定年退職後、再雇用で働く人が知っておきたいこと
老齢基礎年金の受給開始年齢は、段階的に引き上げられています。2021年1月時点では原則65歳開始。それに伴い、2006年から高齢者の雇用確保の措置を取ることが、事業主に義務付けられています。
具体的な措置としては、定年の廃止や「勤務延長制度」で60歳を過ぎてもそのまま雇い続ける他、60歳で定年退職した人を、再雇用するケースが見受けられます。
この記事では、定年退職後に再雇用で働く場合の雇用形態やボーナスの有無について解説します。
また、再雇用後の給与やボーナスの額は老齢基礎年金の受給に影響を及ぼすため、老後の生計を考える上で知っておきたいポイントも見ていきましょう!
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定年退職後の再雇用・雇用形態は?
定年退職後の再雇用は、一度会社を辞めるため、これまでの給与額や役職などはリセットされます。
また、雇用形態は嘱託社員や契約社員、パートタイムやアルバイトなどの非正規雇用が一般的。60歳を過ぎた従業員の体力や、精神的な負担を考慮し定時退社が可能で重大な責任が伴わない業務を任せることが多いのです。
ただし、定年退職前の地位や能力を考慮して「相談役」や「顧問」といった特別な肩書が与えられる場合もあります。
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定年退職後の再雇用でボーナスはもらえるの?
前の項目で説明した通り、定年退職後の再雇用は非正規雇用であることが一般的です。非正規雇用者の大半はボーナスなしのため、定年退職後に再雇用で働く場合はボーナスはもらえないことが多いでしょう。
また、基本給も時給制になどになり、大幅な年収ダウンが少なくありません。「長年貢献したのにひどいのでは?」と感じる人もいるのではないでしょうか。
しかし、公的なお金を受給する都合を考えると、勤務先からの収入が減ることはむしろメリットなのかもしれません。次の項目で、詳しく解説します。
定年退職後の再雇用で注意したい年収額
まず把握しておきたいのは「高年齢雇用継続基本給付金」です。高年齢再就職給付金は、60歳以上65歳未満の雇用保険被保険者が、原則として60歳時点と比較して75%未満の賃金で働いている場合に受給できるお金です。
老齢基礎年金の受給開始は原則65歳からなので、それまでの収入減少に対処するための給付金といえるでしょう。また、高年齢再就職給付金の受給中に再就職した場合は「高年齢再就職給付金」を受給できます。
そして、老齢基礎年金の受給が始まる65歳以降は、老齢基礎年金の月額と総報酬月額相当額(毎月の賃金と直近1年間に受け取ったボーナス支給額)の合計が46万円以上になった場合、老齢基礎年金の支給額が減額、またはまったく支給されなくなってしまいます。
直近1年間の賞与については賞与の総額を12カ月で割って算出します。つまり64歳の時点でボーナスをもらっていると、老齢基礎年金の受給で損をすることがあるのです。
定年退職後の働き方はよく考えましょう
老齢基礎年金を満額でもらうよりも、よくバリバリ働いて稼ぎたいという人もいれば、負担の少ない仕事をしながら老齢基礎年金などで暮らしたいという人もいますよね。
定年退職後、再雇用で働き始める前には年収の見込みや任される仕事内容を確認し、納得できるか、年金で損しないかをよく考えしましょう。
また、今の職場で老後の生活資金に不安がある人は、一度転職エージェントに相談してみてはいかがでしょうか。退職金や再雇用制度が充実した企業への転職を検討するなど、今後の道筋が見えてくるかもしれません。
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そして穏やかな老後を迎えるためには若いうちからお金を蓄え、いつまでも元気に働けるよう心身の健康を大切にしてくださいね。
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