調理師(板前)は伝統料理を作るプロの料理人!
お客様が旅館に宿泊した際、楽しみの一つにしている料理を提供する調理師や板前。
調理師や板前は、料理を作るだけではなく、旬の食材を活かした献立を考えたり、接客もおこなったりすることもあります。
日本料理を作るうえで、料理の見た目や美しさなども意識できる調理師や板前は、まさにプロの料理人ですね。
次の項目では、旅館で働く調理師・板前の仕事内容を詳しく解説します。
さらに、後半では当社サービスおもてなしHRに掲載されている求人情報もご紹介するので、参考にしてくださいね。
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調理師(板前)の仕事内容
旅館で調理師として働く場合、主に日本料理の調理を担当することになります。その中でも「板前」という職業は日本料理の技術に長けたプロの料理人と言えるでしょう。調理師(板前)の仕事内容は旅館の規模により異なりますが、主に以下の3つが挙げられます。
調理、盛り付け
お客様に提供される料理を作ることは、旅館に勤める調理師の最も重要な業務です。旅館の規模にもよりますが、分業化して調理を行うため、それぞれの経験に応じたポジションを担当。
八寸場、盛り付け、焼き場、揚げ場、蒸し方、煮方、板場など、それぞれの持ち場で調理や盛り付けをおこないます。調理がスムーズに進むように持ち場で必要な仕込みをすることも大切な仕事です。
調理場の掃除と道具の手入れ、食材の管理
調理場の衛生管理のため、調理台やコンロ、冷蔵庫の中、床など、隅々まで清潔に掃除をすることも重要な仕事です。調理に使う道具の手入れや調理場の片づけも欠かせません。
下積みのうちは掃除や洗い物などから始め、先輩の動きを見て現場で学ぶことが多くなります。
メニューの考案
旅館で提供する料理の献立を考案することも、調理師や板前の大切な仕事です。メニューや献立の考案は調理師としての経験が重要となるため、ある程度修行を積んだ板前や現場責任者である板長が考えることが一般的のようですね。
加えて、献立を考える際は食材の知識、コストとのバランス、お客様のニーズを読む力などが求められます。旬の食材や地場食材を使って献立を考えることもあるので、情報収集のため市場や卸業者などとのコミュニケーションも必要です。
このように旅館での調理師や板前の仕事は分業化がされており、自分の担当するポジションや役割が決まっている場合が多いのですね。
与えられた役割を確実にこなし、ひとつひとつ新たな技術を身につけ、一流の料理人を目指していきます。チームの中で責任のある立場になれば、チームのマネジメントや若手の育成など、調理以外の部分での仕事も重要になるでしょう。
調理師(板前)になるために必要なこと
必要な資格
調理師や板前になるために必須の資格はありませんが、下積み時代などを利用して調理師免許を取得しておくと、自立したときに現場の即戦力となれるでしょう。
もちろん、調理師免許を持っていない場合でも調理の現場で働くことはできますし、中には勤務しながら経験を積み、資格を取得するケースもあります。
調理に関する資格は調理師免許のような公的資格以外にも、食育や栄養に関する民間資格もあるので、興味のある分野の勉強をして資格を取得するのもよいでしょう。
調理に関わる資格があれば、技術手当がついたり、出世ペースが早くなったりする旅館もあるので、取得しておいて損はありませんよ。
必要なスキル
資格以外にも、調理師や板前として仕事をするときは次のようなスキルも求められます。
・手先の器用さ
・探求心・色彩感覚
・コミュニケーション能力
調理場での業務は分業化がされており、スタッフ同士がコミュニケーションをとり、目指す味を作り上げていくということが大切になります。調理法や食材について知識を習得し、探求し続ける情熱も必要です。
調理師(板前)のやりがい・大変さとは?
調理師(板前)のやりがい
- お客様の反応を料理を通して感じられる
- 調理技術を向上させられる
自分の作った料理でお客様を笑顔にできることや、料理を気に入ってリピーターになってもらえることが調理師のやりがいと言えます。お客様と直接やりとりできない場合でも、調理場に下がってきたお皿に食べ残しがないかどうかで、お客様の満足度を知ることができることも。
お客様から「おいしかった」という声を直接聞くことができると、充実感や達成感をより強く味わえるでしょう。
さらに、大勢の調理師や板前の中で経験を積むことで、調理の技術を確実に向上させていけます。さまざまな調理の現場で経験を積むことは、新しい技術やスキルを身につけるチャンスにつながります。自分の仕事が先輩や上司に認められ、新しい仕事を任された場合の喜びはひとしおです。
調理師(板前)の大変さ
- 上下関係や礼儀
- 地道な努力が必要
調理師や板前は修行や経験が重要とされる職種でもあるので、師弟関係や先輩後輩の関係性が厳しいことも。調理の基本や道具の手入れだけではなく、挨拶や言葉づかいなど礼節をわきまえた振る舞いをすることが求められます。
責任者や先輩からときに厳しく注意されることもあるでしょうが、成長するチャンスだと考え前向きにとらえることが大切です。
さらに、調理師や板前の仕事は、自分の持ち場で任された仕事をしっかりこなしながら、そこで必要となるスキルを身につけることが求められます。とくに下積みの時期は、掃除や調理道具の洗い物、器の用意や野菜の下処理などの雑務を任されることも多く、最初の1、2年は調理の場に関われないことも。
一歩一歩、順を追って昇格を目指さなければならないため、ある程度の立場になって仕事ができるようになるまでモチベーションを保つことが大切です。
調理師(板前)に向いている人の特徴
順を追って少しずつステップアップしていく調理師や板前の仕事に向いている人とは、一体どんな特徴があるのでしょうか?
長い修業期間をやり遂げる精神力
一人前の調理師や板前になるためには、長い修行期間を要します。
そのため、自分の夢を叶えるために最後までやり遂げようとする、強い精神力が求められるでしょう。
自分の作った料理でお客様に満足度を与えられるのは調理師や板前の魅力ですが、先述のとおり最初の1、2年は調理の場に立てないことが当たり前の世界のようです。
なかには、一人前の調理師や板前として認められるまで10年以上要することも。
そのような環境下でも、諦めずに根気強くチャレンジしていく姿勢がある人にはピッタリの職業ではないでしょうか。
ホスピタリティマインド
調理師や板前は、常に料理でお客様を喜ばせることを念頭に置かなければなりません。
いくら料理の味が完璧でも、見た目や器など細部へのこだわりもなければ「おもてなしの心」は伝わらないでしょう。
調理師や板前は滅多に接客サービスをおこないませんが、心を込めて丁寧な調理をすることで自然とお客様に気持ちが伝わるものです。
料理を通して人を喜ばせたいと考えられる人にも、調理師や板前に向いていると言えるでしょう。
調理師(板前)の求人内容を見てみよう
調理師や板前の魅力を知ったうえで、実際どんな求人が出ているのか気になる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、宿泊業界の転職支援サービスを展開する「おもてなしHR」に掲載されている求人情報をご紹介します。(2022年8月時点)
神奈川県の単身寮付きの調理師(板前)
神奈川県の有名温泉地にある旅館では、単身寮付きで調理師・板前を募集しています。
具体的な仕事内容は、相模湾などの食材を中心とした本格懐石料理の調理をはじめ、年に数回の献立作成などさまざま。
平均月給は30万円前後で、施設によっては数時間の固定残業代を含めています。
待遇は単身寮だけではなく、退職金制度や自社施設の利用割引制度なども用意されています。
調理師免許が必須ではない施設もあれば、試用期間を設けて研修を受けられる施設もあるので募集要項をチェックしてみてくださいね。
京都府の未経験者歓迎の調理師(板前)
季節によってさまざまな景色を楽しめる京都府にある旅館では、未経験者OKの調理師・板前を募集しています。
具体的な仕事内容は、京都の素材をふんだんに取り入れた京懐石の調理に関する一連の流れを担当します。
平均月給は17万円前後で昇給・賞与あり。
年間休日100日以上や年5回以上の休館日を設けている施設もあるので、収入と休日のバランスが取れると言えますね。
さらに、寮手当や食事手当などを用意している施設もあるので、複数の求人を見比べてみてくださいね。
調理師(板前)のお仕事探しはおもてなしHRにお任せ!
調理師や板前は、料理を通してお客様を喜ばせるという重要な任務があります。
そのためにも、下積み時代にスキルを磨くことが大事と言えるでしょう。
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