接客業で大切なのは基本!
接客業と言えば、ホテルや旅館、飲食、小売、アパレルなど、さまざまな業界や職種が思い浮かびますよね。しかし、どの業界で接客するにしろ、もっとも大切と考えられているのは「基本」です。
接客には正解がありません。ただ、基本が身に付いていなければ、お客様を不快にしてしまったり、応用が意味をなさなくなったりするリスクが高まります。
ワンランク上の接客を行うためにも、今一度、接客業の基本について理解を深めていきましょう。
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接客業の基本:接遇マナーの5原則
接遇とは、お客様に寄り添った接客のこと。つまり、ワンランク上の接客を目指す接客業従事者であれば、接遇マナーは身に付けておくのが基本です。接遇マナーの5原則、「挨拶」「身だしなみ」「表情」「態度」「言葉遣い」の重要性について、ひとつずつ丁寧に解説します。
挨拶
挨拶は、対人関係の基本です。「いらっしゃいませ」や「こんにちは」といった挨拶は、接客業でも欠かすことのできないフレーズになっていますよね。
笑顔で挨拶をしてくれる従業員を見て、不快に思うお客様はそういません。お客様に安心感を与えるためにも、店舗・企業の印象を上げるためにも、状況に合わせた挨拶をできるよう意識しましょう。
身だしなみ
商品・サービスの印象が、従業員によって変わることは少なくありません。ホテルやディーラー、飲食店、アパレルショップなどを思い浮かべれば、きっとイメージが湧くはずです。
対話をしないお客様は従業員の見た目や雰囲気で、店舗や企業の印象を決めることがあります。つまり、身だしなみが整っていないだけで、商品・サービス・企業の印象を下げてしまうことがあるのです。
「だらしない」「不潔」というネガティブな印象を与えないためにも、きちんとした身だしなみで接客にあたることを心がけましょう。
表情
表情をキープする、状況に応じて表情を変化させることも接客の基本です。
身だしなみの項目でもお伝えしたように、従業員と対話をしないお客様は視覚情報から店舗・企業の雰囲気を感じ取ります。待機中でもにこやかな従業員と、真顔で黙々と作業にあたる従業員とでは、印象は大きく異なりますよね。
お客様と対話する時はもちろんですが、いつ見られても「素敵な従業員」に見られるような表情を作っておくのが、ワンランク上の接客と言えるのではないでしょうか。
態度
「接客態度の悪さがクレームの半数以上」という調査結果があることからもわかるように、接客態度はお客様にとって重要な項目です。
特に、トラブル発生時の接客態度には注意が必要。いくら誠意をもって話をしても、態度が悪いと思われてしまえばお客様の耳には届きません。さらなるクレームに発展させないためにも、接客時の態度には気を付けましょう。
言葉遣い
丁寧な言葉遣いをするのも、接客業の基本です。フランクさを売りにしているお店もありますが、最低限のマナーが守られていなければお客様を不快にさせてしまいますよね。
お客様の年齢や性別、立場、国籍に合わせた言葉遣いをするのが、一流の接客。しっかりと基本を身に付けたうえで、どんなお客様にも合わせられる言葉遣いを目指しましょう。次項では、言葉遣いの基本マナーをご紹介します。
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接客業の基本:正しい言葉遣い
接遇マナーの中で、もっとも改善に時間がかかるのは言葉遣いです。接客業従事者に最低限押さえていただきたい言葉遣いをご紹介しますので、不安な方はぜひチェックしてみてください。
接客の7大用語
- ・いらっしゃいませ
- ・少々お待ちくださいませ
- ・大変お待たせいたしました
- ・ありがとうございました
- ・かしこまりました
- ・申し訳ございません
- ・恐れ入ります
上記は、接客の7大用語と言われています。まずはこれらの言葉に、感情を乗せて口に出せるよう練習をしましょう。状況に応じて素早く発声することも、ぜひ意識してみてくださいね。
間違いやすい言葉遣い
間違っていることに気付かず、当たり前のように口にしていまっている接客用語もあります。下記はその一部です。
- ・よろしかったでしょうか?
- ・こちらがメニューになります
- ・ドリンクのほうは、いつお持ちいたしましょうか
- ・10,000円からお預かりいたします
「何が間違いなの?」と思った方もいるのではないでしょうか。間違った言い回しは、お店の評価を下げかねませんので注意が必要です。上記の例がなぜ誤りなのかは、リンク先の記事で詳しく解説しています。
接客業の基本:NGな接客例
接遇マナー、正しい言葉遣いとあわせて、「これだけはNG!」という接客の例も押さえておきましょう。
お客様の話をさえぎる
多くの接客業従事者は、日々お客様と会話をしているはずですが、コミュニケーションは双方向でなければならないことは意識しておくべきです。
相づちを打たずに話を聞く、話を途中でさえぎり自分が話し始めるのは、コミュニケーションが取れているとは言えません。特にクレーム中、「ですが……」などとさえぎるのは火に油を注ぐようなもの。お客様の言葉を受け止めることを意識して、接客に臨みましょう。
自分の評価を優先した接客をする
お客様に商品・サービスを提供しているお店であれば、店長や本部から「接客時にこの商品をおすすめして!」と言われることがあるはずです。売上が、個人の評価に繋がることもあるでしょう。
しかし、お客様からすればそれは「求めていないもの」。欲しいと思っていない時に、一方的にアピールされるのは心地よいものではありませんよね。お客様の態度・表情を見ながら、お客様優先の接客を行いましょう。
接客業の基本:ワンランク上の接客のコツとは?
接客業の基本をご紹介してきましたが、さらに上の接客レベルを身に付けるにはどのようなことを意識すべきなのでしょうか。ワンランク上の接客を行う3つのコツをご紹介します。
クッション言葉を使う
クッション言葉とは、伝えたい言葉の前に置くことで表現を和らげることができる言葉です。「失礼ですが」「お手数おかけしますが」などがそれにあたります。
クッション言葉を使いこなすことができれば、お客様はより丁寧な印象を受けるはずです。お客様の手を煩わせる時や、謝罪時に上手に活用しましょう。
お客様と適切な距離感を取る
パーソナルスペースという言葉を耳にしたことはあるでしょうか。パーソナルスペースは、他人に踏み込まれると不快に感じる領域のことで、ワンランク上の接客を目指すなら意識は不可欠です。
距離は、45cm~1.2mが友達などの個体距離、1.2m~3.6mが仕事関係などの社会的距離とされています。つまり、1.2m以内の距離感は相当親しい間柄でなければ不快な思いをさせてしまうのです。対面で接客を行っている方は、ぜひ意識してみてください。
また物理的な距離だけでなく、心の距離を考えて接客することも重要です。「今は話しかけない方が良さそうだな」「関心が高まった今が押し時!」など、お客様との心の距離感をはかりながら接客にあたるのが、ワンランク上の接客と言えるでしょう。
自分にしかできない接客を考える
接客のプロには、他の従業員よりも多くのファンがついているもの。そのプロは誰しも、自分にしかできない接客を行っています。
基本やマニュアル通りの接客をすれば、お客様に不快感を与えることは少ないでしょう。しかし同時に、感動を与えることもありません。ぜひ基本にアレンジを加え、自分なりの接客を考えてみてくださいね。下記の記事も、きっと参考になるはずです。
接客業で輝き続けるには基本を疎かにしないこと!
接客業は、毎日さまざまなお客様に出会える素敵な仕事です。クレームや、臨機応変な対応に苦労することもあるかもしれませんが、お客様から「ありがとう」と声を掛けてもらうことができれば、疲れは吹き飛んでしまうことでしょう。
お客様からの「ありがとう」を多く受け取るには、基本を疎かにしないことが何よりも重要です。基本あってこその応用であることを意識し、自分ならではの接客を見つけてくださいね。
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