ホテルのIT化
ホテルのIT化、デジタル化は特別なことではありません。
例えば、ホテルの宿泊予約はオンライン上で行われることが多く、決済までも完了してしまいます。
進むホテルのIT化
ホテルに限らず、私たちの生活そのものがIT化されています。スマートフォンの所有率で言えば、40代以下の年齢層では80%以上と言われています。
インターネット通販の普及に伴い、ホテルの宿泊予約もインターネットが利用されることが当たり前になってきました。
OTAと呼ばれるオンライン上の旅行会社、宿泊料金の比較サイトなどの登場により、宿泊客にメリットのあるサービスが増加しています。
ホテルは、そういった時代の流れに合わせたIT化が進行しています。オンライン上での予約は、専用システムで予約管理がされ、予約情報がホテルのシステムに自動反映されます。
業務効率、人件費削減といった観点からもIT化は有効であるといえます。
慢性的な人手不足に頭を抱えるホテル業界は、ITシステムの導入により課題解決を図ることも少なくありません。
予約管理や顧客管理に対するツールのほか、会計やマーケティングツールなど、ホテルが度乳しているITシステムは多岐に渡ります。
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非接触のためのIT化
ホテルのIT化を加速させる要因のひとつに、コロナウィルスの感染防止対策があります。
コロナウィルスの感染拡大防止の為には、非接触やソーシャルディスタンスといった新たな生活様式への転換が提唱されています。
可視化システム
コロナウィルス感染拡大防止のためには、密閉空間・密集場所・ 密接場面のいわゆる3密を避ける必要があるとされています。
ホテルや旅館では、レストランや大浴場などがこの3密になりうる場面です。
時間帯によっては、混雑が発生する可能性があり、感染拡大の危険性が高まります。
こういった場の入口にセンサーを取り付け、人数をカウントすることで混雑を避けるシステムの導入をしているホテルがあります。
混雑状況をスマートフォンのアプリケーションでお客様に知らせるなどのサービスがあり、わざわざ足を運んで確認しなくても、客室にいながら状況を知ることが可能になっています。
自動チェックインシステム
これまでもビジネスホテルなどでは導入されることのあった自動チェックインシステムですが、コロナウィルスの感染をきっかけに取り入れるホテルが増えてきています。
フロントに自動チェックイン機を設置するほか、フロントデスクにタブレット端末を設置すすることで、従業員との接触を軽減することが可能です。
中には、スマートフォンアプリを使ったチェックインが可能で、発行されたQRコードがルームキーになるシステムもあります。
オンラインショップ
ホテルの中には、レストランの人気があったり、ホテル内のベーカリーショップが有名であったりと、宿泊以外の利用目的を持つお客様が多いホテルもあります。
不要不急の外出自粛が推奨される中で、多くの飲食店はデリバリーやオンラインショップの導入を進めました。ホテルも例外ではありません。
焼き菓子やチョコレート、レトルトカレーのような商品がオンラインラインショップで販売されています。
外出が出来ない中でも、ホテルの味を楽しむことができる工夫がされているようです。
また、オンラインショップの商品として、ホテルの宿泊前売り券や食事券も販売され、今後のホテル利用の促進のための策が取られていることもあります。
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ホテルのIT化のための補助金
サービスや生産性の向上を図るためのIT化に対しては、IT導入補助金を使用することが可能です。
複数に区分された業務に合わせた、その業務効率化の為に用意されたソフトウェアの導入に充てることができます。
新型コロナウィルスの影響を受け、対象や補助金額が拡大されるなどの、特別枠が設けられました。補助金額は30万円~450万円で、特別枠では補助率も引き上げられています。
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ホテルのIT化は新しいサービスのかたち
これまでIT化は業務効率化や人件費削減といった視点で導入されるものでした。
コロナ禍においては、感染防止策としてのIT化が考えられるようになっています。
ホテルは質の高いおもてなしを提供する場である以前に、安心と安全が約束された場である必要があります。
IT化だけではなく、マスクの着用やお客様との一定の距離を保つ工夫など、新しい生活様式にならった、新しいおもてなし様式が、これからのホテルをつくります。
非接触という視点で考えると、ホテル業のIT化は寂しさや冷たさを感じてしまうかもしれません。サービスの提供という部分では、これまで通りにはいかないはずです。
ホテルは、デジタル機器の導入や、オンライン上でのサービスを導入する中でも、どうすればお客様への思いやりや気遣いを表すことができるのか、IT化と共に考えていかなければなりません。
IT化の向こう側にも、思いやりや心遣いが感じられること、おもてなしの表現方法が課題になりそうです。