ホテルの繁忙期とは?
繁忙期とはお客様が多くなり、業務の量が増える時期のことです。アパレルショップであれば季節の変わり目やバーゲンの時期、お医者さんであれば風邪が流行る真冬など、業種によってさまざまな繁忙期があります。
ホテル業界では、長期休暇シーズンが主な繁忙期ですが、立地場所に左右される場合やブライダル利用が増えるシーズンなどもあり、繁忙期には客室の料金が値上がりすることが特徴です。
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ホテルの繁忙期はいつ?
ホテル業界はの繁忙期はいつ頃なのでしょうか。業界全体の繁忙期もあれば、立地やブライダルサービスの有無に左右されることもあります。
これから宿泊業界で働きたいと考えている方は、おおよその繁忙期を知り、備えておきましょう。
旅行業界全般の繁忙期
ホテルのみならず、旅行業界全体で繁忙期を迎えるのは長期休暇シーズンです。春休み・夏休み・冬休みに加え、ゴールデンウィークやシルバーウィークも旅行者が増加し、全国各地の観光地は大変な賑わいを見せます。
また、アジア圏からのインバウンド客は春節休みのシーズンにも増加するため、1月下旬から2月にかけても繁忙期となります。
立地や季節に左右される繁忙期
ホテルの立地場所次第では季節による繁忙期もあります。
- 桜の名所→お花見シーズン
- 海の近く→海水浴シーズン
- 山の近く→紅葉シーズン
- スキー場の近く→スキーシーズン
他にもお祭り会場の近くや、コンサートホールの近くなどはイベントの開催によって繁忙期となることがあります。
ブライダルでの利用が増える時期
ブライダルサービスを提供しているホテルや、新婚旅行での利用で人気の高いホテルは、結婚式が多い時期も繁忙期になります。
4月・5月・10月・11月の、気候が穏やかな時期に人気が集中しています。
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繁忙期のホテル従業員の勤務時間は長い?
繁忙期のホテルは、次々にやってくるお客様への対応で業務量が大幅に増加します。ホテル業界はただでさえ人手不足が叫ばれている中で、繁忙期ともなれば従業員の労働時間は一体どんなことになってしまうのだろうか、と不安になる人は多いと思います。
確かに、以前は繁忙期のホテルでは気の遠くなるような長時間労働が行われていることがありました。休日は月に6日、わずかな仮眠を挟んで15時間の労働という、肉体的にも精神的にも厳しい働き方をしている従業員も珍しくなく、離職率を上げる大きな要因となっていたのです。
しかし、現在は働き方改革が推進され、ホテルでの長時間労働も解消されてきています。「労働時間インターバル制度」といって、業務終了後は、次の業務開始まで11時間空けることが努力義務とされています。
また、IT技術やAIの導入で、業務負担が減ったことも、長時間労働が解消された要因のひとつです。
こうしたことで、設夜勤→仮眠→早朝勤務というような、負担の大きいシフトを組むホテルが減少し、長時間労働が当たり前だった宿泊業界が大きく変わりつつあります。
ただし、繁忙期はやはり基本的に従業員はフル稼働となるホテルが多く、世間の人が一斉に休む時期には、長期休暇や連休は取りにくい仕事ではあります。ホテルの従業員になるからには、その点の覚悟が必要ですね。
宿泊業界における働き方改革への取り組みは、以下をご参照ください。
働き方改革でホテルはどう変わる?宿泊業界と関わりの深い法律や成功事例を解説
ホテルの従業員は繁忙期をどう乗り越えるべき?
働き方改革により長時間労働は解消されつつあるものの、繁忙期はやはり非常に忙しくなります。普段よりも業務負担が大きい繁忙期を、上手く乗り越えるためのコツをお伝えします。
人に任せるべき部分は人に任せる
繁忙期にリゾートバイトなどで一時的に人員を増やすホテルは多いです。また、比較的手が空いている業務の担当者がヘルプに入ることもありますね。
普段から一緒に仕事をしている人ではないので、頼みごとをするのに遠慮があるかと思いますが、人に任せるべき部分は人に任せるのが繁忙期を乗り越えるコツです。上手にコミュニケーションを取りながら、手分けして業務にあたりましょう。
閑散期のうちにしっかり備える
繁忙期を乗り越えるには、閑散期や通常期から、しっかりと準備を整えることが必要です。前回の繁忙期の状態をふまえ、マニュアルの見直しなどで効率化を考えましょう。
現場で働いている従業員だからこそ、改善点に気が付くということもありますよね。役職に関わらず、意見を出しやすい職場の雰囲気づくりも大切です。
従業員同士の思いやり
目の回るような忙しさの中では、従業員同士の思いやりが何よりも大切です。立場の上下に関係なく、お互いに声を掛け合い、協力し合いましょう。
忙しさでイライラして仕事仲間にあたってしまうと、雰囲気が悪くなりさらに業務が大変になるので注意が必要です。休憩時間も交代でしっかり取るなど、休むことも協力して回しましょう。
繁忙期と閑散期、ホテルの従業員はメリハリをつけて働こう
繁忙期と閑散期で、忙しさに大きな差があるホテル業界で長く働くには、メリハリをつけることが大切です。
働き方改革を推進しているホテルでは、閑散期にリフレッシュ休暇を取らせたり、全館休業日を設けるなど、従業員が息抜きできる制度が設けられています。こうした制度や、有給休暇を活用し、休めるときに休んで繁忙期を乗り越えてくださいね!