理系学生の就活でよく聞く「推薦状」とは?
推薦状とは、学校推薦や教授推薦で必要になる就職活動の書類のひとつです。また学校推薦・教授推薦以外でも、推薦状の提出が求められる場合もあります。まずは就活における推薦状の種類と、必要になるシーンをみていきましょう。
教授推薦状(教授推薦書)
教授推薦状は、文字通り研究室・ゼミの教授に書いてもらう推薦状のことです。
教授の推薦状が必要になるのは、学校推薦や教授推薦を使って企業に応募をする場合に限ります。推薦枠は研究職などの専門分野が多いため、対象者は理系学生が中心です。
また学校推薦・教授推薦は、学校と企業のコネクションによって成り立っている就活の応募方法ということもあり、自由応募の就活よりも合格率は高くなりやすい傾向にあります。
自己推薦書(自己推薦状)
一方、自己推薦書は、自分の評価を自分で書く推薦状のことを指します。
就活で自己推薦書が必要になるのは、自由応募の就活で企業から提出を求められた場合に限ります。位置づけは履歴書内の自己PRと同じようなものから、履歴書・エントリーシートと同等に扱われているものと、企業によって異なります。
ただし、就活で提出を求められることはあまりなく、「大学推薦入試の際に提出が求められる書類」という認識が一般的です。
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推薦状を出す就活のメリット・デメリット
就活における教授推薦状・自己推薦状は、どちらも自分自身の評価に関わる書類です。ここでは、理系学生に耳なじみのある「教授推薦状」を出す就活のメリット・デメリットをご紹介します。
推薦状を出す就活のメリット
- ・合格率が高い
- ・選考期間が短い場合が多い
学校や教授の推薦状を出す就活には、上記のようなメリットがあります。
学校からのお墨付きがある状態で選考が進むため、選考が一部免除になりやすいことも含め、一般応募よりも合格率が高くなりやすいことは大きなメリットと言えるでしょう。
推薦状を出す就活のデメリット
もちろん、推薦状を出す就活はメリットばかりではありません。下記は、推薦状を出す就活のデメリットと考えられているものです。
- ・内定の辞退が難しい
- ・通常の就活と同時進行ができないケースがある
推薦状はそもそも、企業への就職を学校に後押ししてもらう書類。学校の後ろ盾があることはつまり学校を背負うことと同義です。よって、自由応募よりも内定辞退が難しくなるのは避けられないでしょう。
同時に、自由応募と併願できないケースがあることも押さえておくべきです。希望する学生は、自校・企業の応募条件などの確認は怠らないようにしましょう。推薦状を出す就活の流れについては、下記記事で詳しくご紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
学校推薦とは?推薦でも落ちる?自由応募との違い・就職合格率・推薦の流れを紹介
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
就活の推薦状を教授に依頼する流れ
デメリットはあるものの、推薦を受けられる状況かつ就職したいと思っていた企業の推薦枠があれば、学校推薦を受けない手はありませんよね。学校推薦では教授に推薦状を作成してもらう必要がありますが、どのように依頼をすれば良いのでしょうか。みていきましょう。
推薦状の作成依頼は対面がベスト
もちろん、教授へのお願いは対面で行うのが礼儀です。まずは研究室に足を運びましょう。
しかし、教授と自分のスケジュールが上手く噛み合わず、直接の依頼ができないこともあるはずです。その場合は、メールで依頼しても問題はありません。次にご紹介する推薦状の作成依頼のメール文面を参考に、教授宛のメールを作成してみてください。
メール依頼文のテンプレート
件名:推薦状作成のご依頼 / △△学部××学科3年◎◎
〇〇教授(先生)
お世話になっております。□□大学△△学部××学科3年の◎◎です。
表題の件につきまして、ご執筆をお願いしたくご連絡いたしました。
現在、私は学校推薦の就職活動において<会社名>の選考に進もうと考えております。同社の選考では推薦状を提出する必要があり、かねてよりお世話になっている〇〇教授(先生)に推薦状をご執筆いただきたいと思い、ご連絡させて頂いた次第です。
ご多忙の中、大変恐縮ではございますが、ご執筆いただくことは可能でしょうか。もし可能でしたら、以下の内容・期日でご執筆いただければ幸いです。
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【内容】
・教授と私の関係
・研究室における研究成果
・教授から見た私の研究態度及び意欲など
【期日】
・来月20日(推薦状の提出期限が、来月末日までの郵送・必着のため)
━━━━━━━━━━━━━━━
本来ならば直接お願いすべきところですが、応募の期日が差し迫っておりますのでメールにてご依頼させていただく失礼をお許しください。
大変恐縮ではございますが、ご検討の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
————–
(署名)
教授から「自分で書いて」と言われたら?
推薦状は教授自身で執筆してもらうのがベストですが、中には「自分で書いて」と依頼を返す教授もいるようです。その場合は、自分で執筆を進めても問題はありません。
しかし、署名を持たない推薦状は何の意味を持ちません。内容自体は自分自身で書き進め、教授からの添削をもらったうえで必ず署名をもらうようお願いをしましょう。
就活・自己推薦状の書き方のポイント
本人が作成する自己推薦状の提出を企業から求められた場合は、下記を盛り込むことを意識しながら作成にあたりましょう。
- ・構成は「結論」「エピソード」「未来」
- ・どの部分で会社に貢献できると考えているのかから書き出す
- ・固有名詞や数値を用いて、第三者にも伝わる文章を意識する
- ・嘘や盛りすぎのエピソードはNG
文量や書き方は、企業の指示に従いましょう。明確な決まりがなければ、好きなように作成して構いません。ただし、あまりにも長すぎ文章はそれだけで「まとめる力がない」と判断されかねませんので、A4用紙1枚にすっきりと収まる1,000文字前後を意識しましょう。
就活の推薦状の郵送方法は?
就活の推薦状は、郵送もしくは手渡しでの提出を求められることが多いものです。推薦状を郵送で提出する場合のポイントをみていきましょう。
封筒のサイズ・封筒の書き方は?
推薦状は、A4サイズで作成するのが一般的ですが、折らずに郵送する場合は「角形2号(角2)」あるいは「角形A4号(角A4)」の封筒を使用するのがおすすめです。
封筒には表面・裏面にそれぞれ下記の項目を忘れずに記入しましょう。
<推薦状の郵送封筒・表面>
- 1.郵便番号
- 2.届け先(宛先)
- 3.宛名
- 4.“推薦状(推薦書)在中”もしくは“応募書類在中”の記入
- ※推薦状と送付状以外の書類を郵送する場合は、“応募書類在中”と記入
<推薦状の郵送封筒・裏面>
- 1.郵便番号
- 2.住所
- 3.氏名
- 4.学校名・学部名・学年
- 5.封入した印(封緘印・「〆」などの記入)
- 6.投函日・面接日
推薦状の郵送は、履歴書を郵送する場合とさほど変わりありません。封筒の書き方や郵送のマナーについては、下記記事もぜひ参考にしてみてくださいね。
履歴書封筒は普通郵便でOK!切手・書留料金はいくら?履歴書の郵送マナーをチェック!
履歴書封筒の書き方をマスターしよう!宛名や採用担当が不明な場合の対処法も解説
添え状(送付状)のテンプレート
推薦状などの書類を郵送で提出する場合は、添え状(送付状)も同封するのがマナーです。添え状は、どんな書類が入っているのかを示す書類。テンプレートに従って作成すれば、マナー違反になることはないでしょう。作成の際は、下記もぜひ参考にしてみてください。
〇〇年〇月〇日
株式会社〇〇
人事部 採用ご担当者様
(※担当者名がわかれば、担当者名を記入)
大学名
学部名・学科名
氏名
郵便番号
住所
電話番号
メールアドレス
応募書類送付のご案内
拝啓 時下、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
表題の件につきまして、下記の書類を送付いたします。
ご査収の程、何卒宜しくお願い申し上げます。
敬具
記
・推薦状・・・1通
以上
近年の就活では「推薦状ハラスメント」の被害も
上手くいけば、就職活動に悩まされずに内定を獲得できる学校推薦。しかし、特殊なタイミングで推薦状の提出を求める「後付け推薦」には注意が必要です。
後付け推薦が見受けられるのは、なんと学校推薦ではなく自由応募の就活。選考が進んだタイミングで、大学や教授からの推薦状を提出するよう企業が促し、学生を囲い込むのです。
推薦状を提出すれば、内定・内々定は辞退しづらくなるもの。学生心理を突いたあまり褒められたものではないこの囲い込みは、「推薦状ハラスメント」とも揶揄され悩まされる学生が後を絶ちません。
企業から後になって推薦状の提出を求められてしまった場合は、大学の就職課やキャリアセンター、研究室・ゼミの教授に相談しながら対応方法を検討しましょう。
ここまでご紹介した内容は、転職活動中の方にも活かせるはずです。
以下の関連記事は、ボーナスを受け取った後に退職するメリットを詳しく解説しているので、お読みください。
理系学生は推薦状を就活で上手く活用しよう!
就活における推薦状は、「教授推薦状」と「自己推薦状(推薦書)」の大きく2つに分けられます。
特に教授推薦状は、就活をスムーズに進めるための大きな武器になり得ますので、学校推薦・教授推薦を受けられる資格のある学生は上手に活用してみてはいかがでしょうか。