2026年1月発表のJNTO(日本政府観光局)のデータによると、昨年の訪日外客数は4,268万人で過去最高を記録しました。
しかしその裏で、宿泊業を含むサービス業の人手不足倒産も過去最多を更新しています。
過去最高の需要があるのに、人手不足で予約を断り、最悪の場合は黒字廃業に追い込まれる。そんなリスクがかつてないほど高まっているのが現状です。
この記事では、この機会損失を食い止め、少ない人数でも過去最高の利益を生み出すための具体的な手順を解説します。
この記事のポイント
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✔インバウンドは4,200万人超えだが、応募ゼロの施設が6割超える
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✔若者は中抜けシフトとスキルがつかない環境を敬遠している
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✔デジタル化・外国人材・高単価化の3本柱で、利益を最大化する
データで見る宿泊業界の現状|過去最高の需要と過去最悪の供給難
まずは客観的な数字から、宿泊業界の現在地を確認しましょう。
「需要は過去最高、供給は過去最悪」という、極めてアンバランスな状況がデータから浮き彫りになっています。
【市場】インバウンド4,200万人突破。かつてない稼ぎ時が到来
JNTO(日本政府観光局)の発表によると、2025年の訪日外客数はついに4,268万人を突破し、過去最高を記録しました。
これは単なるコロナ前への回復ではなく、当時の水準を遥かに上回る超・需要過多の状態です。
特に注目すべきは、オーストラリアなど、長期滞在・高消費傾向にある層の増加です。
これら高付加価値な需要を取り込むことで、客室単価(ADR)を引き上げるかつてない稼ぎ時が到来しているといえます。
【現場】応募ゼロが6割超。黒字廃業を招く供給停止
市場が絶好調な一方で、現場の供給体制は限界を迎えています。
東京商工リサーチの2025年度の全国企業倒産状況のデータによれば、サービス業の人手不足倒産が急増中。
さらに深刻なのが、国土交通省の「宿泊業の人材確保・育成の状況に関する実態調査」で明らかになった旅館・ホテルの約62%が「求人に対する応募がない」と回答したという事実です。
もはや「選ばなければ採れる」という段階ではありません。
採用パイプラインそのものが枯渇しており、お客様がいるのに予約を断らざるを得ない黒字廃業のリスクが、現実味を帯びています。
【真因】なぜ人は辞めるのか?国交省データが暴く経営者とのズレ
人材が定着しない背景には、経営者と現場の認識のズレがあります。
多くの経営者は賃上げを重視しますが、離職理由の上位を占めるのは「スキルアップの機会がない」「自分のしたい業務ができない」などでした。
さらにデータは、「研修を実施していない施設ほど、離職率が高い」という残酷な事実も突きつけています。
「見て覚えろ」という旧来の指導スタイルが、意欲ある人材を失望させ、早期離職を招いているのです。

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採用できないのはなぜ?宿泊業界の人手不足を招く3つの構造的原因
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他業界との人材争奪戦に負けているのには、宿泊業界特有の3つの壁という構造的な原因があります。
1.時間の壁:若者が最も嫌がる中抜けシフト
Z世代を中心とした若手求職者が、宿泊業を最も敬遠する理由。それが朝から夜まで拘束される中抜け勤務です。
教育機関への調査でも、学生が宿泊業を避ける最大の要因として「中抜け勤務を前提とした勤務時間制度」が名指しされています。
拘束時間が長く、生活リズムが整わない働き方は、ワークライフバランスを最優先する世代にとってブラックと判定されます。
この古い慣習が残っている限り、求人票が学生の目に留まる確率は極めて低くなってしまいます。
2.キャリアの壁:未来が見えないスキルアップ不在の現場
離職理由のトップにもあるとおり、「ここで働いても成長できない」と感じた瞬間、離職のリスクは急激に高まります。
国交省のデータでは、離職理由の第1位は給料ではなく、「自分のしたい業務ができなかった」「スキルアップの機会が不十分だった」ことでした。
「語学や接客を磨きたい」という意欲を持って入社しても、アナログな作業に追われ、学ぶ時間もツールも与えられません。
意欲ある人材ほど、「ここではこれ以上成長できない」と見切りをつけ、他業界へと流出してしまう傾向にあります。
3.賃金の壁:生産性の低さが招く低賃金
宿泊業の平均年収は、依然として全産業平均を下回っています。この原因は生産性の低さにあるようです。
電話予約の対応や、複数のシステムへの手入力などの業務が多く、従業員一人あたりの売上(生産性)が低いため、給与の原資が作れません。
「利益が出ないから給料が上がらない」→「待遇が悪いから人が集まらない」→「人手不足でさらに現場が疲弊する」という、深刻なスパイラルに陥っています。
人手不足を解消するには、精神論ではなく稼げる構造への転換が不可欠です。
宿泊業界の人手不足対策|需要を利益に変える3つの具体策
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構造的な3つの壁(時間・キャリア・賃金)を壊し、インバウンド需要を確実に利益へ変えるためには、小手先の改善ではなく、ビジネスモデルの変革が必要です。
1.【デジタル化】作業は機械に、人は接客へ
「DX=手抜き」ではありません。単純作業を機械に任せ、人間が本来やるべきおもてなしに時間を割くための投資です。
脳のデジタル化(PMSクラウド化)
予約情報や顧客データをクラウドPMSに集約し、長年の勘に頼っていた属人化を解消します。
これにより、新人スタッフでもスマホ一つで常連様(国内客)の好みや宗教上の食事制限を即座に把握でき、接客の質を均一化できます。
手足のロボット化
配膳や清掃後の運搬など、歩く・運ぶだけの単純作業はロボットに任せます。
スタッフは体力を温存し、日本人客への細やかな気配りや、外国人客へのサポートなど、人間にしかできない付加価値業務に集中します。
データに基づいた接客が可能になり、即戦力化が早まる
接客がしたいという入社動機を満たし、キャリアの壁を打破できる
2.【組織変革】外国人を戦力化し、中抜けを廃止する
日本人だけの採用にこだわっていては、機会損失(売り逃し)を防げません。
組織のあり方を根本から変えるタイミングが来ています。
外国人の戦力化
特定技能などの外国人材を数合わせではなく戦力として迎え入れます。
翻訳ツールを支給して言葉の壁さえ撤廃すれば、彼らの持つ勤勉さやホスピタリティは大きな武器になります。
中抜けの完全廃止
「フロント×清掃」「調理×接客」など、一人が複数の業務をこなすマルチタスクを導入します。
これにより、忙しい時間帯を少人数で回せるようになり、若者が最も敬遠する中抜け勤務を廃止して8時間通し勤務を実現できます。
拘束時間が短いというだけで、求人の魅力度が劇的に上がる
人手不足による客室の売り止めを防げる
3.【高収益化】満室を捨てて、単価と給与を上げる
「とにかく満室にして稼ぐ」という数を追う経営から、単価を上げて利益を残す質の経営へシフトします。
稼働率信仰の打破
人手不足の今、無理な満室(稼働率100%)を目指せば、現場が崩壊し、顧客満足度も下がります。
あえて稼働を80%程度に抑えてでも、単価(ADR)を引き上げ、インバウンドや国内富裕層のニーズに合ったゆとりあるサービスへ転換します。
利益の給与還元
値上げで得た利益は内部留保せず、従業員の賃上げとDX投資に回します。
「待遇が良いから人が集まる」→「サービスが向上する」→「高単価でもお客様が満足する」という、選ばれる施設の好循環を作ります。
全産業平均並み、あるいはそれ以上の給与提示が可能になる
余裕のある接客により、口コミ評価やリピート率が向上する
\外国人の採用について聞いてみたい/
業界に詳しいプロから話を聞く宿泊業界の人手不足に関するよくある質問
導入にあたって多くの経営者様が抱く、よくある質問をまとめました。
小規模な旅館ですが、DXやロボットの導入は現実的ですか?
デジタル化やロボット導入で、おもてなしの質が落ちませんか?
人手不足解消のために使える補助金はありますか?
今すぐにできる対応策:宿泊業界の人手不足はプロに任せて解決する
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ここまで、デジタル化や組織変革といった根本的な対策をお伝えしましたが、これらを推進するにはトップの決断と時間が必要です。
だからこそ、今すぐにできる最も効果的な一手は、採用のプロを頼ることです。
経営者は本業に集中する
採用活動は重要ですが、応募者対応や面接調整などの事務作業に、経営者の貴重な時間を奪われてはいけません。
インバウンド4,200万人というかつてない需要をどう活かすか。どうすれば現場のサービス品質を高められるか。
そうした戦略づくりや現場の指揮といった経営者にしかできないコア業務に全力を注ぐ体制を作ることこそが、この競争を勝ち抜く第一歩です。
採用実務はプロに任せる
求人原稿の作成や面接日程の調整といった煩雑な実務は、思い切って外部の支援サービスへ丸投げするのも有効な戦略です。
特に宿泊業界に特化した採用支援サービスであれば、業界特有の事情を深く理解しています。
これまで自社だけではリーチできなかった潜在的な求職者にアプローチできるため、結果として採用スピードが上がり、ミスマッチも減少するでしょう。
最終的には一人あたりの採用単価(CPA)を下げることにもつながります。
\採用業務を丸投げして、経営に集中する/
宿泊業特化のエージェントに相談する宿泊業界の人手不足解消の相談はおもてなしHRへ
採用をプロに任せることは手抜きではなく、経営者が本業に集中するための戦略です。
現場の疲弊を防ぎ、選ばれる施設になるために、外部の力を頼ってみてはいかがでしょうか。
おもてなしHRは、宿泊業界に特化した支援実績から、貴社の課題に合わせた最適な人材をご紹介します。
「求人が来ない」「定着しない」というお悩みは、一人で抱え込まず、私たちにお聞かせください。
貴社の未来を創るパートナーとして、全力でサポートいたします。
\経営者様・人事担当者様のお悩みを解決/
今すぐ無料相談を申し込む出典:訪日外客数(2025年12月推計値)/JNTO出典:2025年(令和7年)の全国企業倒産1万300件/東京商工リサーチ出典:令和6年度「宿泊業の人材確保・育成の状況に関する実態調査事業」/国土交通省出典:デジタル化・AI導入補助金2026/中小企業デジタル化・AI導入支援事業出典:中小企業省力化投資補助金/独立行政法人中小企業基盤整備機構出典:人材開発支援助成金/厚生労働省



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