ホテル業界で話題のオンラインチェックインとは?
よく飛行機を利用するという方であれば、オンラインチェックインを一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。航空業界のカウンター業務削減に大きく貢献したオンラインチェックインは今、ホテル業界においても広がりを見せています。
ホテルのオンラインチェックインはどのようなものなのでしょうか。ホテルのオンラインチェックインにまつわる情報をご紹介しますので、未導入のホテルはぜひ導入を検討してみてくださいね。
スマホを使ったチェックイン
オンラインチェックインは、その名の通りオンラインでのチェックインを可能としたサービスです。スマートチェックインと呼ばれることもあります。
お客様は、予約時に必要な情報を入力さえしていれば、宿泊日当日にフロントでチェックインを行う必要はありません。双方の時間が短縮できるとして注目を集め、大手ホテルチェーンを中心に、徐々に導入が増えています。
チェックイン方法は使用するシステムにより異なりますが、多くの場合、予約時に発行されたQRコードをお客様のスマートフォンで専用端末にかざすことでチェックインが可能です。中には、顔認証でチェックインができるシステムもあるようです。
スマホはルームキーに
オンラインチェックインシステムは、チェックインの簡略化に加え、チェックイン時に使用したスマートフォンやタブレットなどの端末をルームキーとして使用できるようになるものが大半です。
つまり、事前決済を行っていればお客様はスマホひとつでホテルのチェックイン・鍵の開錠・チェックアウトが可能となるため、フロントに立ち寄る必要がなくなります。まさにホテルのスマート化を実現してくれるシステムと言えるでしょう。
スマート化が進むスマートホテルについて知見を深めたい方は、下記記事も参考にしてみてくださいね。
スマートホテルってなに?IoTやAIの活用でホテルをスマート化するメリットとは
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
ホテルがオンラインチェックインを導入するメリット
省人化を可能にしてくれるオンラインチェックインは、ホテルに多くのメリットをもたらします。導入により期待できる4つの効果をみていきましょう。
人的・金銭的コストが削減できる
チェックイン業務が減るということは、フロントの業務量軽減に直結します。よって、人的コストが削減できるということは言うまでもありません。
また、これまで使用していた宿泊者名簿やレジストレーションカード、ルームキーのためのICカードの必要性が減るため、経費の削減にも繋がります。宿泊者名簿がデータ化されたことにより、管理・保管が楽になるというメリットもあるでしょう。
お客様の時間が増える
混雑している時間帯のチェックインは、待つのも一苦労ですよね。しかし、オンラインチェックインの専用端末を何台か導入さえしてしまえば、お客様はすっとチェックインを済ますことができます。何かと忙しいビジネスマンには、重宝されるシステムかもしれません。
また、家族連れでホテルを利用する場合、これまでであれば両親のチェックイン対応時に待ちぼうけていた子供も、両親とともにチェックイン作業ができれば時間を持てあますことはありません。チェックインすら、家族で楽しめる時間になるかもしれませんね。
アプリを導入してもらえる
現行でオンラインチェックイン・スマートチェックインを導入しているホテルは、自ホテルの公式アプリを経由し、チェックインを行うようお客様に促すのが一般的です。言い換えれば、オンラインチェックインを行うためには公式アプリのダウンロードが必須となっているのです。
アプリを導入してもらうことができれば、お得情報やイベント情報をお客様に見てもらう機会が増えます。ひいては、リピーター増のきっかけになることでしょう。
感染リスクが軽減できる
もっとも、昨今でホテルのオンラインチェックインが流行り出したのは、新型コロナウイルスの影響といっても過言ではありません。
対人でのチェックインが不要になれば、ソーシャルディスタンスを保つことができますよね。流行の長期化を見越し、同じような感染症の予防策として導入を進めるホテルがあるということも覚えておきましょう。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
ホテルでオンラインチェックインを導入するデメリット
ホテル・お客様ともに多くのメリットをもたらしてくれるオンラインチェックインですが、もちろんデメリットもあります。4つのデメリットをご紹介しますので、導入の検討にお役立てください。
導入・運用コストがかかる
何か新しい物事を始めるのに必ずついて回るのは、導入コストです。システムとなれば、運用・月額のコストもかかってきます。
しかし、導入費用は驚くほど高いということもなく、月3万円からと謳う企業も見受けられました。気になる方は、「オンラインチェックインシステム」や「スマートチェックインシステム」でシステム提供企業の情報を集めてみてはいかがでしょうか。
操作方法を覚える手間が発生する
スマートフォン・アプリ・〇〇ペイ・スマートスピーカー・車の自動運転など、AIやIoTの発達により様々なものが電子化されたことで、人々はより便利な生活を送ることができるようになりました。
しかし、時代の流れが速すぎてついていけない、あるいはあえて時代に逆行したいと考える方も中には存在し、このような考えを持つ方は年齢が上がるほど増加する傾向にあります。これは、従業員年齢が高いホテルのスマートチェックイン導入障壁が高くなることと同義です。
そのため、たとえお客様の需要があっても、覚える手間・教える労力を鑑みれば導入をすべきではないと考えるホテルも発生することでしょう。
導入時はいつも以上の案内が必要になる
オンラインチェックインの導入が始まれば、利用者は増えることでしょう。しかし、世の中的に、ホテルでオンラインチェックイン・スマートチェックインを行ったことがある方は少ないはず。つまり、導入が早ければ早いだけ、問い合わせが増えるということを覚悟しておく必要があります。
ただし、ホームページで質問されそうな項目を先回りして案内をする、予約時のメールに記載をしておくことで、負担は軽減されるではずです。
「おもてなし」の機会が減る
機械化・システム化が進めば作業負荷が減ると同時に、接客の機会が減ります。
ホテルをはじめとした宿泊業界では、「おもてなしの精神」を重要視するお客様も多いため、中には「接客が少ない冷たいホテル」と感じてしまう方がいるかもしれません。一方では、利便性を考えた「真のおもてなしを提供するホテル」と解釈する方もいるでしょう。
フロントでのPRができなくなるというデメリットがある一方、お客様は煩わしさから解放されるというメリットもあるように、サービス業者にとってスマート化は一長一短です。何を重要視するかは考え方次第ですので、自ホテルの目指すべき所と照らし合わせ、検討を重ねてください。
とは言え、何か新しいことを始めるには賛否両論が飛び交うことは避けられません。ひと昔前までは現金主義が多かった日本人も、オンライン決済が市民権を得るようにまでなりました。この背景も踏まえ、下記記事も参考にしながら導入を検討してみてくださいね。
ホテルのオンラインチェックインの流れ
実際にオンラインチェックインのシステムを導入した場合、どのような流れでお客様はチェックインをしてもらえばいいのかがわからないというホテルの担当者も多いはずです。下記に、一般的なオンラインチェックインの流れを記載しましたので、ぜひイメージを膨らませてみてください。
【宿泊前】
- ・WEBサイト・公式アプリからホテルを予約
- ・(ホテル公式アプリのダウンロード)
- ・オンラインチェックインの希望をホテルに伝える
- ・予約完了メールの受信
【チェックイン当日】
- ・アプリでチェックイン用のQRコードを表示する
- ・チェックインリーダーにQRコードをかざす
- ・スマートフォンなどの端末の「チェックイン」のボタンをクリック
- ・ルームキーをダウンロード
【チェックアウト当日】
- ・アプリから「チェックアウト」を行う
オンライン決済を済ませてある場合は、フロントに立ち寄る必要は一切なくなりますので、お客様はスムーズな入退館が可能となります。
ただし、予約者の端末にしかルームキーがダウンロードができないサービスが一般的で、2名以上での宿泊やスマートフォンの充電切れ・紛失の際には、これまで同様ルームキー用のICカードが必要になることも多くあるようですので注意してくださいね。
オンラインチェックインはホテル業界の未来を変える!
オンラインチェックインのシステム導入は、システムの操作方法の習得や導入費用の発生など、参入障壁があることは事実です。しかし、省人化・業務量の削減ができるというのはホテルにとって大きなメリットとなるはずです。
オンラインチェックインは、これまで「薄給激務」と言われ続けたホテル業界を変えるきっかけになると期待も寄せられています。加えて、世界中でますますスマート化が進むと考えられていますので、気になる企業はぜひ前向きに導入を検討してみてはいかがでしょうか。
そうは言っても、導入後に使いこなせるのかが不安というホテル担当者もいるはずです。そんな時は、ITやシステムに強い人材の採用もあわせて検討してみてはいかがでしょうか。当サイト「おもてなしHR」が、貴ホテルにぴったりの人材をご紹介します。
ご相談・資料請求はもちろん無料ですので、ぜひお気軽にご連絡くださいね。