旅館の売り物件を探す4つの方法!不動産用語と旅館開業までの流れも紹介

ホテルの建設が相次ぐ一方、旅館施設は歯止めがかからないほど減少を続けています。新型コロナウイルスの影響もあり、今後ますます減少が予想される中、旅館の売却に踏み切る経営者も増えてきました。これを機に、旅館経営の検討を始めた方もいるかもしれません。旅館の売り物件の探し方をはじめ、売買に役立つ不動産用語、旅館開業までの流れをご紹介します。

旅館の売り物件は増えることが予想される

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厚生労働省の調べによれば、旅館軒数は2008年から2018年の10年間で、1万2,114軒も減少しているということが明らかになっています。

新型コロナウイルスの影響も相まって、今後ますます倒産・廃業を余儀なくされる旅館が増えるだろうと囁かれる中、注目を集めているのは営業が行われなくなった旅館の売買です。

旅館の売買は、新たに建設をするよりも遥かに低いコストで営業が開始できるため、買主にとって非常に大きなメリットがあると言えます。また、やむなく旅館経営を諦めることになった経営者も、後継者に再建をしてもらえるのであれば少しは心が晴れるというものです。

では、旅館の売り物件の情報収集は、どのように行えばよいのでしょうか。売り出されている旅館の探し方をはじめ、物件売買にまつわる業界用語、旅館開業の流れをご紹介します。

参照:観光や宿泊業を取り巻く現状及び課題等について / 観光庁

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旅館の売り物件は探す4つの方法

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まずは、売り物件の探し方を把握しておきましょう。4つの方法をご紹介します。

ポータルサイトでの情報収集

最もポピュラーなのは、ポータルサイトで情報を集めることです。会員登録が不要なもの、反対に会員登録が必須なものなど、提供する企業によりサイトカラーは大きく異なります。

物件は、賃貸アパート・マンションをはじめとした収益物件の掲載が圧倒的で、旅館などの事業者用の物件情報はそう多くありません。しかし、事業者用の物件が売り出されること自体が少ないため、致し方ないと割り切る方が賢明です。

会員制のポータルサイトで提案を待つ

前項でご紹介したのは、買主自身で情報収集を行うWEBサイトですが、希望条件を登録しておけば、新着情報として物件情報の提案が受けられるというスタンスのWEBサイトもあります。

すぐに旅館経営を始めたいという方より、長いスパンで開業を検討しているという方におすすめの情報収集方法です。

マッチングサイトで売主に直接交渉

昨今、市場を拡大しているマッチングサービスですが、サービスは恋愛・結婚のみに留まりません。物件の売買ができるマッチングサービスも登場しているのです。

従来の物件売買の大半は、不動産会社の仲介が必要でした。しかしマッチングサイトでは、買主・売主間で直接質問をしあったり、交渉を行うことができます。

最終的には、宅建業を持つサイト運営会社のスタッフが仲介に入るようですので、取引の際も安心ですよね。まだ知名度がないものの、旅館の掲載は徐々に増えているようです。不動産売買に新しい風が吹くと、多くの期待が寄せられています。

不動産会社に相談

これまで同様、不動産会社に旅館の売り物件を探してもらうことももちろん可能です。

事業者用の建築物・不動産投資まわりの知識が少ない方や、対面で相談をしたいという方におすすめの情報収集と言えるでしょう。

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旅館の売り物件に関する用語

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築年月・物件価格・客室数は文字通りに捉えればよいものですが、専門用語を知らなければ情報収集の足止めとなってしまいます。旅館の売り物件を探す際、覚えておけば役に立つであろう用語をご紹介します。

利回り(年利周り)

「投資金額に対する年単位の収益の割合」は、利回りと呼ばれます。わかりやすく表現するのであれば、投資額に対し、1年でどれほどのリターンが得られるかを見極める指標のことです。

利回りには、想定利回り・表面利回り(グロス)・実質利回り(ネット)の3種類があり、最も現実に近いのは諸経費を考慮して計算された「実質利回り(ネット)」となります。

ただし、WEBサイトや不動産会社が打ち出す広告の利回りは、想定利回りや表面利回りが採用されていることも多いため、混同しないように注意してくださいね。

建ぺい率・容積率

建ぺい率は「敷地面積に対する建築面積の割合」を指す言葉で、容積率は「敷地面積に対する延べ床面積の割合」を指す言葉です。建ぺい率・容積率ともに、建築基準法によって用途地域ごとに上限の割合が指定されています。

旅館を購入する際に主に気にする必要があるのは、お客様の収容人数の指標となる容積率です。

また、既に建設された旅館は建築基準法に沿って建てられているので気にすることはありませんが、大規模改修や増改築をする場合には、建ぺい率・容積率ともに注意して見るようにしましょう。

媒介契約(一般・専任・専属専任)

不動産を売却する際、多くの売主が不動産会社と媒介契約を結びます。売却の仲介を、不動産会社に行ってもらうためです。

一般媒介は、不特定多数の不動産会社に買い手を見つけてもらう契約になっている一方、専任媒介や専属専任媒介は、特定の1社のみに販売を依頼する契約となっています。また専属専任媒介は、売主が自ら見つけた買主と売買契約を結ぶことができないという特徴もあります。

一般的には、仲介手数料の支払いが確定している専任媒介・専属専任媒介の方が不動産会社が売却に力を入れると考えられていますが、媒介契約の種類までを買主が気にする必要はありません。売主の性格や思惑を図る、ひとつの指標としてみてください。

旅館業法の営業許可

旅館経営を始めるためには、旅館業法の営業許可の取得が必須ですが、売却されている旅館によっては、旅館業許可取得済かつ引き継ぎが可能という物件もあります。

一方で、大型のリノベーション工事が必要という物件もありますので、営業許可の再取得の手間を省きたいと考えている方や、すぐの営業を行いたいと考えている方は、営業許可までをしっかりとチェックするようにしましょう。

旅館用・民泊用の売り物件は何が違う?

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調べを進めれば、同じカテゴリーの民宿・民泊向けの物件情報に辿り着く方も多いはず。

およそ民宿・民泊用物件の方が旅館よりも安い価格設定がなされていることから、物件を選んでしまいたくなるものですが、旅館と民宿・民泊の違いを正しく把握していなければ、後から痛い目を見ることになってしまうかもしれません。

旅館・民宿・民泊。これら宿泊施設の最大の違いは、必要な営業許可の種類が異なることです。

旅館営業を行う場合は、「旅館・ホテル営業」の許可を取得する必要があります。一方、民宿・民泊は「旅館・ホテル営業」「簡易宿所営業」のいずれかの許可の取得、民泊であれば「民泊営業の届出」のみで営業が可能となる場合もあります。

営業開始のハードルの低さは上から順に、届出制の民泊営業、許可制の簡易宿所営業、許可制の旅館・ホテル営業の順となるため、民宿・民泊の方がスタートしやすいのは事実です。しかし、裏を返せば開業しやすい分、ある程度の制限を覚悟しなければなりません。

特に民泊用の売り物件は、フロントが設置されていない、充分な広さの客室ではない、営業日数に制限があるなどの恐れがあります。安物買いの銭失いにならないよう、物件購入前の確認は怠らないよう注意してくださいね。下記もぜひ参考にしてみてください。

宿泊施設の種類や違いは?それぞれの宿泊施設の特徴を解説

民泊とは?関わりの深い法律や、なぜ今注目されているかを解説

売り物件の旅館を開業する流れ

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旅館購入後の、開業の流れを簡単にご紹介します。

  • 1.各都道府県の旅館業法窓口・保健所に事前相談
  • 2.営業許可申請書の提出
  • 3.建物のリフォーム・リノベーション工事
  • 4.保健所による施設調査
  • 5.営業許可証の公布
  • 6.営業開始

前述のように、現状でも営業ができるような旅館であれば、営業許可証の引き継ぎのみで営業が可能となります。

営業開始は少し遠い未来ではありますが、備えあれば患いなしです。下記記事も参考にしながら、イメージを固めてみてくださいね。

ホテル・旅館業の運営には許認可の申請を!許認可が必要な条件や申請の流れを解説!

売り物件の旅館を購入して経営を始めよう!

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旅館の売却は、今後ますます増えることが予想されています。ニーズの高まりはホテルに軍配が上がりますが、後世へ日本ならではの旅館を残していきたいと考える方も少なくありません。これまでの経営者の思いを受け取り、ぜひ旅館再建を目指してください。

旅館の売り物件情報は、ポータルサイトをはじめ、マッチングサイトや不動産会社で得ることができます。気になる方は最低限の専門用語を頭に入れたうえで、ぜひチェックしてみてくださいね。

旅館購入後は、経営・営業に関して思いを巡らせることになりますが、従業員は必ず必要になります。良い旅館づくりには、良い人材が欠かせません。

当サイト「おもてなしHR」には、全国各地の求職者の登録があります。専属アドバイザーが、貴旅館にぴったりの人材をご紹介することも可能ですので、ご用命の際は気軽にお問い合わせください。

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