美容師はきつい?きついと感じたときの対処法や経験を活かせる転職先

美容師は、お客様の髪を整えるのが主な仕事です。一見華やかな仕事に思えますが、実際に美容師として働いて「きつい」と感じている人も少なくありません。今回は、美容師の仕事がきついと言われる理由を紹介します。また、きついと感じたときの対処法や美容師経験を活かせる転職先の候補も一緒に確認しておきましょう。

3Kと呼ばれる美容師の仕事

  • きつい
  • 帰れない
  • 給料が安い

上記は、美容師という仕事のつらさを表現している言葉です。その中に「きつい」という言葉がありますが、美容師がきついと言われる背景には美容師ならではの独特な環境が関係しているようです。

厚生労働省の調査によると、2022年度の美容室の数は26万軒以上で、これはコンビニエンスストアどころか信号機よりも多いと言われています。

需要があることや新規開業しやすいということが、店舗数増加の背景にあるようです。店舗数が多いということは、ライバルが多いということでもあります。生き残るために努力を重ねなければなりません。

また、美容師として一人前になるためには、長い時間がかかります。これは、美容師がかつての髪結いと言われる仕事から始まっているからであると言われています。

髪結い師は一人前になるまでに数十年の月日がかかったと言われる仕事です。厳しい修行を経て一人前として認められるという古い習慣の名残が、美容師の仕事のきつさや厳しさに関係しているのかもしれません。

出典:令和4年度衛生行政報告例/厚生労働省

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美容師の仕事がきついと言われる理由7選

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美容師がきついと言われる理由にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、美容師経験者の声を参考にきついと言われている理由を紹介します。

労働時間の長さ

美容師は、開店準備から閉店後の片付けを含めると、労働時間が1日10時間以上になることがあるようです。長時間の施術が必要なお客様が閉店間際に来店した場合は、さらに閉店時間が遅くなることもあります。

また、閉店後にカットやカラーリングの練習をすることもあり、その場合、職場に滞在する時間は非常に長くなります。

お客様が途切れることがなければ、休憩時間を取る間もないということも珍しくありません。昼食を取る時間もないほど忙しいこともあるようです。

このような労働時間の長さが、美容師の仕事がきついと言われる大きな理由となっているのでしょう。

休日の少なさ

美容師は休日数が少ない仕事です。土日が忙しくなるため、平日休みになることが一般的で、店舗によっては休みが週1日しかないこともあります。

一般的な企業の平均的な年間休日数は120日程度である一方で、美容師は年間休日数が90日程度であることもあるようです。このことからも休みの少なさが分かります。

いくら好きな仕事をしていたとしても、休みが少ないことで疲労が蓄積すると、きつさを感じてしまうことがあるようです。

アシスタント期間の長さ

美容師は美容学校を卒業してすぐに美容室に就職したとしても、アシスタントという立場からスタートすることになります。

アシスタントとは、スタイリストの先輩美容師のサポートをしたり、雑務をこなしたりする下積みの立場です。人によってアシスタント期間は異なるようですが、数年間程度続きます。

アシスタントは、毎日深夜までカットやカラーの練習をしたり休日はセミナーに参加したりと、体力的にもきつい時期となることも少なくありません。

また、アシスタント期間中は給料が低いこともあり、生活が苦しいと感じることもあるようです。このような状況から美容師としてデビューする前にきつさに耐えられず、辞めてしまうことも珍しくはありません。

給料の低さ

厚生労働省が発表した令和5年賃金構造基本統計調査によると、美容師の1カ月あたりの平均給与は30万5100円で、年間賞与は8万4600円でした。

平均給与12カ月分の合計額は約366万円となり、そこに年間賞与の約8万円を足すと、合計で約374万円になります。美容師の平均年収は370万円前後ということがわかります。

給料だけで見ると平均的な印象を受けるかもしれませんが、労働時間が長いことや給料が発生しない練習時間を含めると、拘束時間に対して給料が低いと感じてしまうようです。

出典:令和5年賃金構造基本統計調査/政府統計の総合窓口(e-Stat)

立ちっぱなしで過ごすことの辛さ

美容師は、立ちっぱなしで過ごすことが多い仕事です。カットのために椅子に座ることはありますが、それ以外は立ったまま過ごすことがほとんどです。

シャンプーやトリートメントなどの施術の際に前かがみの姿勢になることもあり、無理な体勢が続くことで腰痛持ちの美容師も少なくありません。

身体に負担がかかることで体調を崩し、美容師を辞めなければならないということもあるようです。

上下関係の厳しさ

勤めている店舗の上下関係の厳しさが、美容師の仕事がきついと感じる理由になることもあります。

この場合、美容師がきついというよりは、人間関係に対して厳格な傾向のある業界の習慣がきついと感じているのかもしれません。

上司や先輩の厳しい指導についていけなかったり、機嫌をうがかいながら過ごさなければならなかったりすると、きついと感じることが多くなるそうです。

お客様とのコミュニケーションの難しさ

美容師の仕事は、お客様の髪を切ったりスタイリングしたりするだけではありません。

お客様には、美容師との会話を楽しみにしている方もいます。会話の中にお客様の好みを知るヒントもあり、気を抜くことはできません。

年齢や性別など、タイプの異なるお客様に対応する必要があるため、高いコミュニケーションスキルが必要です。

また、仕上がりが理想通りでなかったり施術に時間がかかりすぎたりしたことで、お客様からお叱りを受けることもあります。

このような経験があると、お客様とのコミュニケーションに気を遣うことに疲れ、美容師はきついと感じることも少なくありません。

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美容師の仕事がきついと感じたときの対処法

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美容師という仕事にきつさを感じたときは、一刻も早く辞めたいと思うかもしれません。しかし、すぐに転職を考えるのではなく、その前にできることはないか考えてみましょう。

せっかく資格を取って美容師になったのですから、退職や転職をしたあとに後悔しないようにじっくりと検討することが大切です。ここでは、美容師を辞める前にできることを確認しておきましょう。

休息をしっかり取る

前述したとおり、美容師は長時間立ち仕事をすることが多く、体力的な負担が大きい仕事です。

忙しいときこそ、意識的に休息を取ることが重要です。こまめなストレッチや休憩時間の確保を心がけるだけでも、身体への負担を軽減できる可能性があります。

また、休日はしっかりと身体を休めることも大切です。休日に温泉やマッサージを利用して、日頃の身体の疲れを取り除きましょう。

上司や同僚に相談する

美容師の仕事にきつさを感じている場合、まずは信頼できる上司や同僚に相談してみることが有効です。

同じ職場の仲間たちと話すことで、同じような悩みを共有し、アドバイスをもらえるかもしれません。

また、働く環境や業務内容に改善の余地があるなら、上司に具体的な改善案を提案してみるのもよさそうです。

スキルアップを目指す

美容師の仕事がきついと感じる理由として、自分のスキルや技術不足が原因となっていることもあるようです。

このような場合、スキルアップを目指して勉強したり技術を磨いたりすることで仕事のきつさを和らげることができます。

積極的にセミナーや講習会に参加して、新しい技術を学び、自分のキャリアを広げられれば、仕事に対する自信がつき、モチベーションも上がるでしょう。

働き方を見直す

美容師の仕事の負担が大きいと感じているなら、働き方自体を見直すことも検討しましょう。

たとえば、勤務時間を短縮したりシフトを調整してもらったりすることで、少しでも体力的な負担を軽減できるかもしれません。

本格的に転職を決意する前に、職場内での働き方の改善が可能かどうかを確認してみることが大切です。

美容師の経験が活かせる転職先4選

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美容師の仕事がきついと感じ、職場環境などの改善も難しい場合は、思い切って転職することを視野に入れましょう。ここでは、美容師経験を活かせる転職先をいくつか紹介します。

美容・化粧品メーカー

美容師として培った知識を活かして、美容や化粧品メーカーの商品の企画や販売に携わる仕事に転職するのもよいでしょう。

このような仕事に従事することで、シャンプーやトリートメント、化粧品などの商品開発に携わったり、商品を販売したりする業務に携われる可能性があります

美容ディーラー

シャンプーやトリートメントなどのヘアケア商品、はさみや鏡、椅子といった設備を美容室に卸す美容ディーラーになるのもいいかもしれません。

美容に関する専門知識を兼ね備えているだけでなく、美容室の業務そのものを理解しているため、現場に寄り添った営業活動ができるでしょう。

アイデザイナー・アイブロウリスト

まつげのエクステンションやパーマの施術をするアイデザイナー、まゆげの施術をするアイブロウリストとしてサロンで働く方法もあります。

どちらも美容師免許さえ保有していればチャレンジできる仕事です。また、どちらも美に関する仕事であるため、美容師として働いていた経験を活かすことができるでしょう。

宿泊業

意外かもしれませんが、宿泊業には美容師の資格や経験を活かして働ける仕事がいくつかあります。

温泉施設がある宿泊施設では、温泉や鉱泉を含む水を使用した施術を行うスパスタッフが在籍しているところも珍しくありません。

特に髪を濡らすヘッドスパの施術を行っているところだと美容師免許が必要となるため、資格を活かして働くことができるでしょう。

また、結婚式場がある宿泊施設ではヘアメイクを専門とするブライダルヘアメイクアーティストというスタッフが活躍していることもあります。

新郎新婦にメイクアップやヘアセットを施す場合などに、美容師経験を活かして働けるでしょう。

さらに美容師としてお客様を接客した経験は、宿泊施設のフロントスタッフなどでも活かすことができます。たとえ宿泊業界で働いた経験はなくても、接客経験はアピールポイントになります

なお、フロントスタッフなどの宿泊業の仕事に興味がある方は、宿泊業界に特化した転職サービス・おもてなしHRにお問い合わせください。

美容師の仕事がきついなら資格を活かした仕事に転職するのもあり!

労働時間の長さや給料の低さなどさまざまな理由から、美容師の仕事をきついと感じる人は少なくないようです。

どんなに憧れの仕事であっても、毎日きついと感じているようでは、長く働き続けることは難しいかもしれません。

美容師の仕事がきつくて転職をしたい場合は、美容師になるために取得した資格や身につけたスキル・経験が活かせる仕事を選ぶのがおすすめです。

宿泊業でも、スパスタッフやブライダルスタッフであれば美容師免許を活かして働けますし、フロントスタッフであれば接客経験を活かして働けるので、転職先の候補のひとつに加えてみてはいかがでしょうか。

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