接客と声のトーンはどう関係ある?
接客の場面では、お客様により良い印象を与えることが大切です。
その理由は、接客で受けた印象が、その企業や商品のイメージに直結するから。
飲食店のスタッフやホテルマンの接客に感動して、レストランやホテルのファンになった経験がある方もいるはずです。
反対に、接客の印象が悪かったことで、「期待外れ……。」「二度と来ない!」と感じたこともあるかもしれません。
料理がおいしかった、客室がきれいだったという理由だけでなく、接客が良かったということは、集客にも大きく影響を与えているのです。
そのため、接客業に携わる場合には、好印象を与えることを大切にしなければなりません。
身だしなみ、表情、言葉遣い、姿勢。
好印象を与えるために、気を付けなければならない要素はさまざまあります。
その一つに挙げられるのが、声のトーンなのです。
声のトーンは、声の表情とも言えるもの。
笑顔がお客様に安心感を与えるのと同じで、声の高さ、大きさ、速さの違いで、お客様に与える印象は大きく変わります。
どれだけ丁寧な接客でも、冷たさを感じる声のトーンでは威圧感を与えてしまいますし、小さすぎる声では、自信のない印象を与えてしまいます。
声のトーンを意識することは、声によるおもてなしとも言えるでしょう。
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接客で大事にしたい声のトーン
接客の場面では、どのような声のトーンを意識すると良いのでしょうか。大切にしたい声のトーンのポイントを紹介します。
少し高めの声を出す
接客を行う際の声は、少し高めが良いと言われています。
音程で表すと「ソ」の音を意識すると良いようです。
普段の話し声が低めの場合は、少し高めの声を出すことで、明るい印象を与えることができるでしょう。
しかし、高すぎるトーンになると、耳障りに感じたり、幼い印象を与えたりしてしまうもの。
普段から声が高いという自覚がある場合は、必要以上に高くする必要はありません。
落ち着いて話す
声のトーンは、音に限って言われることではありません。話すスピードも、印象を左右するものなのです。
相手が早口すぎて、何を言っているのか分からないと感じた経験はないでしょうか。
接客の場面では、ゆっくりと落ち着いたスピードを意識する必要があります。
一語一語が聞き取れるように、ゆったりと落ち着きのある速さを意識することは、相手への配慮。
適切な速さに迷った場合は、お客様のスピードに合わせるのも良いようです。
抑揚をつけて話す
会話をする際には、適切な間を取ったり、語尾を上げたり下げたりして、抑揚を付けることも大切です。
高めの声でゆっくりと話したとしても、抑揚がなければ機械的な印象に。
まるでロボットと会話しているかのような、冷たさを感じさせてしまいます。
退屈な印象になることで、耳にも残らず、記憶にも残りません。
笑顔で話す
相手が笑顔だと、つられて笑顔になってしまうことはないでしょうか。
笑顔は声にも影響を与えるものです。口角を上げるだけで、発声が変わります。
笑顔で話した声は、笑声と言われることもあるほど、活気のある明るい印象を与える声のトーン。
対面の場合は、表情と声で好印象を与えることができますし、電話のように顔の見えない場合でも、笑顔が見えるような印象になります。
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声のトーンを意識した接客の注意点は?
声のトーンが大事とは言え、急に変えるのは難しいと思うこともあるでしょう。意識しすぎることで、逆効果ということもあります。声のトーンを意識する場合の注意点を紹介します。
わざとらしくしない
「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」
このような一言も、声のトーンだけで印象は大きく変わります。
必要以上に語尾を上げたり伸ばしたり、アレンジを加えすぎたりすると、不真面目な印象を与えてしまいます。
笑いを誘いたいのであれば良いかも知れませんが、接客の場面ではわざとらしくならないよう、注意しましょう。
場面に合わせる
声のトーンは場面に合わせて使い分けるものでもあります。
高めのトーンで明るく話すのは基本。しかし、それがそぐわないこともあります。
クレームで怒っているお客様に対して、笑声を意識して話しをしたら、火に油を注ぐようなもの。
お怒りのお客様に笑顔を向けないのと同じく、そのような場合は低めの声で落ち着きのある話し方を意識しましょう。
声のトーンから表情が伝わる接客を目指そう!
接客で意識したい声のトーンは、少し高めで明るくはっきりとするのが基本です。
しかし、場面やお客様の様子に合わせてコントロールする必要があることも覚えておかなければなりません。
重要なのは、顔の表情や気持ちが伝わる声のトーンであること。
声のトーンでお客様の心に寄り添ったおもてなしを提供してくださいね。