ホテルでは個人情報は守られているのか?
ホテルでは大勢のお客様の個人情報を保持していますが、それらはきちんと守られているのでしょうか。残念ながらホテルで個人情報の漏洩事故が発生したこともあり、不安を感じているお客様もいるはずです。
ホテルにおける個人情報の扱い方や、個人情報漏洩事故の事例を把握して、今一度気持ちを引き締めましょう!
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ホテルのプライバシーポリシーで個人情報の扱い方をチェック!
プライバシーポリシーとは、企業などで個人情報をどのように扱うのかを明示するための文書です。作成・公開は義務ではありませんが、個人情報の保護に関心が高い今の世の中では、多くの企業がプライバシーポリシーを掲げています。
ホテルでもプライバシーポリシーを公開していることが多く、個人情報保護法に沿った内容であることが一般的です。例として、あるホテルのプライバシーポリシーの大まかな内容を見ていきましょう。
【プライバシーポリシーの例】
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- 不正な方法で個人情報を収集しない
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- 収集した個人情報を目的以利用しない
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- 個人情報の安全管理に留意する。安全性の確保ができない状態での入出力、送信、搬送、廃棄を禁止する
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- 法令で定める範囲を超えて、本人の同意なしに第三者への個人情報提供をしない。業務委託などで個人情報を第三者に預託したり、共同利用する場合は必要な契約を結び、法令上必要な措置を講じる
- 本人の個人情報について開示、訂正、利用停止などを請求する権利があることを理解し、本人からの要求があれば法令などの定める手続きに従って開示する
この他、利用目的の詳細や、個人情報を共同利用する者の範囲、ウェブサイトにおける個人情報の取扱いなどについても事細かく定められます。
ホテルで働いている方は、ご自身の勤め先ホテルのプライバシーポリシーを必ず一度は読んでおきましょう。
なお、個人情報保護法の内容については以下の資料をご確認ください。
参照:個人情報保護法について/個人情報保護法ハンドブック 個人情報保護委員会
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
ホテルで起きた個人情報の漏洩事故の事例
実際にホテルで起きてしまった個人情報漏洩事故は、どのような内容だったのでしょうか。同じ事故を起こさないためにも、事例を学びましょう。
レジャーホテルの検索&予約サービスで個人情報漏洩
2019年の12月レジャーホテルの検索・予約サービスにて、利用者の個人情報が漏れる事故が発生しました。
このサービスではログインパスワードを暗号化しておらず、利用者のメールアドレス・ログインパスワード、ハンドルネーム、性別、誕生日、居住地の情報が漏洩しています。
レジャーホテルという特にセンシティブな施設の検索・予約サービスにおいて、個人の特定ができる情報が漏洩したのは大問題でしょう。
また、レジャーホテルに限らず、ホテルに宿泊したことを知られたくないお客様は多いはず。個人情報の漏洩は、ホテルの信頼を地に落とすくらいのインパクトがあるのです。
高級ホテルチェーンで2度の個人情報漏洩
世界を股にかけて展開する高級ホテルチェーンでは、2020年の3月に2度目の個人情報漏洩事故が発生しています。
従業員2名のアカウントで、大量の顧客情報にアクセスした形跡があり、パスポートの情報や客室の好みといった詳細な個人情報が盗まれた可能性があるとされています。この時被害に遭った個人情報の件数は、推定520万件です。
また、前回の被害は2018年11月のこと。なんと3億件以上の顧客情報に不正アクセスされ、500万件以上のパスポート番号に影響があったと発表しています。
サーバーのハッキングによる顧客情報の漏洩
日本の高級ホテルチェーンでも、12万件を超える個人情報の流出事故が起きています。
事故の発表があったのは2018年6月。ホテルの外国語ホームページの、予約システムのサーバーが攻撃を受けて、個人情報が盗まれたということです。
サーバー攻撃を受けたホテルもまた被害者ではありますが、クレジットカードの番号や有効期限など、非常に重大な個人情報が漏洩しています。
また、ホテルでは従業員が個人情報を漏らしてしまう恐れがあります。こちらの記事も参照し、守秘義務違反を防ぎましょう。
ホテルで起きた守秘義務違反の事例・守秘義務違反を起こさないための対策とは?
ホテルが個人情報を守ることはサービス以前の問題
どんなに豪華な設備があって、レベルの高い接客を提供していても、ひとたび個人情報の漏洩事故が発生すれば、ホテルの評判はガタ落ちになるでしょう。
お客様の個人情報に関わる機関としっかり連携を取る、定期的にコンプライアンス研修を実施するなどの対策を取って、個人情報保護の意識を高めましょう!