学生が扶養なしでバイトする?
学生のアルバイト。大学生にもなると、多くの学生が学業と両立しながら、アルバイトをするでしょう。学生にとってアルバイトは、生活費を稼ぐためなだけでなく、社会勉強の場としても大切な環境です。
学生が扶養範囲を超える
学生のアルバイトの場合は、授業が終わった夕方から夜に掛けて、あるいは土日だけ働くというのが一般的かもしれません。または長期休暇に合わせて、期間限定のアルバイトをすることもあるでしょう。
基本的に扶養とは、家族や配偶者の収入を柱に生計を立てています。学生の多くは、親に養われている状態です。そのためアルバイトによる収入も、扶養範囲内に収めることが一般的です。本業は勉学ですし、毎月数万円程度の収入に収まることがほとんどでしょう。
ところが、一部の学生の中には授業のスケジュールに余裕があることを理由に、多くの時間をアルバイトに費やすということもあります。働き方によっては、扶養範囲内を超えることも十分にあり得ます。
18歳を超えると就労可能な年齢と判断されることから、扶養範囲を超えて働くことは十分に可能です。学生の中には、両親からの経済的支援を受けずに、自ら生計を立てている人もいます。そういった場合は学生かどうかに関わらず、所得税・社会保険料の支払い、年末調整などの各種手続きも必要になります。
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学生が扶養なしで働く場合の注意点
学生が扶養を外れて働く場合に気を付けなければならないのは、親の納税額が高くなるということです。
学生がアルバイトをし、親の扶養となっている間は「扶養控除」が適用になります。さらに、学生の年齢が19歳以上23歳未満の場合は、扶養控除額が高くなる「特定扶養控除」の対象になります。教育費の負担が大きい世代の家計負担を減らすという目的で出来た制度で、特定扶養控除を適用させるには、学生の年収を103万円未満にする必要があります。
一般的な扶養控除額よりも節税効果が高くなるため、扶養内に収めた方がお得と考える場合も多いでしょう。また、学生が一生懸命働いて、より多くの収入を得たことで、親が思いもよらない増税に驚くなどということもあるかもしれません。学生がアルバイトをする場合には、どの程度働くのかを事前に話合うことも必要でしょう。
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勤労学生控除とは
年収103万円以下であれば所得税がかからないという意味で使われる「103万円の壁」。これが扶養範囲内で働く場合の1つの基準になります。
学生が扶養範囲を超える場合に適用される制度に「勤労学生控除」があります。この制度を利用すると「103万の壁」の範囲が130万円まで拡大されます。いくつかある条件を満たした場合、納税対象者が学生である場合に限りという条件で、制度の適用が認められます。
所得控除と言われる所得税に関わるものだけでなく、住民税の計算をする場合にもこの勤労学生控除が適用されます。
- ・給与所得などの勤労による所得があること
- ・合計所得金額が75万円以下で、しかも(1)の勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下であること
- ・「特定の学校の学生、生徒であること」
条件に該当すれば、年末調整で申請することが可能ですので、アルバイト先に勤労学生控除を受けたいという意思を伝えておきましょう。27万円分の控除が受けられるとなれば、学生にとっては大きなメリットです。
参考:国税庁HP
税金の仕組みを知って上手に学生生活と両立しよう!
勤労学生控除の対象になれば、アルバイト収入を非課税にすることは可能ですが、親の納税にかかる負担は変わりません。大きく稼ぎたいという自分の意思だけでアルバイトを増やすのは、ただ単に負担を大きくしてしまうだけかもしれません。
20歳を超えたら、一切の負担を自らの力でと考えている家庭もあるでしょう。親元を離れて一人暮らしをしている場合は特に、生活費の負担は大きいものです。仕送りの負担を考えると、納税額が上がることは問題ではないと感じる場合もあるはずです。
学生が扶養を外れてアルバイトをする場合には、親と子それぞれにかかる税金の負担などを事前に良く把握しておくようにしましょう。
そして、学業は本業であること、アルバイトばかりに集中して学生生活がおろそかにならないようにしましょう。