医療ツーリズムとは?
医療ツーリズムとは、自分の居住国よりも医療水準が高い国で治療や検診などの医療サービスを受けるために渡航し、そこに観光を組み合わせた旅行のことです。
旅行業界では医療を受けるために外国人患者とその同伴者が長期滞在し、治療および検査後に医療機関の周辺を観光することが多いことから、インバウンド対策のひとつとして注目されています。
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医療ツーリズムの中心として発展するタイ

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タイでは、アジアの医療拠点として開発することを2004年に掲げ、医療ツーリズムを国家的な戦略とすることを打ち出しました。
政府が積極的に支援や投資を行った結果、高品質かつ低価格な医療サービスを提供することに成功。タイにはトップレベルの医療施設が多く、最新の医療技術や機器が整備されているため、高度な医療手術を受けることができます。
そんなタイでは、医療ツーリズムのプロモーションに年間数十億バーツを投資しているようです。多言語に対応したカスタマーサポートや各国の医療保険会社と提携し、観光と医療を一体化させたパッケージツアーを用意するなどして、医療ツーリズムの需要に応えているといいます。
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日本の医療ツーリズムの現状

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日本では、医療ツーリズムの受け入れを促進させるために、2011年に医療滞在ビザを導入しました。このビザは外国人患者はもちろんのこと、身の回りの世話をするために同行する同伴者にも発行されます。
日本の医療滞在ビザとは
医療滞在ビザを保有していることで、90日以内、6カ月または1年の滞在が可能です。滞在期間に関しては、外国人患者の病状を踏まえて決定されます。なお、発行から3年以内であれば何度でも入国できる仕組みです。
日本の医療ツーリズムの課題
世界的にも高く評価されている日本の医療技術。医療ツーリズムを促進させるために医療滞在ビザを導入しても、日本ではあまり医療目的で来日する人数は伸びていないといいます。
その理由には、医療滞在ビザを取得する際の手続きの煩雑さがあるそうです。そもそも外国人が日本の医療滞在ビザを取得するには、「医療機関による受診等予定証明書及び身元保証機関による身元保証書」が必要となります。
この保証書を外国人が医療機関から発行してもらうには、以下の手順に沿った手続きをしなければなりません。
- 1.身元保証機関に連絡を入れ、入院する医療機関を決める
- 2.一度日本に来日して医療機関を受診し、保証書を発行してもらう
- 3.発行後一度帰国し、自分の居住国で医療滞在ビザを申請する
- 4.取得後、再び来日し、治療を受ける
このようにビザを取得するまでに時間と手間がかかってしまうことが、医療ツーリズムを活用して日本へ訪れようとしている外国人を遠ざけてしまっている要因なのでしょう。
日本では国内向けの医療ツーリズムを推進中

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基本的には海外に行き、治療や検診を受けることが一般的な医療ツーリズムですが、日本では国内向けに医療ツーリズムを推進しているところがあるようです。そのひとつが、長野県の事例です。
長野県のとある村の診療所とリゾート施設運営会社、宿泊施設が連携し、観光をしながら健康を維持できる医療ツーリズムとして、血液透析治療を受けている方に向けた「長期滞在型臨時透析プラン」を考案。
村内での多くのアクティビティやグルメを楽しみつつ、透析治療を受けられるほか、ホテルでの長期滞在も快適に過ごせるようにあらゆるタイプの宿泊施設を用意しています。このように診療所と宿泊施設が連携することによって、安全性を担保しながらも長期滞在で観光を楽しむことができるようになるのだそう。
まだ2023年9月に始まったばかりの取り組みのため、現在は関東エリアの一部の病院に通う患者さんのみの受け入れとなっています。より多くの患者さんに旅行を提供できるように、今後は順次提携先病院やサービスを拡充していく予定だそうです。
医療ツーリズムを宿泊業でも取り入れよう
タイが医療ツーリズムの中心として発展している一方で、日本ではまだまだ定着していません。日本で定着させるには、まずは医療滞在ビザの取得をサポートする医療コーディネーターの人材を確保することが課題といえるでしょう。
日本の高い医療技術は世界的に注目されているので、医療ツーリズムを観光事業のひとつとして導入すれば経済効果が上がることも期待できます。
ただし、医療ツーリズムで集客をする場合は、安心して医療サービスを受けられるように病院や周辺施設が多言語に対応できるなどの環境を整えなければなりません。病院や周辺施設、自治体、宿泊業などが協力して取り組むことが、医療ツーリズム成功のカギとなるでしょう。