仕事をすることが難しくなってしまうこともあるものです。
「接客業を辞めたい」と思ったらとりあえず休職をして、しばらく考える時間を設けることも必要です。それでも辞めたい想いが変わらない場合は転職をしたほうが良いでしょう。
仕事環境によっては休職や転職を選択することすら難しいかもしれません。ですが、自分のことを第一に考えて、まずは行動を起こしてみてくださいね。
接客業にはストレス耐性も必要!
接客業では、つらいときでも常に笑顔で対応することが求められますし、迷惑客にもきちんと対応しなければなりません。
接客業にはコミュケーション能力だけでなく、ストレスへ耐性も重要な要素。
ストレスに耐えられないと感じる場合は、思い切って転職を検討のも良いでしょう。