観光でその地を訪れた人が泊まるのがホテルや旅館ですよね。つまり、観光業と宿泊業は非常に近い、重なり合っている業界とも言えます。そのため宿泊業に従事する人間としては、観光に関する知識・情報はいくらあっても足りませんし、常にアップデートすることも大切です。
観光についての知識を増やし、理解を深めるうえで役立つのが、今回紹介する旅行地理検定です。旅行地理検定とはどんな試験なのか、また合格するためのコツは?といった、気になるポイントをまとめました。
旅行地理検定とは
ホテルや旅館で働く人にもおすすめの旅行地理検定。概要や実施のタイミング、受験料などをまとめています。
概要
旅行地理検定とは、地理や観光情報の知識を評価する全国統一試験で、1995年にスタートしました。主催は旅行地理検定協会で、運営元は観光に関するさまざまな事業を展開するJTB総合研究所です。
試験内容は国内地理と海外地理の2種類。それぞれ難易度別に4級から1級まで分かれているので、自身の知識量や目標に応じて受験する級を選べます。
試験会場
直近日程での試験会場は、札幌から福岡までの全国6カ所。大学や専門学校などで実施されることが多いようです。
また、旅行地理検定ではオンライン受験が可能です(1級を除く)。受験会場は東京や大阪などの都市部に集中しているため、インターネット環境さえあれば自宅でも受験ができるのは嬉しいポイントですね。
スマートフォン非対応、パソコンはWindowsのみなどいくつか細かい決まりがあるので、オンライン受験を検討する事前にチェックしておきましょう。
合格ラインと問題数
合格目安正解率は、会場試験かオンライン試験かで異なります。
公式サイトによると、会場が70%、オンラインが75%で、オンライン受験の方がやや高めに設定されています。
また、問題数と試験時間は以下の通りです。
- 4級……70問/35分
- 3級……90問/45分
- 2級……120問/60分
- 1級……180問/80分

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旅行地理検定ではどんな問題が出題される?

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国内・海外いずれの試験でも、以下の内容が出題されます。
- 自然景観
- 都市
- 温泉
- 観光地、施設
- 写真
級が上がるごとに出題範囲が広くなり、4級の出題範囲が「主な観光ポイント300カ所」なのに対し、1級では「2,000カ所」にまで増えます。
級ごとに認定基準が設定されているため、自分の目標に応じた級を受験しましょう。
ホテルマンであれば、3級(主要な観光地の旅行案内業務ができる)もしくは2級(観光地全般にわたり旅行案内業務ができる)までは取得しておきたいところですね。
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旅行地理検定の傾向と対策
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旅行地理検定に合格するための傾向と対策を紹介します。
公式の参考図書、過去問題集で勉強する
旅行地理検定委員会の事務局であるJTB総合研究所が発行・販売している参考テキストおよび過去問題集を使った、オーソドックスな勉強方法です。
受験する級によって参考テキストが違うので、自分が受験する級に合った資料で勉強するようにしましょう。
通信教育
地理検定の試験対策に役立つ通信講座が用意されています。参考テキストや地図帳などを用いながら、旅行業のベテラン講師陣による実践に即した添削指導が受けられます。
独学での受験に不安がある……という方におすすめです。
アプリの活用
旅行地理検定の過去問を集めたスマートフォン向けアプリ。
Apple、Google各ストアにてダウンロード可能です。スキマ時間の勉強に活用しましょう。
宿泊業界で旅行地理検定を活かせる職種
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旅行地理検定は、ホテルではフロントスタッフ、旅館では仲居など、お客様と接する機会の多い職種で特に役立つ資格です。
宿泊されるお客様の中には、旅慣れた方も少なくありません。そのようなお客様に対して、誰もが知っている有名観光地を紹介するだけでは、満足度を高めるのは難しいでしょう。
旅行地理検定で学んだ知識を活かすことで、穴場スポットや地域ならではの情報を提供できるようになります。
出典:旅行地理検定観光の知識を増やして、お客様のニーズに応えよう
宿泊業と観光業は、切っても切れない関係にあります。ホテルで働いている人間ならば、お客様から「近くに観光スポットを教えて」「穴場的な温泉はないかしら」そんな質問を受けることがあるでしょう。
お客様からのさまざまなニーズにお応えするためにも、ホテルマンとして観光地の知識はしっかりと身につけておきたいもの。旅行地理検定に合格するための勉強は、単に資格を取得する以上に得るものがあるはずです。
せっかく受験するなら合格を目指したいところですが、観光についての知識が増える過程やお客様の役に立てることを楽しみながら、マイペースに学んでいけたらよいですね。
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