需要の高いファミリー向け旅館
ファミリー向けの宿泊施設は、どちらかというとホテルの方が多いですが、旅館も存在します。子供を連れて気兼ねなく宿泊できるファミリー向けの旅館は、宿泊予約サイトで特集ページを設けられるほど高い需要があります。
ファミリー向け旅館の特徴や取り組み、ファミリー向けにすることでどんなメリット・デメリットがあるのか解説します。
ファミリー向け旅館の特徴・取り組み

JAPAN-PRO- stock.adobe.com
ファミリー向けの旅館には、ファミリーで楽しく便利に宿泊できる特徴・取り組みがあります。具体的な内容を見ていきましょう。
子供の遊び場が近くにある
ファミリー向け旅館は、周辺に子供の遊び場がある場所に立地していることが多いです。自然体験ができるスポットや学習施設、テーマパークなどがあり、入場券とセットの宿泊プランを用意しているところもあります。
旅館の周辺で充実のレジャーを楽しめるので、家族連れのお客様に喜ばれるのですね。
ファミリーに安心・便利な空間
段差が少なく安全な館内や、絵本やベビーチェアの貸し出し、電子レンジが設置された客室など、ファミリー向け旅館では家族での滞在に安心・便利な空間づくりに力を入れています。ロビーなどの共有スペースに、キッズコーナーを設けている旅館もありますね。
また、子供の肌に優しい温泉では、泉質を活かすためにもファミリー層をターゲットにし、家族風呂を設置していることが少なくありません。
ファミリーに適した食事を提供
他のお客様の目が気にならない部屋食の提供や、好き嫌い・アレルギーへの配慮を手厚くすることも、ファミリー向け旅館で力を入れている取り組みです。
また、旅館の料理は一般的に、和食中心のものが多いですよね。ファミリー向け旅館では家族全員が美味しく食べられることを重視します。洋食やお子様セットなど、子供の好みに合わせたメニューも豊富に用意している所も多いでしょう。
子供料金はサービス価格
未就学児は添い寝可能で格安価格、子供用の食事は無料など、ファミリー向け旅館では子供の宿泊に掛かる料金を、非常に低価格に設定しています。
子供一名あたりの利益はほぼ出なかったり、中には完全無料にしている旅館もありますが、複数の大人のお客様を呼び込むためのサービスなのでしょう。
旅館をファミリー向けにするメリット

buritora- stock.adobe.com
さまざまな工夫を凝らして旅館をファミリー向けに運営するのは、相応のメリットが得られるためです。どのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
家族旅行での利用が見込める
ファミリー向け旅館のターゲットはもちろん、家族旅行です。一度にまとまった人数のお客様が宿泊してくれるのは、旅館にとって非常に嬉しいことですよね。
夏休みや冬休みなどは家族旅行が増え、売り上げを伸ばすチャンスが年に数回ある点もメリットです。
リピーター獲得のチャンスが大きい
子供を同伴しての家族旅行は、何かと心配ごとが付きまといますよね。しかし、一度家族で宿泊して良い対応をしてくれた旅館であれば、安心してリピートすることができます。
しかし反対に、ファミリー向け旅館であるとアピールしておきながら対応が残念だと、2度と利用して貰えなくなってしまいます。リピーター獲得を常に意識し、気配り・目配りのおもてなしを心がけましょう。
旅館のイメージ向上
子供を連れたファミリーに寛容な旅館は、一般的に良い印象を持たれやすいものです。
日本旅館というと、堅苦しくて入りにくいと感じるも居ますが、ファミリー向け旅館はもっとオープンで、気軽に宿泊できる感じがしますよね。
ファミリー層のみならず、旅館に苦手意識を持つ人にも良いイメージを持たれやすくなるはずです。
旅館をファミリー向けにするデメリット

fotogestoeber – stock.adobe.com
ファミリー向けの旅館は良いイメージを持たれやすい、リピーターを獲得しやすいなどのメリットがある一方で、ファミリー向けならではのデメリットもあります。把握しておくべきデメリットを解説します。
子供の宿泊は利益になりにくい
ファミリー向け旅館の特徴・取り組みの項目でも解説した通り、子供の分の宿泊料金は利益になりにくいものです。
多くのファミリー向け宿泊施設が、子供の宿泊料金を格安のサービス価格や無料としているため、競争が激しい点も押さえておきましょう。利益を出そうとしてサービス価格や無料を廃止すれば、他の宿泊施設にお客様を取られてしまいます。
お得感を出しつつも赤字にならないように、大人の分の宿泊料金とのバランスを考えて設定してくださいね。
子供による苦情・トラブルの発生
子供同伴の宿泊が大前提であるファミリー向け旅館では、子供起因の苦情やトラブルが発生するリスクが高いです。
真夜中の騒音や奇声、備品を壊したり人にぶつかったりは日常茶飯事かもしれません。トラブルが起きたときの対処方法を決めて、従業員に共有しておくと良いでしょう。
利用を控える人も居る
子供が苦手な人や静かに過ごしたい人は、ホームページや宿泊予約サイトに「ファミリー歓迎」と書いてあるだけで、宿泊先の候補から除外することがあります。
ファミリー向けにするということは、大人だけでの旅行やビジネス利用のお客様を、ある程度諦めるということです。どの層をターゲットにするかは慎重に検討した上で決めてくださいね。
ファミリー向け旅館が心掛けたいこと

globeds- stock.adobe.com
ファミリー向け旅館の経営や業務を行うにあたっては、ビジネス向けや大人向けの旅館とはまた違った心掛けが必要です。特に心掛けたいポイントを見ていきましょう。
ファミリー層が中心の旅館を経営したり、業務を行うにあたって必要な心掛けを見ていきましょう。
他のお客様へ迷惑がかかることは防ぐ
いくらファミリー向けの旅館と言っても、ファミリー以外のお客様をないがしろにすることはできませんよね。静かな滞在を楽しみたいお客様にとって、迷惑にならない工夫も必要です。
例えば、ファミリープランの部屋食や家族風呂は、家族連れのお客様が気兼ねしなくて済む上に、食事会場や大浴場を利用するお客様も静かに過ごせる利点があります。
全てのお客様が快適に過ごせる方法を模索しましょう。
ファミリー向け旅館であることをアピール
子供歓迎・家族旅行歓迎の旅館であることは、ホームページや広告などでしっかりとアピールしてください。ファミリー層の集客に効果的なだけでなく、静かな旅館に泊まりたいお客様の宿選びにも有益です。
先述の通り、一部のお客様を逃がすことにはなりますが、ファミリー向け旅館だと思わずに宿泊し、不満を抱かれるよりも得策ではないでしょうか。
安全配慮は徹底的に
どんな宿泊施設でも、お客様と従業員への安全配慮は必要ですが、ファミリー向け旅館であればさらに徹底しましょう。予期せぬ事故が起こる可能性は常にあります。
フールプルーフの備品を導入したり、段差を減らす・手すりを付けるといった工夫は子供やお年寄りだけでなく全てのお客様と従業員にとって安心・安全なものです。施設のバリアフリー化には助成金が出る制度もありますので、ぜひ活用しましょう。
真のファミリー向け旅館とは

Yusuke-Kawakami1- stock.adobe.com
子供の宿泊を可能にしているだけで「ファミリー向け」と謳う旅館もありますが、真のファミリー向け旅館となるためには、それだけでは不十分です。訪れた家族全員が安心して楽しめる旅館でなければなりません。
メリットもあればデメリットもあり、細やかな配慮が必要な部分も多々ありますが、真心のおもてなしは素敵な家族の思い出の一ページとなることでしょう。多くのファミリーに喜ばれる旅館を目指して頑張ってくださいね!