VRとは何か?

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VRとは「Virtual Reality」の略で、「仮想現実」とも言われます。VRの最大の特徴は、目の前にある現実とは違う現実を体験できることです。ヘッドマウントディスプレイやゴーグルを着用すると、プログラムによる視覚的情報、聴覚的情報が操作され、仮想空間の中に自分がいるかのような体験をすることができます。
ARとの違いは?
ARとは「Augmented Reality」の略で、「拡張現実」と言われます。ARは、現実世界にCGや仮想の事物を投影し、現実世界に新しい情報を追加するという考え方です。現実世界を主体としてるため、その点がVRとARの最も大きな違いであるといえるでしょう。
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観光にVRを活用するメリット

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VRを用いて観光スポットや人街並み、風景を紹介することで、画像や動画よりもリアルにその場の魅力や雰囲気を伝えることができます。また、VRは画像のように一点を切り取る方法ではないため、実際に訪れた際、広さや清潔さなどにギャップが発生する可能性が低くなるでしょう。
その他、目的地までのアクセスについてVRで案内することにより、事前に下見をしなくてもスムーズに辿り着くことが可能です。
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VRを観光事業に活かす

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VRは観光事業において有効な手段であると言われています。ここでは、具体的なVRの活用方法やPRのポイントとなる要素について紹介します。
観光コンテンツの活用
VRの活用は、旅行前に観光地のVR映像を体験することで、旅行意欲掻き立て、連想させることが可能です。また、旅行中は空港や主要駅において地方の観光地をVRで映すことにより、観光客の地方誘致を促進します。
さらに、改修工事や文化財保護のため立ち入ることのできない歴史的建造物において、VR映像を提供することにより、付加価値を向上させることにつながるでしょう。
PRのポイント
VRを用いた観光PRの有効性をさらに高めるために必要なのは、多言語対応のコンテンツがです。国内の観光客のみならず、訪日外国人観光客を取り込むためには、多言語対応は重要になります。例えば、観光地までのアクセスや建造物についての解説、料金などの補足情報について、多言語対応した音声や字幕を追加することで、コンテンツを充実させることができるでしょう。
四季折々の風景や日本独特の景観、歴史や伝統をVR映像として提供すれば、コンテンツに付加価値を付与することができるかもしれません。
VRによるインバウンド対策

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VRによるインバウンド対策を行うには、どのように進めればよいのでしょうか。ここでは、インバウンド対策のステップを紹介します。
認知度アップ
まず、訪日外国人観光客へ向けて、自社ホームページの多言語化やSNSの運用などにより認知度を高めることが大切です。自社での作成が難しい場合には、外国語に強い業者の利用や外国語に特化したクラウドソーシングなどを利用すると良いかもしれません。また、日本国内と海外ではSNSの種類によって利用者数に違いがあるため、複数のSNSを運用するのが効果的です。
効率的な集客
認知度を上げた後は集客について考えなければなりません。ホームページやSNSを活用するほか、観光サイトへ掲載するなどの宣伝・広告を行う必要があります。国内での広告はもちろん、外国に向けたマーケティングも重要になるので、どのような宣伝活動が有効かリサーチし、より効率的な集客を目指しましょう。
回遊性の改善
地方の商店街など、小さな店舗の並ぶ地域では、おすすめの店として店舗がお互いを紹介し合うことで売り上げを相互に伸ばすことが大切です。さらには、訪日外国人観光客にとっても、一つの場所で様々な店舗を回ることができるのは、便利で訪れやすいという印象を与え、観光客の増加が期待ができます。
利便性の向上
日本を訪れる外国人観光客が不満に感じることとして、多言語の案内がない、キャッシュレス決済を利用できる場所が少ない、無線LANの環境がない、カフェなどの店員とコミュニケーションが取りにくい、公共交通機関の利用方法が不明などが挙げられるようです。
日本でもキャッシュレス決済の導入や無線LAN環境の整備、多言語案内などが進み、これらの不満は年々解消されつつありますが、地方では設備が整っていないという現実もあります。そうした現状から、今後もまだまだ改善の余地があるといえるでしょう。
VR観光の可能性

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現在、様々な場所でVRの活用が進んでいます。観光分野においても、多くの自治体がVRを利用したPRやコンテンツ制作に取り組んでおり、今後ますます注目を集めるでしょう。
これまでは、その地域から「見せられる」だけの観光スタイルであったものが、観光客自らが「見る」観光として、変化していくのかもしれません。
観光と技術を結びつけることで、容易に観光へ行くことができない人を助ける役割を担うなど、VR観光は未来の観光スタイルを変える可能性を秘めていると言えるでしょう。