職種や業種によって転職・就職に有利な資格は異なる
転職や就職に有利な資格をご紹介する前に知っておいていただきたいのが、「資格を持っている=転職・就職に有利」とは限らない、ということ。
その仕事に役立つ資格であること、そして業務に生かせるというアピールをすることで初めて、ご自身が持っている資格が効力を発揮するケースが非常に多いのです。
もし転職や就職のために資格を取ろうとお考えならば、まずはやりたい仕事や行きたい業界を定めてから、業務に生かすことのできる資格を調べましょう。
次の項目からは、転職や就職に有利な資格について、職種別・業種別にご紹介していきます。資格取得をご検討中の方は、ぜひご参考にしてみてくださいね。
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転職・就職に有利な資格の例:職種別
転職や就職に有利な資格の例を、職種別にご紹介していきます。
営業
営業職の転職・就職に有利な資格 | |
営業士 | マーケティング・セールスのスペシャリスト。基本的な営業業務、営業管理業務、営業指導、マネジメント・マーケティングに関する高度な専門知識が求められる。 |
TOEIC | 世界160カ国で実施されている、英語の能力を示す国際資格。一般的な資格とは異なり、合否ではなくスコアで評価される。 |
MOS | マイクロソフトオフィススペシャリストの略。マイクロソフトやオフィス製品の利用スキルを証明することのできる国際資格。 |
※TOEIC is a registered trademark of ETS. This web page is not endorsed or approved by ETS.
事務・管理
事務・管理職の転職・就職に有利な資格 | |
日商簿記検定 | 企業の財政状況及びキャッシュフローの把握、決算書類の作成などの業務を行うため、企業におけるお金の流れをルールに従って帳簿に記録する能力があると証明できる資格。 |
ビジネス文書検定 | ビジネス文書特有の型や言い回し、社内・社外文書の作成や文書の取り扱いに関する知識を会得できる。 |
秘書技能検定 | 表情、態度、振る舞い、言葉遣い、話し方など、社会に出て働く上で求められる基本的な常識が身についていることを示す資格。3級、2級、準1級、1級がある。 |
専門職(コンサルタント・士業・金融)
専門職の転職・就職に有利な資格 | |
社会保険労務士 | 社会保険や労働関係の法律の知識を駆使し、人事や労務管理に携わる専門家。「社労士」とも呼ばれる。 |
ファイナンシャル・プランニング技能士 | 顧客のライフプラン上の目標を達成するため、顧客に関するデータを収集・現状の分析を行い、資産設計やその実行を援助するための能力が必要な業務に役立つ資格。 |
MBA | 日本語では経営学修士または経営管理修士と呼ばれている、大学院で経営学を修了した人に与えられる学位。事業戦略やマネジメントなど、ビジネスの実務能力が身につく。 |
建築・土木技術職
建築・土木技術職の転職・就職に有利な資格 | |
一級建築士 | 国土交通大臣からの認可を受ける国家資格。設計する建物に制限がないため、戸建住宅から大規模施設まで、建物の規模を問わず設計に携わることができる。 |
技術士 | 科学技術に関する高度な知識と、応用能力及び技術者倫理を備えている、豊富な実務経験を有した技術者に与えられる資格。 |
施工管理技士 | 施工全体の管理を行うことができる。「建設機械施工技師」「土木施工管理技士」「建築施工管理技士」「電気工事施工管理技士」「管工事施工管理技士」「造園施工管理技士」の6つに分かれている。 |
福祉・介護
福祉・介護職の転職・就職に有利な資格 | |
社会福祉士 | 専門的知識及び技術を駆使し、日常生活を営むのに支障がある人へ相談、助言、指導などの福祉サービスを提供する業務を行うための資格。 |
介護事務 | 介護サービスを提供する施設で事務を行うことができる。主な業務は介護報酬請求業務だが、来客や電話の対応や労務管理に携わる場合もある。 |
ケアマネージャー | 介護を必要とする人が適切な介護保険サービスを受けられるようケアマネジメントを行う、介護保険に関するスペシャリスト。 |
教育・保育
教育・保育職の転職・就職に有利な資格 | |
特別支援教育士 | LD(学習障害)、ADHD(注意欠陥・多動性障害)、ASD(自閉スペクトラム症)などの障害を持った子どもに対する指導を行うために必要な専門資格。 |
育児セラピスト | 子育ての悩みを解決する役割を担う育児の専門家。発達心理学に基づいた育児知識を親に対して適切に伝えると同時に、ストレスにさらされる親の心を癒す役割も果たしている。 |
チャイルドマインダー | 家庭的保育のスペシャリスト。忙しい両親に代わり、チャイルドマインダーの自宅や訪問先の家庭で子どもを預かり、保護者の価値観や意向に沿いながら保育をする。 |
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転職・就職に有利な資格の例:業種別
続いて、転職や就職に有利な資格の例を業種別にご紹介します。
IT・通信
IT・通信業の転職・就職に有利な資格 | |
基本情報技術者 | 情報処理技術者試験の一区分である国家試験。ネットワークコンピュータ、パソコン、情報セキュリティなどのIT分野における基本的な知識やスキルを持ち、実践力が身についていることを証明できる。 |
応用情報技術者 | 基本情報技術者よりワンランク上の資格。応用的知識や技能を持ち、プログラマーやシステムエンジニアなどITに関する経験を十分に積んだ高度な技術者が取得できる。 |
ITパスポート | IT社会で働く上で必要とされる、ITに関する基礎知識が身についていることを証明できる国家試験。 |
流通・小売
流通・小売業の転職・就職に有利な資格 | |
リテールマーケティング検定 | 販売員が小売店において継続的に商品を売るために必要な、販売技術、接客技術、在庫管理、マーケティングなどの幅広く実践的な専門知識が得られる。 |
色彩検定 | 色に関する幅広い知識や技能が問われる検定試験。色彩が人間や社会環境に与える効果や、配色理論が身につき、アパレル販売やファッションコーディネーターなどの仕事に生かせる。 |
通関士 | 税関を通るために、必要な業務を代行する仕事に従事できる国家資格。この資格を持っている者のみが通関士になれる。貿易業界への就職に有利。 |
専門コンサル系
専門コンサル系の転職・就職に有利な資格 | |
中小企業診断士 | 中小企業の経営課題についての診断やアドバイスを行う専門家。中小企業の現状を分析し、成長戦略の策定について助言をすることを主な業務とする。 |
公認会計士 | 企業の監査や会計を専門とし、国家資格が必須となる職種。監査業務や税務業務、コンサルティング業務を行っており、経営者から株主への経営状況報告に信頼性を確保する役割を果たしている。 |
社会保険労務士 | ※専門職(コンサルタント・士業・金融)参照。 |
金融・保険
金融・保険業の転職・就職に有利な資格 | |
アクチュアリー | 確率論や統計学など数学的な手法を駆使し、将来のリスクなどの不確定な事象を推測するプロフェッショナル。主に保険分野で統計データを収集し、保険料の算出や資産運用といった業務に携わる。 |
保険募集人 | 生命保険や損害保険を販売するために取得する資格。保険の基礎知識、コンプライアンス、税金、金融商品などの知識を持っていることを示すことができる。 |
ファイナンシャル・プランニング技能士 | ※専門職(コンサルタント・士業・金融)参照。 |
不動産
不動産業の転職・就職に有利な資格 | |
宅地建物取引士 | 不動産取引の専門家を示す資格。賃貸物件の斡旋や不動産売買を行う際、専門知識のない相手に対し詳しい説明をするのが主な役割。 |
管理業務主任者 | 管理組合に対し、管理委託契約に関する重要事項の説明や管理事務報告を行う場合に必要な国家資格。マンションの管理業に従事する際に必要となる。 |
土地家屋調査士 | 不動産の表示に関する登記の専門家。依頼人の求めに応じ、土地や建物の形状や所在、利用状況を調査及び測量し、図面の作成や不動産の表示に関する登記の申請手続きなどを行う。 |
建設
建設業の転職・就職に有利な資格 | |
構造設計一級建築士 | 構造設計のスペシャリスト。構造設計に関わる業務を行う上で必要不可欠となる資格で、災害によって建物が壊れないよう、安全性能の高い構造の建物を設計するのが主な業務。 |
建築設備士 | 建築設備全般に関する知識及び技能を有し、電気設備や空調設備などを担当するための国家資格。建築士に対し、建築設備の設計・工事監理に関する適切なアドバイスを行うことができる。 |
二級建築士 | 国土交通大臣からの認可を受ける国家資格。戸建て住宅程度の規模の建物の設計をすることができる。 |
ホテルに就職する際に有利な資格
さまざまな職種や業種への転職・就職に有利な資格をご紹介してきましたが、ホテル業界に就職する際に有利な資格も多数存在します。
その中でも代表的な資格について、いくつかご紹介していきましょう。
サービス接遇検定
サービス接遇検定は、公益財団法人実務技能検定協会が運営しているビジネス系の検定です。
- ・サービス業務に対する心構え
- ・対人心理の理解
- ・応対の技術
- ・言葉遣い
- ・立ち居振る舞い
などが審査され、3級、2級、準1級、1級に区分されています。
3級はサービス接遇についての初歩的な理解と基本的なサービスを行う上での知識や技能、2級は一般的なサービスを行う際に必要とされる知識や技能、準1級・1級は、高度な知識や技能と共に、専門的なサービスを発揮できるかなどが問われます。
全級とも理論と実技に領域区分されており、それぞれの得点が60%以上で合格です。
文部科学省が後援している資格で、企業や専門学校での受験者も増加しており、転職の際にもアピールポイントになるでしょう。
ホテル実務技能認定検定
ホテル実務技能認定検定とは、サーティファイホテル実務能力認定委員会が主催している、ホテル実務と業界動向をふまえた能力認定試験です。
・接遇
・ホテル業界の基礎知識
・宿泊部門
・料飲部門
などに関する専門知識が幅広く出題されます。
ホテル業界で必要とされる知識を学べるので、就職に有利になるだけでなく、即戦力として大いに役立てることができますよ。
ホテルビジネス実務検定
ホテルビジネス実務検定試験(Hotelier Proficiency Test)は、ホテルの実務知識の総合的な理解度を測定するための検定試験です。
宿泊や宴会といったサービスオペレーションから、マーケティングや人事、経理などのマネジメント業務に至るまで、ホテル業務に必要な実務知識を体系的に習得することを目的としています。
資格にはベーシックレベルとマネジメントレベルがあり、それぞれに1級、2級が設けられています。
試験を通して、業務への理解に長けている分野、弱い分野など自分の理解度を客観的に把握することができ、自分自身のビジョンの明確化にも役立ちますよ。
レストランサービス技能検定(HRS検定)
レストランサービス技能士は、レストランのウェイターなど食事や飲み物に関するサービスに関して、一定の技術や知識が身に付いていることを証明する国家資格です。
料理や飲み物を提供するサービスに関する資格としては、唯一の国家資格です。
接客に関する知識や技術が身についていることの証明として使えるため、ホテルやレストラン、病院、給食施設など料理に関するさまざまな分野で活かすことができます。
ワインエキスパート
ワインエキスパートとは、日本ソムリエ協会が実施するJ.S.A.ワインエキスパート呼称資格認定試験を受け、合格した者に与えられる資格です。
ワインエキスパート呼称資格認定試験は、J.S.A.(一般社団法人日本ソムリエ協会)が認定する民間資格で、20歳以上のワイン愛好家であれば誰でも受験が可能です。
毎年夏に一次試験、秋に二次試験が実施されています。J.S.A.では「ワインエキスパート」を、ワインを中心とする酒類、飲料、食全般の専門的知識、テイスティング能力を有する者と定義し、主に個人でワインを楽しむための認定資格として位置付けています。
以上のように、ワインエキスパートは、プロフェッショナルではなく、愛好家を主な対象とした資格です。
しかし、受験対策として勉強を進める過程で、ワインや料理、西洋の文化などを体系的に理解し、ソムリエに引けをとらない知識を身につけることができます。
宿泊業において専門的なワインの知識は必須ではありませんが、料理長や調理師、ウェイターなどとして働く際、知識を生かして業務に携わることも可能です。
希望する職種や業種に役立つ資格を取得しよう
転職や就職に資格を生かすためには、「希望する職種や業種に役立つ資格か否か」という視点が必要です。
転職や就職の武器として資格を利用したい方は、まずやりたい職種や業種、そして入社したい企業の特性を入念にチェックしておきましょう。
なお、ホテル業界への転職・就職に有利な資格をピックアップしてご紹介しました。資格をお持ちではなく、また業界未経験でも宿泊業に携わることは十分に可能です。
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