扶養内で働くには?
扶養範囲内で働く場合、雇用形態は限定されるのでしょうか。そもそも、扶養内には多くの制限や条件が設けられています。その範囲内であれば雇用形態が限定されることはありませんが、制限や条件を鑑みて、パート・アルバイトを選択することは多いようです。その理由についてご紹介します。
扶養内で働く場合の雇用形態
扶養範囲内で働く場合、雇用形態が限定されるというようなことはないようです。そうは言っても、扶養内での働き方にはさまざまな制限があります。
雇用形態に関わる点で言えば、社会保険への加入というところが1つの基準になるでしょう。扶養内か扶養外かの基準として「130万円の壁」というものがあります。一般的に、年収が130万円を超えた時点で勤務先の社会保険に加入する必要があります。
年収130万万円を超えると、住民税・所得税・社会保険料の全てを自分自身で負担することになり、家族や配偶者からの経済的援助を受けている「扶養」の状態とはみなされなくなります。
そういった点で考えると、社会保険の加入が義務づけられる正社員では、扶養内で働くことは難しいと言えるでしょう。さまざまな制限が課せられることを鑑みると、比較的自由度の高い、パート・アルバイトの方が扶養内として働くのには向いているようです。
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フリーターとして扶養内で働く
フリーターは正社員として定職に就くことはなく、アルバイトをして働く15歳~34歳までの人のことを指します。家事や育児のためにアルバイトを選択しているのではなく、さまざまな理由からパート・アルバイトで「生計を立てる人」をフリーターと言うようです。
フリーターとして働くことのメリットは、時間や休みが自分自身の希望に合わせやすいこと、転勤がないこと、責任が少ないなど、大きなストレスを感じずに働けるという点でしょう。その半面、収入が安定せず社会的信用が薄いといったデメリットもあります。
フリーターの中には、家族と一緒に暮らし、扶養範囲内で働く人もいます。両親のいずれかが正社員として社会保険に加入済みであれば、フリーターでも社会保険の被扶養者になることが可能です。
もし、扶養者となりうる人が家族の中にいない場合は、例え年収130万円に抑えたとしても扶養内とは言えませんので、国民健康保険料・国民年金保険料を収める必要があります。
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派遣社員として扶養内で働く
人材派遣会社と雇用契約を結び、派遣先となる他企業で働くのが、派遣社員としての働き
方です。人材派遣会社の従業員として雇用契約を結ぶため、扶養内で働く場合に派遣会社との相談が必要になります。
人材派遣会社が募集する求人の中には、扶養内可というようなものもあります。派遣社員としては働くことの最大のメリットは、希望する勤務時間や日数に合わせた求人を派遣会社が紹介してくれるという点。働いている間は派遣会社からのサポートもあるため、給与面の管理についても煩雑なことはありません。
契約社員として扶養内で働く
契約社員は、契約期間は定められた「有期雇用」の状態で、正社員ではないというところから非正規雇用とされています。「無期雇用」である正社員と同様、企業から直接雇用されており、正社員に準じた働き方をします。
転勤、賞与、休日数、福利厚生等、労働条件の定めに違いはありますが、勤務時間は正社員と同様です。そのため、契約社員の状態で扶養範囲内で働くということは恐らく不可能でしょう。
配偶者が非正規雇用の場合の扶養内で働ける?
自分自身がパート・アルバイト、または契約社員であった場合以外に、家族や配偶者がそれらの雇用形態である場合、扶養に入って働くことは出来るのでしょうか。扶養内で働くための条件と合わせて確認してみましょう。
配偶者が契約社員や派遣社員の場合
家族や配偶者の扶養になるということは経済的に援助を受けている状態で、納税者となる扶養者と生計を共にしていることが前提です。「親の扶養に入る」「夫(妻)の扶養に入る」という言い方がされるのはご存じでしょう。
扶養には「税法上の扶養」「社会保険上扶養」という2種類があります。被扶養者の年収に制限が設けられているため、一般的にはその範囲内に収めることで税金・社会保険のそれぞれで優遇されることがあります。
扶養者の年収が1,000万を超えるなどの高額所得者である場合には、配偶者控除・配偶者特別控除のによって受けられる節税効果が低くなるということがありますが、雇用形態に関わる定めはありません。
つまり、家族・配偶者が正社員以外の働き方をしていたとしても、扶養内で働くための条件に当てはまっていれば。扶養内で働くことは可能です。
迷ったら勤務先に確認しましょう
扶養内で働く場合は、まずは労働時間や給与の諸条件についての理解を深めましょう。雇用形態で区別されるものではありませんが、扶養内で働く意思を勤務先に伝えることは忘れてはいけません。
年間所得制限があるため、給与がその範囲を上回らないよう調整が必要な場合もあります。場合によっては、労働時間や日数の面である勤務先に協力してもらうことも出てくることこともあるはずです。
条件に当てはまっている方大丈夫と自己判断をするのではなく、勤務先への確認・意思表示を忘れずに行いましょう。