イミ消費ってどういう消費?宿泊業界でのイミ消費の取り組みや課題とは?

今、新しい消費のスタイルが次々とトレンドになっています。「イミ消費」もそのひとつですが、どんな消費のことをイミ消費と呼ぶのでしょうか。この言葉は、主に外食産業で使われる言葉ですが、宿泊業界にも大きく影響します。イミ消費について、詳しく学んでいきましょう。

「イミ消費」は新しい消費スタイル

再生可能

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「イミ消費」とは、飲食店で使えるクーポン券を提供する企業の関係者が定義した新しい消費スタイルです。

これまで、外食産業では美味しい料理や気持ちの良いサービスを提供することが中心に考えられてきました。それらに「食べることで加えて自然や社会に貢献する」という付加価値がついた消費がイミ消費なのです。

提供する料理の食材や食材が育まれる自然環境、そして生産者を大切にする姿勢をお客様と共有します。外食産業におけるイミ消費には、以下のような取り組みがあります。

  • 災害のあった地域の食材を多く使う
  • 有機栽培で育った野菜を使う
  • プラスチックストローの廃止
  • テイクアウト容器を再生資材にする
  • マイ箸を持参すると割引が受けられる

よく利用する飲食店のことを思い出してみると、何かしらエコな取り組みがされているのではないでしょうか。それほどに今、イミ消費が求められているのです。

イミ消費とモノ・コト・トキ消費との違いは?

スニーカー売り場

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「モノ消費」「コト消費」「トキ消費」という言葉も最近よく耳にします。イミ消費と似た言葉ですね。これらはどんな意味で使われるのか解説します。

・モノ消費:モノ消費とは物質を所有することに価値を見出す商品の傾向です。90年代の終わりごろまで主流で、高級電化製品やスーパーカー、ハイブランドの服やバッグが良く売れました。

大人気のおもちゃやスニーカーがすぐ売り切れになり、プレミア価格で個人売買されていたのもこの時代です。

・コト消費:コト消費は2000年代前半から強まった消費傾向で、物質を所有することよりも、体験・経験することに重きを置くスタイルです。

高価なモノを購入するよりも旅行に出掛け、旅先でもただ観光するだけではなくその場所ならではの体験をしたいと考える人が増えたのです。この傾向は宿泊業界・観光業界にも強く影響し、ファームステイやロケツーリズムといった、新しい形の旅行が人気になっています。

・トキ消費:トキ消費は「その時その場所」でしかできないことに価値を見出す消費傾向です。渋谷のハロウィーンイベントや、アイドルやキャラクターの人気投票、そして目前に控えているオリンピックもトキ消費です。

昔から「限定」は消費者の心を掴む重要キーワードでしたが、「〇〇地域限定品」や「限定〇個」といった商品よりも、体験することが重要視されるように変化しています。

宿泊業界でのイミ消費とは

フェアトレード

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イミ消費は、外食産業で生まれた定義ですが宿泊業界にも大きな影響を及ぼします。外食に対して「イミ」を求める消費者は、外泊にも「イミ」を求めているのです。宿泊業界ではどのような「イミ消費」があるのか見ていきましょう。

ホテルで地産地消の食材・フェアトレードの食材を使う

飲食店での取り組みと同じように、ホテルのレストランでも食材や、食材ができるまでの背景をお客様と共有するところが増えています。

特に、食材の地産地消は盛んです。「地域の一次産業に貢献する」というイミがあるとともに「地元の食材を食べる」というコト消費のニーズもカバーすることができます。

また、発展途上国からフェアトレードで輸入した食材を使うホテルも増えています。フェアトレードの食材で多い物は、コーヒーやチョコレートなどです。こういった商品を提供することで、お客様にくつろぎのひと時を楽しみながら、社会貢献して貰えるのです。

提供する商品やアメニティで環境保全

レストランの他にも、提供する商品やアメニティで環境保全活動をお客様と共有することもできます。例えば、館内で販売するミネラルウォータを、売り上げの一部が環境保全団体に寄付されるものにしているホテルがあります。

客室のスリッパをリサイクルゴムで作るホテルもあります。その上、なるべく使い捨てにならないよう、お客様が持ち帰って自宅で使えるデザインにしています。

また、アメニティとして提供するボディソープやシャンプーを環境に優しいものを選び、気に入ったら購入できるように売店で販売しているところもあります。

宿泊業界で「イミ消費」を実現するための課題

リゾート開発

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宿泊業界でも、前項のような取り組みがありますが、イミ消費の実現は飲食店よりもハードルが高くあります。まず宿泊施設は、下記のように自然環境にかける負担が大きい部分が多いのです。

  • 自然が豊かな場所をリゾート開発する
  • 大量の汚水を出す
  • 食品ロスが出る
  • 電力やガスの消費が大きい

こういった課題を抱えているからこそ、宿泊業界は環境保全に高い意識を持ってイミ消費の実現を目指す必要がありますね。

あるホテルでは、従業員への環境保全の啓発がされています。環境研修を実施し、従業員休憩室の照明を消してリサイクルキャンドルの灯りだけで過ごすイベントなどが行われています。

従業員ひとりひとりが環境保護に関心を持つのは、イミ消費を提供する側として重要なことではないでしょうか。

エコマークホテル・旅館の認定制度

節水

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エコマークホテル・旅館の認定制度をご存じでしょうか。日本環境協会が主催する制度で、審査を受けて一定の基準を満たしていると認められた宿泊施設にエコマークが付与させる制度です。

設けられている基準は、以下のとおりです。

  • エコ活動を発信している、エコなサービスを提供している
  • エコな備品、設備を使う
  • ゴミを減らす
  • 省エネに取り組んでいる
  • 節水に取り組んでいる
  • 環境に関する法規などを守ってエコな施設運用をしている

この基準をクリアして認定されると、誰もが見たことのあるエコマークが付与され、ホームページやパンフレットに使用できるようになります。

一目で環境保護に取り組んでいる宿泊施設だと理解してもらえることでしょう。イミ消費をしたいと考えるお客様の目印になりますので、取得を検討してみてはいかがでしょうか。

参照:エコマークホテル・旅館の認定制度について/エコマーク認定サービス

関心が高まるイミ消費

イイね

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気持ちの良いサービスを受けながら、環境や社会に貢献できるイミ消費への関心が高まっています。ある調査によると「どうせ食べるなら誰かの役に立った方が良いと思うか」という質問に対し、過半数が「はい」と答えています。

イミ消費を上手に取り入れることで、集客効果が得られるだけでなく良い未来を作ることに役立ちます。ぜひイミ消費の実現に取り組んでみてはいかがでしょうか。

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