あなたのホテルのインフォメーションブックは大丈夫?

iStock.com/Antonio_Diaz
あなたの勤めるホテルでは、インフォメーションブックをどのように扱っているでしょうか。
インフォメーションブックは、お客様への館内案内や、宿泊約款の掲示をするのが主な役割です。しかし、実はお客様とホテルとの架け橋となる重要な役割を担っている、ということを意識できている方はあまり多くないのではないでしょうか。
宿泊の際、インフォメーションブックはお客様から目を通されることが多いものになりますので、お客様の求める情報は記載されているべきです。
お客様の求める情報が記載されていない場合、フロントとの無駄なやり取りが発生したり、「こんなことも書いてくれていないのか…」とホテルの評価を落としかねませんので、今一度インフォメーションブックの役割や内容について、考えを巡らせてみましょう。
ホテルのインフォメーションブックの内容とは?

iStock.com/fokusgood
ホテルのインフォメーションブックは、一般的にどのような内容が記載されているのでしょうか。ホテルのインフォメーションブックを構成する5つの内容を解説します。
宿泊約款の掲示
法的な観点から、宿泊約款は多くのホテルのインフォメーションブックで記載がなされています。
政府の登録ホテルであれば、宿泊約款の策定・提出は義務となっています。政府非登録のホテルであっても大半が宿泊約款を策定されていることでしょう。
宿泊約款はお客様とホテルの約束事として設定をされています。もちろん、予約時に同意はあるものの自ホテルの身を守るためにも、インフォメーションブックに記載をしているというホテルが大半です。
館内の案内
宿泊約款の内容をわかりやすくしたり、プラスの情報を与えるために記載をされるのが、館内の案内です。一般的には、下記のような情報が記載されていることが多いでしょう。
- ・館内地図、フロア説明
- ・各施設の営業時間
- ・アメニティ、貸出物などの補足情報
- ・提供サービス情報
温泉を提供しているホテルであれば、泉質や効能なども記載しているかも知れませんね。
館内施設のPR
ルームオーダーやマッサージを提供しているホテルであれば、PRをインフォメーションブックに盛り込んでいることも多くあるでしょう。
宿泊料金以外での売上に繋げるための広告的な役割を持つため、インフォメーションブック内にラミネート加工したものを挟んだり、冊子を挟むという方法でPRをしているホテルもあります。
ホテル内外での過ごし方の提案
観光地などで、地域の魅力を知ってもらおうと考えているホテルであれば、観光地情報や飲食店情報をインフォメーションブックに記載しているということもあるでしょう。
「ホテルスタッフ厳選・おすすめの飲食店!」など、お客様とホテルの距離感を近づけるために作成している場合が多く、親しみやすさを感じてもらいやすくするため、手書きのイラストと文字でホテル内外での快適な過ごし方を提案しているというホテルもあります。
一部のホテルでは、有名観光地までのバスの時刻表・車での所要時間などを記載しているインフォメーションブックもあるようですよ。宿泊地にゆかりがないお客様にとっては、とても嬉しい心遣いですよね。
ホテルのPR
環境に優しいエコホテルは、自ホテルでの取り組み内容を紹介したり、リピーター割やこだわりのプランがあるホテルは、次回の来館を促すきっかけになるような情報を、インフォメーションブックに載せているということもあります。
ホテルの姿勢を見せながら、お客様へ「こんな理由があるならまた来たい」と思ってもらえるようなPRを間接的に行うこともできるため、使い方ひとつでインフォメーションブックはホテルの大きな武器になるということを覚えておいてくださいね。
ホテルのインフォメーションブックのNG例

iStock.com/Tempura
一般的なホテルのインフォメーションブックの内容をご説明しましたが、全ての情報を盛り込めば正解という訳でもありません。好まれないインフォメーションブックの例をみていきましょう。
多言語対応の翻訳
インバウンド需要の高まりから、ホテルのインフォメーションブックを多言語化したというホテルもあるのではないでしょうか。
翻訳を依頼する、自社で翻訳する、WEBサイトや翻訳アプリで翻訳をするなど、インフォメーションブックへ記載するまでの流れは様々ですが、「翻訳した多言語の文章のニュアンスが硬すぎる」、「逆にフランクすぎる」という印象を抱く外国人もいるようです。
翻訳された日本語に違和感を持つ日本人が多いという感覚と同じでしょう。そのため、多言語へ翻訳する際は、国内の人間のみで完結をさせないのがよいかも知れません。
また、多くのホテルで取り入れられているのは「日本語」と「英語」の2カ国語表記ですが、来日の機会が多いという点でみると「中国語」や「韓国語」なども加えておくのが、真のおもてなしと言えるでしょう。
情報量が多すぎる
お客様のため、と思いあちこちの情報をインフォメーションブック1冊に集めてしまうと、どのページを見ればよいのかがわからないというお客様が増えてしまいます。
インフォメーションブックを作成・改良する時に大切なのは、「情報に優先順位を付ける力」と「情報をまとめる力」です。
情報が詰め込まれすぎて、何も頭に入ってこないというインフォメーションブックは、お客様のためになりませんので、最適なコミュニケーションが取れるツールにするにはどうしたらよいのかを考え、作成・改良にあたってくださいね。
イラストが少ない
情報量が多すぎるインフォメーションブックでもよく見受けられるのが、イラストが少ないということです。
A4以上のサイズのインフォメーションブックを使っているというホテルは少ないはずですが、A4サイズ内で情報をまとめるのは想像するよりも難しい作業です。
ここにイラストが入ってくるとなると、さらに入力できる情報が制限されてしまうため、イラストをあえて減らしているというホテルもあることでしょう。
しかし、視認性が高いのは文字よりイラストです。文字をつらつらと並べているインフォメーションブックを使っているホテルは、イラストを増やすことで国内外のお客様の満足度を高めることに繋がるかも知れませんよ。
インフォメーションブックが汚い
長年同じインフォメーションブックを使っているホテルであれば、もしかするとインフォメーションブックが汚れてしまっているということもあるのではないでしょうか。
衛生的の汚さは言語道断ですが、気を付けていただきたいのは衛生的な汚さだけではありません。見た目の綺麗さにも気を遣っていただきたいです。あなたのホテルは下記のような過ちを犯してはいませんか?
- ・ファイルにシワが寄っている
- ・紙の色がタバコのヤニで変わってしまっている
- ・修正箇所のテープが剥がれかけている
- ・使用している文字のフォントやカラーに統一性が無い
インフォメーションブックは、フロントの次のホテルの顔と言っても過言ではなりません。大半のお客様が目にするのがインフォメーションブックですから、お客様の好印象に繋がるようなものであるべきでしょう。
ホテルの最新式のインフォメーションブックは紙だけではない!

iStock.com/nensuria
紙面のインフォメーションブックについてご紹介しましたが、最近では紙以外のインフォメーションブックを取り入れているというホテルもあるようですよ。
インフォメーションブックの役割を持たせた面白い最新の事例を3つご紹介しますので、あなたの勤めるホテルの経営のヒントにしてみてください。
テレビの待ち受け画面
ホテルチェーンなどで導入が進んでいるのは、客室に設置しているホテルの待ち受け画面に、これまでインフォメーションブックに記載していた内容を反映させるというものです。
地上デジタル放送への移行に伴い、テレビは薄型化が進み、リモコンで行うことできる操作が増えました。一方的にテレビからの情報を受け取るだけではなく、テレビの操作を行うという文化が根付いたこともあり、違和感無く導入を進めることができたというホテルもあるようですよ。
表示させる内容はホテルで決定することができ、多言語対応も可能です。
タブレット端末
最新では、各客室に1台タブレット端末を設置し、インフォメーション兼コミュニケーションのために利用しているというホテルもあるようです。
表示内容の選定の自由や多言語化が容易ということのほか、ICTやIoTと連動させ、フロントへの内線、ルームオーダー、レストランの利用状況確認などもタブレット1台で行うことができるというのですから驚きですよね。
端末の設置に費用はかかるものの、インフォメーションブックの改良や清掃にかかる手間・コストとお客様の満足度を考えると、導入の検討を進めてもよいかも知れませんね。
和紙を用いたインフォメーションブック
旅館で使われているインフォメーションブックのお話しになりますが、正方形に近い形で、表紙に和紙を用いて作られた手作りのインフォメーションブックを使用しているという事例もあるようです。
紙面にはスタッフの写真を切り貼りしたものや、手書きのコメントが加えられており、お客様からも好評のようです。
特徴のあるインフォメーションブックであれば、お客様を増やすきっかけになるかも知れませんよ。
ホテルのインフォメーションブックの本質はお客様にある!

iStock.com/myella
インフォメーションブックは、ホテルとお客様の架け橋となる存在ですので、一方的に必要そうな情報を集めて掲示するのではなく、お客様視点で作成をすることが重要です。
インフォメーションブックのクオリティが高ければ、ホテルは業務効率化やお客様の満足度向上に繋がる可能性が高まります。
インフォメーションブックについてのアンケートを行っているホテルもあるようですので、不安に思われたホテル従業員は、現状を把握するためお客様に調査を行ってみてもよいかも知れませんね。
お客様のためを思ったインフォメーションブックを用い、新たなお客様を呼ぶことができるホテルになることを願っています。