八丈島への移住・生活や支援制度は?
離島での暮らしに憧れを抱く人は多いのではないでしょうか。しかし、実際に離島で生活を営むことを考えると、ハードルが高いと感じますよね。
豊かな自然や美しい海がある代わりに、本州へのアクセスが不便だったり、学校・病院などの施設が不十分だったりすることが考えられます。
しかし、東京の本土から287キロ南の海上に位置する八丈島は、比較的利便性の高い離島です。島の人口は2023年9月時点で、約7000人。観光地として有名な八丈島ですが、移住先としても注目が集まっています。
八丈島ではどのような暮らしが待っているのでしょうか。移住支援制度の内容と併せて見ていきましょう。
宿泊業界に詳しいアドバイザーが、あなたに合う職場をいっしょにお探しします。
宿泊業界での職務経験はありますか?
八丈島への移住・本州へのアクセスは?
八丈島は絶海の孤島でありながら、本州へのアクセスが良好です。それが移住先として注目される理由のひとつなのでしょう。八丈島と本州を行き来する手段は、空の便または海の便。それぞれの道のりを解説します。
空の便
空の便では、八丈島空港と羽田空港を結ぶ飛行機が出ています。飛行機に乗れば、わずか50分で羽田空港に到着。
飛行機の搭乗料金は「有人国境離島法」に基づいた割引制度があるため、比較的気軽に乗れるでしょう。実際、島で暮らす人々にとって、飛行機は日常的な乗り物なのだそうです。
2023年9月時点では、1日3往復の便があります。
海の便
海の便では、貨客船に乗って約10時間で、東京都港区の竹芝客船ターミナルに到着します。長時間の旅ですが、船内にはレストランやシャワールーム、横になって眠れるスペースがあるので快適に過ごせるでしょう。
特等室などはきちんとしたベッドが備え付けられています。また、ペット同伴での乗船も可能なので動物を連れての移住でも安心です。
2023年9月時点では毎日1往復の便が出ています。
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
八丈島への移住・行政サービスや病院は?
移住者を募集している地域と聞くと、限界集落で教育機関や病院などがそろっていない地域を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。
しかし、「子どもは島の宝物」という考えが根づいている八丈島には充実した子育て支援制度や、小学校・中学校・高等学校が存在します。就学前の子どもの一時預かりサービスや保育園もいくつかあるので、小さな子を連れての移住も可能でしょう。
病院については町立の総合病院があり、内科・外科・小児科・産婦人科・リハビリテーション科と人工透析は常設診療しています。
ただし皮膚科や眼科、消化器内科など、専門医の診察は日が限られているので、いざという時は本州の病院へ行くことも考えなければなりません。
八丈島で暮らす魅力
「島暮らし」に憧れを抱く人は多いものですが、八丈島での生活にはどのような魅力があるのでしょうか。暮らしの楽しみを紹介します。
穏やかな気候
気候が穏やかな八丈島は「常春の島」と呼ばれるほど暖かいことが特徴です。
その一方で、夏は極端に暑くはなりません。2022年の気象データを見てみると、1年を通しての最高気温は32.9度、最低気温は2.6度です。
真夏の気温は東京都心よりも低いくらいです。「温かい地域で暮らしたいけど、夏に暑すぎるのは嫌!」という人に適した気候ではないでしょうか。
アウトドアが豊富
ダイナミックな自然は、八丈島が持つ大きな魅力のひとつです。海水浴やダイビング、フィッシングなどを日常生活の一部にできるのは、美しい海に囲まれた八丈島ならではの魅力でしょう。
また、島のシンボルである西山は「八丈富士」とも呼ばれる左右対称の美しい火山です。火口の周りを一周する「お鉢巡りコース」が整備されており、ハイキングやトレッキングが楽しめます。
温泉が多い
八丈島には7つの温泉施設があります。運が良ければクジラのジャンプが見られる海に面した露天風呂、水着を着て入浴できる無料の秘湯など、バラエティ豊かで飽きることがないでしょう。
ただし2023年9月時点では、休業中の施設もあります。移住の下見などで訪れる際には、営業状況をしっかり確認してくださいね。
名物料理がおいしい
観光地や離島には名物料理があるものですが、八丈島では独特の料理を堪能できます。
甘辛い醤油だれに漬けこんだ寿司だねを用いカラシをつけて食べる島寿司や、島に自生する明日葉を使った料理、ウミガメの煮物など、本州ではなかなか食べられない料理が多く見受けられます。
また、伊豆諸島といえばクサヤですが、八丈島のクサヤは製造方法によって、においがマイルドに仕上がっています。初めてクサヤを食べる人も、抵抗を感じにくいのではないでしょうか。
八丈島への移住・覚悟すべきことは?
さまざまな魅力を持つ八丈島での生活ですが、本州とはさまざまな面に違いがあります。移住するのであれば、覚悟しなければならないことを見ていきましょう。
害虫の被害に注意が必要
八丈島で暮らす上でまず覚悟が必要なのは「虫」に関することです。シロアリ、ヤモリ、ヤスデといった小さな生き物が、わずかな隙間から家に入ってくるので、虫などが苦手な人はつらい思いをするかもしれません。
特に、シロアリは6月初旬に大発生し、島内を大群で飛び回ります。その時期、島の人は窓を締め切り、夜は電気を消してシロアリが自宅に入ってくるのを防ぐそうです。木造住宅は食い荒らされるなどの被害に遭うことも珍しくないでしょう。見た目に不快感があるだけでなく、実害を被るおそれもあるのですね。
移動手段が少ない
本州へのアクセスが便利な八丈島ですが、空の便も海の便も天候に左右される交通手段です。思い通りに移動できない場合があることを、念頭に置きましょう。
また、島内での移動については、車かバイクが必須です。火山活動によってできた八丈島は起伏が多く、自転車や徒歩での移動は非常にハード。公共交通機関としてはバスがありますが、本数が少なく、乗りたいときにすぐ乗れるとは限りません。
そして、本州と島の間で車を運ぶ際にも、手間とお金がかかります。1日1往復出ている貨客船はカーフェリーではないため、車を積むことができません。車両回送サービスの利用が必要になることを覚えておきましょう。
チェーン店はごくわずか
八丈町には、スーパーマーケットや個人商店がありますが、チェーン店はごくわずかです。2023年9月時点では飲食チェーン店は1軒もなく、食べなれたファーストフードが恋しくなったら本州に行かなければなりません。
ただし、まれにピザチェーン店のキッチンカーがやってくることがあるようです。たまの楽しみにできる人なら、苦痛を感じることは少ないでしょう。
▼その他、地方での住みやすさについてはこちら
八丈島への移住・支援制度は?
八丈島の自治体は「東京都八丈町」です。八丈島に隣接する八丈小島も町に含まれますが現在は無人島で、人々の生活は八丈島の平地を中心に営まれています。八丈町にはどのような移住支援があるのか、2023年9月時点の情報を見ていきましょう。
また、ここで紹介する内容の他にも、八丈町には移住や生活に役立つ支援制度があります。詳しくは八丈町のホームページをご確認ください。
八丈町のホームページはこちら
移住支援金
八丈町では、条件を満たす移住者を対象に、単身移住で60万円、世帯移住で100万円の移住支援金を給付しています。
対象となるのは都内条件不利地域(桧原村・奥多摩町・大島町・利島村・新島村・神津島村・三宅村・御蔵島村・八丈町・青ヶ島村・小笠原村)以外からの移住者です。
また、八丈島へ移住してくる直前の10年間のうち5年以上、都内条件不利地域に住んでいたことや、申請日から5年以上八丈島に居住し、就業する意思があるといった条件も定められています。
また、テレワーク移住の場合は給付金額や条件が異なるので、詳細は八丈町のホームページをご確認ください。
移住・定住ガイドブック
八丈島の特徴や、島での暮らしについて「まずは知りたい!」という人は、八丈町のホームページで公開されている「移住・定住ガイドブック」を読むと良いでしょう。
ガイドブックには島全体の見取り図や、公共施設の情報、先輩移住者へのインタビューなどが掲載されています。真剣に移住を考えるのであれば、ぜひ読むことをおすすめします。
参考:移住・定住ガイドブックについて/東京都八丈島 移住・定住ガイドブック
八丈島への移住・仕事探しはおもてなしHRで!
八丈島への移住を考えるなら、ホテル・旅館の仕事に就くことを検討してみてはいかがでしょうか。八丈島は観光で栄えている島。宿泊施設の求人が出やすい傾向にあります。
当社サービス「おもてなしHR」のアドバイザーが、移住先での仕事探しを【無料】でしっかりとサポートいたします。