パートタイマーの有給休暇!賃金はどのように算出されるのか?注意したいトラブルも解説!

有給休暇は、要件を満たすすべての労働者に与えられる権利。パートタイマーにも当然、付与されますが人によって労働時間が異なるパートタイマーの場合、有給休暇中の給与金額はどのように決められるのでしょうか。金額の算出方法や、パートタイマーならではの有給取得に関するトラブルをまとめました。

パートタイマーの有給休暇!支給金額はどう計算される?

電卓

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有給休暇は正社員だけの福利厚生ではなく、付与の要件を満たした労働者全員が持つ権利です。付与の要件とは、6カ月以上続けて勤務し、出勤率が8割以上であること。これに当てはまる場合は、パートタイマーにも当然、有給休暇が付与されます。

フルタイムで働く正社員と異なり、パートタイマーが働く時間は人それぞれ。曜日によって勤務時間を変えていることもありますよね。通常、時給で働くパートタイマーが有給休暇を取得した場合、支給金額はどのように計算されるのでしょうか。

有給取得に関連するトラブルの例と併せて見てみましょう。

なお、有給休暇の概要や法律で定められている事柄についての詳細は、以下の記事をご参照ください。

「アルバイトに有給はない」は大間違い!有給休暇の付与・取得にまつわる法律を見てみよう

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有給休暇中の賃金の計算方法は3パターン

有給休暇中の支給金額は以下の3パターンで算出されます。一般的に用いられるのは1か2の方法。自分のパート先でどの方法を採用しているのか、あらかじめ確認しておくと良いでしょう。

1.通常の賃金

1つ目のパターンは、通常の賃金を支給する方法です。通常通り、1日働いたと仮定した金額を支給するのですね。

月曜日と水曜日は6時間勤務、金曜日は4時間勤務というパートタイマーが有給休暇を使う場合は、月曜日か水曜日を有給休暇にするのなら6時間分の時給、金曜日なら4時間分の時給が支給されます。

2.3カ月の平均賃金

2つ目のパターンは、直近3カ月分の賃金(通勤手当などの毎月支給される手当も合算)の平均額を支給するという方法です。

ただし、直近3カ月の労働日数が少なく、平均賃金が低くなることもありますよね。そのため、「過去3カ月の賃金の合計額×60%」の金額も算出し、どちらか高い方の金額が有給休暇中の賃金として支給されます。

3.健康保険法に基づく「標準報酬日額」

3つ目のパターンは、健康保険料の算定に使う「標準報酬月額」を日割りで支給する方法です。計算済みの金額を日割りにするだけなので、3カ月の平均賃金よりも簡単に算出できる点がメリット。

ただし、標準報酬月額には上限があり、通常賃金や平均賃金よりも低い金額になる場合があります。また、労使協定を締結していなければ、この算出方法は使えないので採用している企業はあまり多くはないでしょう。

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パートタイマーの有給取得でありがちなトラブル

雷

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きちんとした企業であれば、正しいルールですべての従業員に有給休暇を与えているはずです。しかし、認識の相違があったり、リテラシーが低かったりといった原因で、パートタイマーの有給取得に関するトラブルが起こることもあるものです。

トラブルの事例・想定されるトラブルを把握して備えましょう。

有給休暇の取得が認められない

労働者の権利がしっかりと守られるようになりつつある世の中ですが、パートタイマーやアルバイターには、有給休暇を与えなくても良いと勘違いしている雇用主もいまだに居るようです。

パートタイマー、アルバイターに有給休暇を取らせた前例がないから、やむを得ない事情による休みではないから、といった理由を付け、有給休暇の取得を拒否されるかもしれません。

有給休暇は付与要件を満たす、すべての労働者の権利です。雇用主が有給休暇の取得を拒否したり、取得する理由を詮索することは法律違反。そのことをしっかりと覚えておきましょう。

勤務時間が短い日の金額で計算される

こちらは、労務相談のホームページに寄せられていたトラブルです。Aさんは週に4日出勤するパートタイマーで、6時間勤務の日と8時間勤務の日が混在しています。

有給休暇中は通常の賃金が支給される決まりになっているのですが、8時間勤務の日に有給休暇を使っても、6時間勤務の日として計算され、2時間分の賃金を損しているということでした。

賃金の計算方法の項目でも解説した通り、本来であれば有給休暇を取得した日に予定していた勤務時間の分だけ、賃金を支給しなければなりません。無事に有給休暇を使えたからといって、油断は禁物です。正しい金額で支給されているか、しっかりと確認してくださいね。

希望の日に有給休暇がもらえない

有給休暇の取得を申し出ても「その日は困るので別の日にしてください」などと言われることがあります。「有給休暇は労働者の権利では?」と不満に感じるかもしれませんが、雇用主にも「時季変更権」があります。

時季変更権とは、従業員に休まれると業務に支障が出る場合に、日にちをずらして有給休暇を取得させる権利のことです。特別なスキルを持った従業員が必要な日であったり、繁忙期に有給休暇取得の希望が殺到したりした場合であれば、雇用主は時季変更権を行使できるのです(慢性的な人手不足の場合は行使できません)。

自分の権利ばかりを主張するのではなく、雇用主の権利も認め、協力する姿勢を大切にしましょう。

正しい知識で有給休暇の権利を守りましょう

パート先から説明がなく有給休暇があることを知らなかったり、計算方法が間違っていることに気が付かずに損したりするのは避けたいものですよね。

そのためには、労働者が正しい知識を身に付けることが重要です。今回の記事を参考に、パート先の有給制度におかしなところがないかを確認してみてくださいね。

また、パート・アルバイトの有給休暇に関する記事は以下のページでまとめて紹介しています。
ぜひご参照ください。

パート・アルバイトの人が知っておくべき有給休暇のルールをまとめて解説!

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