日本最古の温泉の一つである道後温泉とは
愛媛県松山市に位置する道後温泉。日本三古湯の一つとされ、古くから多くの人に親しまれている温泉地です。道後温泉の概要や歴史、現状についてご紹介します。
松山市にある道後温泉は、愛媛県のほぼ中心部にある松山平野に位置する日本最古の温泉の一つです。東は西日本最高峰とされる標高1982mの石鎚山をはじめとした四国山地を背景とし、西は美しい瀬戸内海に面した自然豊かな地域です。年平均気温16.5度と、温暖で過ごしやすい瀬戸内海式気候となっています。年間降水量は約1300mmと全体に降水量は少なめで、積雪もごく少量と穏やかな気候条件です。特徴ある地層に伴い、断層線の割れ目の花崗岩から良質の温泉が湧き出ています。交通アクセスは、飛行機を利用する場合、羽田空港から松山空港まで行き、バスで約40分の距離にあります。
3000年もの歴史をもつ道後温泉
道後温泉は、3000年を超える歴史をもち、最古の温泉といわれています。開湯伝説には、約3000年前、傷ついた一羽の白鷺が傷を癒していたことから発見されたことから始まります。また、歴史上の人物として知られている飛鳥時代の皇族をはじめ、多くの文人墨客が訪れ、道後温泉を親しんできました。1894年に近代和風建築様式の道後温泉本館が完成され、日本を代表する小説家が作品の中で絶賛されたことでも知られています。公衆浴場として初の国の重要文化財に指定され、経済産業省の「近代化産業遺産」にも認定されたことにより、さらに知名度が上がりました。
道後温泉のシンボル的存在とされる道後温泉本館の近くには、飲食店や雑貨店、土産物店など約60軒ほどの店が連なる商店街があり、レトロな雰囲気が漂います。道後温泉街には数多くの旅館やホテルが立地しています。
2017年度の松山市内全体の宿泊者数は、約264万6200人と2000年以降で過去最高となりましたが、道後温泉地区の宿泊者数は、旅館やホテルの建替え、耐震改修工事の影響などに伴い前年を下回っています。しかし、他の市内のホテルや旅館の宿泊者数全体は増加しており、改修工事後の道後温泉には期待が持てます。
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道後温泉の泉質と温泉街や観光資源について
美人の湯としても知られる道後温泉。道後温泉の泉質や商店街の楽しみ方などをご紹介します。
道後温泉の湯量と泉質について
道後温泉は全国でもまれな無加温・無加水の源泉かけ流しを実施しています。18本の源泉があり、温度は20度~55度とさまざま。そのままでは入れないので、源泉同士を合わせることにより約42度の適温になるよう調整されています。
湯質はアルカリ性単純泉で、きめが細かい日本人の肌に合うとされています。なめらかなお湯は刺激が少なく、湯治や美容によいと人々から親しまれています。
風情あふれる街並みが散策できる温泉街
道後温泉街には、数多くの趣ある旅館やホテルがあります。どの宿でも、宿泊客に浴衣の貸し出しを行っており、湯浴み道具を入れる湯カゴを持ちながら、散策が楽しめます。日帰り入浴ができる2つの外湯や無料で利用できる足湯や手湯めぐりをすることもできます。商店街では愛媛県特産の柑橘を使用したスイーツ専門店やタオルの専門店などがあり、さまざまな楽しみ方ができるのも魅力です。
周辺の観光地として、日本100名城にも選ばれた松山市に位置する城では、最上階から松山平野や瀬戸内海が見渡せ、美しい景観が見られます。また、城山の東側からロープウェイとリフトが出ており、その近くには飲食店や土産物店が軒を連ね、多くの観光客で賑わっています。
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道後温泉に立地するホテルや旅館での働き方と暮らし方
歴史と文化が融合する道後温泉にあるホテルや旅館での働き方や、松山市での暮らし方についてご紹介します。
道後温泉の旅館やホテルで働く
松山市の観光客推定数(2017年度)は約600万5100人と5年連続増加し、国内外から多くの観光客が訪れる温泉地です。外国人観光客においては、台北市と交流事業を開始したことをきっかけに、特に台湾から多くの観光客が訪れています。
松山市では、道後温泉活性化の取り組みとして、外湯文化を受け継いだ景観づくりや駐車場整備などを実施し、百年先も輝き続けるまちづくりを目指しています。
道後温泉には、老舗旅館からリーズナブルなホテルまで数多くのホテルや旅館などの宿泊施設が立地しています。職種は接客から裏方まで宿泊業務全般での募集をしているところも多く、旅館やホテル勤務の経験がない人にも、研修を導入しているところもあり、働きながら学び、ステップアップしていくことも可能です。社員寮を完備している宿もあり、住み込みで働くことができるのも、遠方の人にとっては嬉しいですね。
松山市ならではの暮らし
四国最大の都市とされる松山市。街と自然がコンパクトに集まり、バランスの良いまちとして、市民の9割が住み続けたいと答え、住みやすさを実感しています。市内中心部から松山空港まで車で約15分と近く、首都圏や関西圏へもアクセスでき利便性の高い地域です。市内には、百貨店や商業施設が充実し、買い物もしやすい環境にあることも暮らしやすさにつながっているのでしょう。
松山市は子育て支援制度が充実しており、安心して子育てができる環境にあります。小児急患医療体制を整備し、子どもが急に病気になったときも24時間いつでも対応してくれます。
また、医療費のサポートとして、就学前までの入院や通院医療費、中学3年生までの入院医療費の自己負担を助成しています。他にも、市立の保育所と幼稚園で園庭を芝生化しているところもあり、のびのびと子育てができるのも魅力ですね。
歴史と文化が融合した道後温泉
日本最古の温泉として、歴史情緒あふれる道後温泉。県庁所在地である松山市に位置し、利便性の高い住みやすい街です。年間を通して多くの外国人観光客が訪れることもあり、語学力を活かして働くことも可能です。
道後温泉活性化を目指し、さらに魅力ある温泉地として今後も注目を集めそうです。道後温泉で働くことに興味のある人は、一度松山市に訪れ雰囲気を肌で感じてみるのもよいですね。