インバウンド需要に応じた対策で、消費額アップを目指す

街中を見渡すと、外国人観光客をよく見かけるようになりました。彼ら外国人観光客と密接な関わりを持つのが、近年よく聞かれるようになった「インバウンド」という言葉です。なぜここ数年で外国人観光客が急増したのか、日本政府がインバウンドを積極的に推進するのはなぜなのか。このあたりに触れつつ、今後ますます必要となる「インバウンド需要」の考え方について解説します。

インバウンドとは

写真を撮る外国人観光客

iStock/GCShutter

「インバウンド」とは、外国人が日本を訪れる旅行のことを指す言葉です。対義語として「アウトバウンド」が挙げられ、こちらは日本人の海外旅行を指します。

これから転じてインバウンド需要とは、海外からやってくる(海外にいる)人の需要・ニーズと言い換えることができます。

「観光立国」を目指しさまざまなインバウンド施策を行っている日本は、海外からの需要を正確にキャッチし、インバウンド消費として結び付けたい考えです。

インバウンド需要の動向

アジア人の一家

iStock/undefined-undefined

安倍政権が掲げた経済政策(通称アベノミクス)のひとつとして、インバウンド対策が積極的に推進されてきました。

ビザ発給要件の緩和や航空路線・クルーズ船の増便などの対策が奏功し、日本を訪れる外国人観光客は急増。2018年には訪日外国人数3,000万人を突破したことが大きな話題になりました。

2018年の国別訪日外国人数を見ると、もっとも多いのが中国で約840万人、全体のおよそ27%。次が韓国で約760万人、全体のおよそ25%、3番目が台湾で約480万人、全体のおよそ15%となっています。訪日外国人観光客の割合は、アジアが圧倒的に多いことがわかりますね。

出典:日本政府観光局(JNTO)「2018年 国籍別 / 目的別 訪日外客数 (確定値)」

2019年になると、日韓情勢による影響で韓国からの旅行者が減少しましたが、中国や台湾から訪れる人数は依然として増加しています。まだまだアジア圏からのインバウンド需要は高いといえます。

インバウンド需要が注目される理由

すし職人はすしを握ります

iStock/wanessa-p

日本は「観光立国」を目標として掲げ、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けてインバウンド数4,000万人を目指しています。

日本に限らず、国際的な観光市場は拡大傾向にあります。そのため世界的にもインバウンド需要は非常にホットなトピックとして扱われています。

日本としてもこの流れを受け、国全体の経済を活性化するためにインバウンド消費額を増やしたいねらいがあるのです。

インバウンド需要と日本経済の関係

買い物を楽しむ観光客

iStock/_araku

インバウンド消費額を増やすには、旅行者一人ひとりにもっとお金を使ってもらう必要がありますよね。では、そのためにどうしたらいいのでしょう。これを考えるときに重要になるのが「需要」です。

訪日外国人消費動向調査2018年年間値(確報)によると、訪日外国人全体の旅行消費額は4兆5,189億円。訪日外国人1人当たりの旅行支出は15万3,029円で、国別ではオーストラリア(24万2千円)がもっとも高く、次いでスペイン(23万7千円)、中国(22万5千円)の順で高い結果でした。

しかし1人当たりの消費額だけを見るとヨーロッパ諸国や欧米が高いですが、旅行者数が多いのは圧倒的にアジア圏です。事実、国全体での旅行消費額を見ると、最も消費額が大きかったのは中国(1兆5,450億円)で、次が韓国(5,881億円)、台湾(5,817億円)と続きます。

この結果を鑑みると、今よりさらにインバウンド消費額を押し上げるためには、日本と物理的な距離が近いアジアからの旅行者の需要に合わせたインバウンド施策が重要だと言えます。それにより、旅行日数の延長、リピーターの獲得などの効果が得られれば、日本経済のさらなる活性化につながるでしょう。

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査2018年年間値(確報)」

インバウンド需要はモノからコトへ?

鳥居をくぐる

iStock/Page-Light-Studios

近年、インバウンド需要は買い物などの「モノ消費」から、体験などの「コト消費」に移っていると言われています。

観光庁の調査によると、訪日前に期待していたことでもっとも多かった回答は「日本食を食べること」。その他、「自然・景勝地観光」「繁華街の街歩き」といったコト消費に関わる回答が多く見られました。一方で、「ショッピング」と答えた外国人は全体の50%以上と、いわゆるモノ消費への需要もまだまだ大きいことがわかります。

出典:観光庁「訪日外国人の消費動向」

こうした多様なニーズに応えられる受け皿を用意することで、より訪日外国人観光客の満足度が高まり、リピーターの獲得にもつながるはずです。

需要に応じた適切なインバウンド対策が重要

日本の街並み

iStock/primeimages

国際的な観光市場は拡大傾向にあります。観光立国を目指す日本としても、より多くの外国人観光客に訪日してもらい、インバウンド消費額を押し上げたいねらいがあるのです。

インバウンド対策を始めた数年前から比較すると、日本の市場は大きく拡大しました。まだまだ伸びしろはあると言われており、今後の展開にも期待されています。

さまざまな国から、さまざまなバックグラウンドを持つ人たちが集まるのがインバウンドです。そこには当然、さまざまな需要・ニーズが存在します。

消費を拡大させるためには、インバウンド需要を正しく理解し、ニーズに合ったサービスや商品をわかりやすく提供する必要があります。外国人観光客とひと口にいっても、欧米人とアジア人の需要が一致するとは限りません。ターゲットに応じた対策を考え、プロモーションなどを通してしっかり届けていかねばなりません。

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