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ホテル・旅館で徹底するべき労災防止策とは?

労災とは「労働災害」の略で、業務中や通勤中に発生したケガや病気を指す言葉です。労災を防ぎ、安心・安全に働くことができる職場を提供するのは経営者の義務。特に、ホテルや旅館での仕事は危険が伴う作業や場所が多いため、労災の防止にしっかりと取り組まなければなりません。ホテル・旅館で取り組むべき労災防止対策についてまとめました。

ホテル・旅館で労災を防止するには

有毒なガス

NaMaKuKi- stock.adobe.com

 

ホテルや旅館は、一般企業よりも労災が起こる可能性が高い職場です。

 

厚生労働省が公開している労災の事例によると、接客娯楽業においては清掃中、調理中のケガやガスの発生による中毒などが目立ち、客室係や調理係が被災者になりやすいと言えるでしょう。

 

そして事例の内容を見ると、正しい作業手順を守っていなかったり安全確認を怠ったために起きた事故が多いことが読み取れます。

 

それをふまえて、ホテル。旅館での労災を防ぐために職場でどのようなとりくみが必要なのか考えていきましょう。

 

参照:労災の事例について/職場のあんぜんサイト

ホテル・旅館で必須の労災防止策

「職場における労働者の安全と健康を確保」するとともに、「快適な職場環境を形成する」目的で「労働安全衛生法」という法律が定められています。

 

企業は労働安全衛生法を遵守する義務があり、ホテル・旅館ももちろん対象です。労働安全衛生法の内容は次の通りです。

 

【引用】

事業場における安全衛生管理体制の確立

    • ・総括安全衛生管理者、安全管理者、衛生管理者、産業医等の選任

 

  • ・安全委員会、衛生委員会等の設置

事業場における労働災害防止のための具体的措置

    • ・危害防止基準:機械、作業、環境等による危険に対する措置の実施

 

    • ・安全衛生教育:雇入れ時、危険有害業務就業時に実施

 

    • ・就業制限 :クレーンの運転等特定の危険業務は有資格者の配置が必要

 

    • ・作業環境測定:有害業務を行う屋内作業場等において実施

 

  • ・健康診断 :一般健康診断、有害業務従事者に対する特殊健康診断等を定期的に実施

国による労働災害防止計画の策定

厚生労働大臣は、労働災害を減少させるために国が重点的に取り組む事項を定めた中期計画を策定。

 

※労働安全衛生法のほか、労働安全衛生分野の法律として、じん肺法や作業環境測定法がある。

 

【引用終わり】

出典:厚生労働省ホームページ

ホテル・旅館で自主的に行いたい労災防止策

リストアップ

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続いて、法律で義務付けられていること以外にも、ホテル・旅館で自主的に取り組むことが望ましい労災防止策を見ていきましょう。簡単にできる対策が、大きな労災を防ぐこともあり得ます。ぜひ、安全な職場づくりの参考にしてください。

5Sの徹底

職場における「5S」とは「整理・整頓・清掃・清潔・躾」の頭文字を取ったものです。

 

整理・整頓ができていなければ、床に出しっぱなしにしていた物につまずいてケガをする恐れがありますよね。清潔・清掃を守らなければカビや害虫の発生による病気や虫刺され、食中毒、感染症といった労災が発生するかもしれません。

 

また躾とは、職場のルールを守り責任者の指示に従うということです。労災の事例の中には、決められた手順通りに作業を行わなかった、自己判断で行動したことが原因であるものが少なからず存在します。

 

躾を怠ることによって労災が起こる危険性を従業員全員が理解し、取り組む必要があるのですね。

ヒヤリハット運動

ヒヤリハット運動とは、労災には至らなかったものの業務中に「ヒヤリとした・ハッとした」ことを従業員全員で共有し、労災防止への意識を高める取り組みです。

 

従業員への定期的なアンケートなどでヒヤリハット事例を集め、それが起こった原因や今後はどう防いでいくかを話し合いましょう。ちょっとした気の緩みで、誰にでも労災は起こり得るのだという認識を持つことに役立ちます。

KY活動

「KY活動」とは「危険予知活動」を略した言葉です。職場における危ないポイントを、作業の当事者同士が話し合い、危険防止の意識を高めることを指しています。

 

ホテル・旅館には厨房やプール、大浴場などのさまざまな場所に危険が潜んでいますよね。それぞれの場所を受け持つ従業員が危険予知を共有することは、ホテル・旅館の労災防止に大いに役立つのではないでしょうか。

安全当番制度

労災防止の要は、従業員全員が当事者意識を持って取り組むことです。KY活動やヒヤリハット運動は非常に有意義なことですが、傍聴者状態になる従業員が出てくることが考えられますよね。

 

そこでおすすめしたいのが「安全当番制度」です。職場の安全パトロールや安全ミーティングの進行役を当番制で担当させるのです。中心となって進める順番を受け持つことで、ひとりひとりの意識が高まることでしょう。

ホテル・旅館のリスクアセスメントを考えよう

リスクヘッジ

taa22- stock.adobe.com

 

作業に伴う危険性や有毒性を見つけ出し、除去・軽減する貯めの手法をリスクアセスメントと呼びます。さまざまな場所・作業に危険が潜んでいるホテルでは、積極的にリスクアセスメントに取り組むことが必要でしょう。

 

リスクアセスメントの取り組み方は次の通りです。

 

    • 1.危険性・有毒性を特定しどのようなリスクがあるか考える

 

    • 2.リスクを低減するための優先度を設定する

 

    • 3.リスク低減の措置を検討する。

 

  • 4.措置を実施して結果を記録に残します。

 

宿泊業においては、例えば以下のような考え方ができるでしょう。

 

    • 1.重い荷物を運ぶことで転倒やぎっくり腰のリスクがある

 

    • 2.死亡したり長期間にわたる療養が必要になる恐れがあるため優先度は非常に高い

 

    • 3.台車を使う・重い物を運ぶ際はエレベーターの利用を徹底するなどの措置を検討する

 

  • 4.措置を実施して記録に残し、運用に問題が無いか定期的に確認する

 

参照:リスクアセスメントについて/厚生労働省資料

従業員のメンタル面も労災に注意

労災は、労働中のケガや体の病気だけではありません。過労や人間関係などのストレスによるうつ病や自殺が、労災認定された事例があるのです。

 

ホテルや旅館では特に、長時間労働や独特の文化で大きなストレスを抱える従業員が多い傾向にあります。職場の危険な場所、危険を伴う作業に注意すると共に、従業員のメンタル面の労災を防ぐ意識を持つことが必要です。

 

働き方改革を進めることでゆとりが生まれ、メンタル面の労災を防ぐ効果が期待できます。以下の記事を参照に働きやすい職場づくりに取り組みましょう。

 

働き方改革でホテルはどう変わる?宿泊業と関わりの深い法律や成功事例を解説

 

働き方改革によって起こる人材不足の原因と解決策とは?

ホテル・旅館の従業員が労災に遭ったら

労災防止にしっかりと取り組んでも、思わぬ事故は起きるものです。ホテル・旅館の従業員が労災にあった場合、どのようにすれば良いのでしょうか。

 

まずは、病院に行ってもらうことになりますが、この時に注意したいのは従業員に自分の健康保険証を使わせないことです。

 

労災で病院に掛かる場合、労災認定病院で無償の医療サービスを受けるか、労災認定病院では無い病院で一旦、被災した本人が医療費を立替えて後から現金給付を受ける方法があります。

 

後者の場合、健康保険を使ってしまうと健康保険の適用から労災保険の適用に切り替える手続きが必要になるなど、余計な手間が掛かることになります。従業員が労災で病院に行く際には、健康保険を使わずに労災である旨を申告するように促しましょう。

 

また、医療サービスや休業が必要になった場合の給付金の請求は被災者本人が行うものですが、労災によって従業員の死亡や休業が発生した際には、働者死傷病報告書の提出が必要です。速やかに管轄する労働基準監督署に報告・提出を行いましょう。

 

労災発生時の対応についての詳細は厚生労働省のホームページで確認できます。

 

参照:労災発生時の対応について/厚生労働省ホームページ

ホテル・旅館の存続には労災防止が必要不可欠

労災は、被災者の労働力を失うだけでなく社会的な大問題に発展する恐れがあります。万が一、安全対策が不十分だったことによる死亡事故や、過労による自殺が発生すれば、企業としての信頼は地に落ちることでしょう。

 

従業員を大事にしない企業に、未来はありません。安心・安全な職場づくりへの取り組みは、どの企業にも必要不可欠なのです。

 

自社の労災防止が充分であるかどうかを、ぜひ今一度考えてみてくださいね。

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