パティシエの服装の基本ルール
まずはパティシエの服装における、基本的なルールを見ていきましょう。以下のポイントを押さえれば、服装で大きな失敗をすることは防げるはずです。
清潔感
パティシエの服装は、清潔感が命です。生クリームやバターといった繊細な食材を使って、子どもからお年寄りまでが口にする洋菓子を作るのに、清潔感に欠ける服装ではいけません。
白を基調とした清潔感のある服装が適切です。そしてもちろん、きれいに見えるだけでなく実際に清潔であることが重要です。こまめな着替えや洗濯を忘れずに。
機能性
パティシエは身体を使う職業です。衣類には、動きやすく衛生的な素材のものを選ぶのが良いでしょう。例えば、かがんだ時につっぱりにくいストレッチ素材や、抗菌コートが施された布地でできたものが適しているのではないでしょうか。
また、キッチンの床は水や落とした食材で滑りやすくなることがあります。靴にも滑り止めの機能が必要です。
安全性
食の安全性を守ることも、パティシエの使命。服装を整えることには、抜け毛や装飾品などの異物が商品に混ざらないようにするための対策でもあるのです。
また、白を基調とした服装が良いとされることにも「不衛生な状態になったときすぐに分かる」という理由があります。黒や濃紺といったおしゃれなユニフォームもありますが「清潔を保つ」という点ではやはり、白が適切ではないでしょうか。
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パティシエに適する男女別の服装例
基本的なルールが分かったところで、具体的なパティシエの服装を見ていきましょう。ここでは例として男女別に紹介しますが、職場の規定や個人の好みに応じて適切に着こなしてくださいね。
男性パティシエ
男性はコックコートにズボン、頭をすっぽりと覆う帽子が基本的なスタイルです。
コックコートとは、洋食や洋菓子のキッチンで働く人のための作業着で、スタンドカラーやダブルブレストボタンのデザインが一般的です。
一見、単なるユニフォームのようにも思えますが、高温の油から皮膚を守ったり、鍋つかみとして使用できるように袖が長めに作られていたりといった機能が備わっています。コックコートの特徴を理解し、使いこなすこともパティシエの仕事の一部といえるでしょう。
女性パティシエ
女性パティシエの場合は、男性パティシエに比べて服装のバリエーションが豊富です。
男性と同じくコックコートの着用が基本ですが、立体裁断でボディラインにフィットするように作られたものや、長い髪の毛の混入を防ぐネットがついたものなど、女性パティシエの動きやすさを考慮したアイデア商品が多く見受けられました。
また、パティシエと接客を兼任する場合は、かわいらしいエプロンや、装飾のある帽子を着用することも。
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季節やシーン別の服装
快適さを保ち効率的に仕事をこなすことや、見る人に不快感を与えないためには、TPOに応じた服装を整えることが重要です。季節・シーン別の、パティシエに適した服装を見ていきましょう。
夏
ガスコンロやオーブンを使うパティシエに、夏の暑さ対策は欠かせません。コックコートやズボンなどの衣類は、通気性の良い素材のものを選びましょう。
通気性の良い素材として代表的なものは、コットンです。コットンは吸湿性があり、湿気を放出するときに熱を奪い、涼しく感じるといわれています。また、薄手の生地を選ぶことも重要です。ポリエステルと混ざった混紡の場合は、綿の割合が多い物を選びましょう。
帽子は目の細かいメッシュのものがおすすめです。
冬
冬は、朝の冷え込んだキッチンで働くことがあるため、保湿性の高い素材でできた衣類が適しています。コットンは、保湿性の面でも優れています。
また、コットン100%の生地は耐火性がある点もメリット。クレープシュゼットやバナナのフランベなど、火を使ったデザートの人気が高まる冬の間は、特に重宝するでしょう。
キッチン
キッチンでは、汚れにくさを優先した服装が望ましいでしょう。
果物の皮をむく作業にあたる場合はアームカバーを付けたり、コックコートをエプロンでカバーしたりといった工夫で、汚れを防ぐことができるはずです。
接客
職場によっては、パティシエが接客を担当することもあります。お客様の前に出る場合は、清潔感と華やかさを兼ね備えた服装が適切。
スカーフをまいたり、コックコートに刺繍を入れたりといったワンポイントでも、印象は大きく変わります。
パティシエの服装は仕事の一部!
コックコートや帽子といったパティシエの服装は「ただ着ていれば良い」というものではありません。
清潔感と機能性を兼ね備えた服装でプロ意識を高めたり、自分に合った服装で快適に仕事を進めたりする上で、きちんと着用することは非常に重要なのです。今回の記事を参考に、着こなしを見つめ直してみてくださいね。