移住で家がもらえるの?お得な制度と注意事項
テレワークの普及で場所を選ばず仕事ができるようになり、都会の騒がしさを離れた田舎暮らしを検討する人が増えているようです。
また、2020年から新型コロナウイルスの世界的な流行が続いています。これまで移住に興味のなかった人の中にも、満員電車や人混みとは無縁の土地で暮らしたいと思っている人がいるのではないでしょうか。
本格的に移住を考えるとなると、まずは住む家が必要です。時おり「移住で家がもらえる」といった話題が上りますが、本当に家を無料でもらえるのでしょうか。
この記事では、さまざまな自治体で設けられている移住者の住宅支援などについて解説します。家をもらう際の注意事項も併せて見ていきましょう。
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移住で家がもらえるパターン
移住で家をもらう方法には、いくつかのパターンがあります。多くの自治体で行われている取り組みや、個人でもらえる家を探す方法を紹介します。
空き家バンクの利用
空き家バンクとは、地方公共団体のホームページなどで空き家情報を公開し、買い手・借り手を募るサービスのことです。有料の物件も掲載されていますが、中にはゼロ円の物件もあります。
なぜ無料で家を手放したいのか。それには税制税の都合が関係しています。建物を壊してしまえば、税の軽減措置が受けられなくなり土地の固定資産税が数倍高くなるためです。また、都市計画税がかかる土地では、さらに多くの税が課せられることも。
そして、空き家をいつまでも放置していれば、今度は2014年に可決された「空き家対策特別措置法」によって、建物が残っていても固定資産税が跳ね上がる恐れがあります。
そのため、持ち主は無料でも手放したいと考えるのですね。空き家バンクに登録した家は、各自治体の移住支援制度によって、移住希望者に紹介されます。
ゼロ円物件があるならぜひ移住したい!と思う人は多いでしょう。しかし、気を付けたいのは家・土地の売値がゼロ円であっても、まったくお金を払わずにもらうことはできないという点です。
家や土地を譲り受ける際には、贈与税や不動産取得税などの税金がかかり、その評価の基準となるのは固定資産税台帳に記載された金額なのです。ある程度まとまった額を税金として収めなければならないので注意しましょう。
また、ゼロ円で出ている物件は多くの場合、そのままではとても住めない状態です。いたみが激しかったり、ライフラインが整備されていなかったりということがほとんどでしょう。そのため、家を手に入れた後に工事や修繕の必要があり、さらにお金が掛かります。
ただし、移住者が住宅を修繕するための補助金を出している自治体もあるので、うまく活用すればかなりお得になる可能性はあるでしょう。
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一定期間住み続けるともらえる
移住してから一定期間、家賃を払って住み続けると最終的には家がもらえるという制度もあります。
宮城県の七ヶ宿町では、なんと20年間住み続ければ新築一戸建ての家がもらえます。20年間の家賃は月35000円。一般的な賃貸よりも安い家賃で20年後にマイホームになるという、とても太っ腹な制度です。
ただし、この制度の対象は40歳までの夫婦で中学生以下の子どもがいる家族です。また、応募後には書類選考と面接があります。
恐らく、地域の定住者と子どもを増やすことを目的としているからでしょう。条件に当てはまる方は、応募を検討してみてはいかがでしょうか。
▼後悔しない移住先選びのポイント・準備期間の目安はこちら
空き家の持ち主や知人に頼む
空き家バンクや自治体を通さず、直接交渉でもらえる家を探すことも可能です。空き家バンクのゼロ円物件と同様に、住めない状態の家を持て余している人は結構いる模様。
知り合いに尋ねたり、不動産売買専用の電子掲示板をチェックしたりすると、家をもらってほしいという人が見つかるかもしれません。
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移住地として人気が高い!九州地方の取り組み
気候が温暖なことから、移住地として人気の高い九州地方。その中でも特に多くの人が移住しているのは、鹿児島県霧島市です。霧島市は自然の豊かさと利便性のバランスが良く、鹿児島空港を利用して無理なく大阪と行き来する日々を送っている移住者もいます。
そして、移住者の住居についての支援が手厚いところもポイント。霧島市では移住者が山あいの土地に新築で家を建てた場合は100万円、中古住宅を購入した場合や、増改築した場合は最大で50万円の補助金が支給されます。
支援制度を活用すれば、ゼロ円物件をお得にリフォームして生活できるのではないでしょうか。
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移住で家をもらう際の注意事項は?
家をもらうとを決める前に、必ず掛かる税金や移住先の補助制度を調べ、自己負担がどの程度になるのかを確認しましょう。予想外にお金が掛かって結局住めない!といったことにならないよう、注意してくださいね。
また、空き家バンクは基本的に持ち主と直接交渉で、トラブルが起こりがちです。手数料を払って不動産業者に仲介してもらうこともできるので、不動産の知識がない人はそうした方が良いかもしれません。
空き家の持ち主や知人に直接頼む場合も、家の状態などを詳しく鑑定する専門家の意見を聞くことをおすすめします。多少のお金は掛かりますが、後々のトラブルを防ぐことを考えれば得と言えるのではないでしょうか。
そして、実際の生活に掛かるお金のこともよく考える必要があります。たとえば、都市ガスが遠いっていない地域ではプロパンガスを使いますが、プロパンガスは事業者が自由に価格を設定できるため、都市ガスに比べて高額です。
また、下水道が通っていない場合は浄化槽のメンテナンスにお金がかかり、大自然に囲まれた家では害獣・害虫の対策が必要かもしれません。
長い生活で掛かるお金と、無料・格安で家をもらうことを比較して、無理なく住み続けられるかどうかをよく考えてくださいね。
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