インバウンド実務主任者認定試験とは
ホテルや旅館など、外国人観光客と多く接する機会を持つ人の間で注目が集まっている「インバウンド実務主任者認定試験」。いったいどのような試験なのでしょうか。
概要
インバウンド実務主任者認定試験は、一般財団法人全日本情報学習振興協会が主催する検定試験です。認定を受けることで、インバウンドに関しての基本的な知識や消費動向、各国の特徴などの他、外国人観光客に対する対応などを熟知していることを証明できます。
今後ますます盛り上がると予想されるインバウンド。ビジネスを有利に展開するに当たって不可欠な「インバウンドディレクター」の必須スキルと言えるでしょう。
実施タイミング
執筆時点での直近の試験日は、2020年2月16日。申し込み期間は、試験日の4ヶ月前(10月17日)から1ヶ月前(1月17日)までとなっています。
過去には2019年11月、8月、5月……と3ヶ月ごとに実施されており、次回の試験が第11回目となります。インバウンドという言葉自体がまだ新しいものですので、試験自体の歴史もそこまで深くありません。
試験会場
第11回試験は、北は北海道、南は九州までの13会場で実施されます。大学や専門学校などが会場となるケースが多いようです。
検定料
受験料は10,000円(税抜)です。10名以上の同時申し込みで、団体割引が適用されます。
試験方式
全問マークシート方式で、試験時間は120分間です。
合格ライン
問題数は87問で、90点満点。80%以上で合格となるため、合格ラインは72点です。後述しますが、加点制度の対象となる場合は6点が自動的に加点されるため、66点が合格ラインとなります。
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インバウンド実務主任者認定試験ではどんな問題が出題される?
次に、出題される問題について解説します。公式サイトではサンプル問題を見ることができるので、そちらも合わせてチェックしてみてください。
第1課題~第10課題
第1~10課題までで84問あり、各1点で計算されます。大まかな内容は以下の通りです。
- 第1課題 観光総論
- 第2課題 インバウンド総論
- 第3課題 インバウンドの現状と動向
- 第4課題 インバウンドと消費
- 第5課題 インバウンドとビジネス
- 第6課題 インバウンドとニューツーリズム
- 第7課題 訪日外国人の理解
- 第8課題 訪日外国人への対応
- 第9課題 インバウンドの集客
- 第10課題 インバウンドとテーマ別観光まちづくり
インバウンドに関する基礎的な内容から、より現場に即した実践的な内容まで網羅的に出題されます。中でも第9課題「インバウンドの集客」は当検定において特に重要な課題として位置づけられており、もっとも多く出題される部分です。
第11課題
第11課題は、テーマ別選択問題。法律やウェブプロモーションなど複数のテーマの中から1つを選んで回答します。問題数は各3問で、点数は2点ずつ割り当てられています。
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インバウンド実務主任者認定試験の傾向と対策
続いて、試験に合格するために知っておきたい傾向と対策について紹介します。
公式テキスト、過去問題集を読み込む
全日本情報学習振興協会が発行する公式テキスト、過去問題集がありますので、まずはこちらを読み込んでおくことをおすすめします。過去問でわからなかったところ、つまずいたところをチェックしておき、繰り返し解くことで理解が深まるでしょう。
インバウンドの最新情報に目を通す
最新のインバウンド傾向や時事問題については、インターネットなどを駆使してしっかりと頭に入れておく必要があります。テキストや過去問の情報はどうしても古くなるため、丸暗記しても意味がありませんよね。
観光庁では定期的に訪日外国人消費動向調査を行っているため、必ず最新情報をチェックしましょう。
対策セミナーの受講
独学では不安……という人向けに、全日本情報学習振興協会が対策セミナーを実施しています。こちらでは公式テキストを用いながら、何をどう学習すれば合格に近づけるかといったポイントを教えてもらえるようです。
加点制度を活用すべし
インバウンド実務主任者認定試験は加点制度を設けています。これは、「所定の資格保持者に関しては総合点に6点を加算する」というもの。合格ラインの項目でも触れたように、通常の合格点が72点のところ、加点制度対象者は66点でOKということですね。
所定の資格の例を挙げると、TOEIC® L&R TESTスコア600点以上、英検2級以上、中国語検定3級以上など。加点制度を利用するには事前の申請が必要になるため、語学に関する資格を持っている人は必ずチェックしてみてくださいね。
※TOEIC is a registered trademark of ETS. This web page is not endorsed or approved by ETS.
参考:インバウンド実務主任者認定試験「外国語検定取得者加点制度」
インバウンド市場で重宝される人材になれる
今後も増加傾向が続くと見込まれる外国人観光客。インバウンド需要がますます高まっている今、インバウンドの正しい知識を持つ人材は非常に重宝されます。
インバウンド実務主任者認定試験向けに勉強することで知識を得ることができ、また資格を持っていることでスキルの証明になります。今のホテルで働き続けるにしろ、新たなフィールドを目指して転職を志すにしろ、役に立ってくれることは間違いないでしょう。
実際に受検した人の声を聞いてみると、そこまで難易度の高い試験ではないようです。しっかりと勉強して臨めば、合格も夢ではありませんよ。
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