有料?無料?職業・人材紹介事業の種類
仕事探しでお世話になる人も多い職業・人材紹介事業。求職者の立場ではあまり意識することはないかもしれませんが、実は有料の職業・人材紹介事業と無料の職業・人材紹介事業があることはご存じですか?
「有料の人材紹介業」と聞くと、仕事を紹介してもらうためにお金がかかるということをイメージするかもしれません。
しかし、職業・人材紹介事業者が求職者からお金を受け取ることは、一部の仕事(芸能関係、配膳人、モデル、マネキン、お手伝いさんなど)を除き、法律で禁止されています。
有料の職業・人材紹介事業者は基本的に、求職者からではなく人材を紹介した企業から報酬をもらって事業を継続しているのです。
この記事では、有料職業・人材紹介事業と無料職業・人材紹介事業の違いについて解説します。仕事探しの参考に、役立ててくださいね!
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職業・人材紹介事業の分類とは?
基本的に求職者にとっては有料の職業・人材紹介業者でも無料の職業・人材紹介業者でもタダなので、どちらでも良いのでは?と思いますよね。
しかし、有料か無料かによって、紹介してもらえる仕事に制限があるなど仕事探しに影響する要素もあります。ふたつの職業・人材紹介事業者に、どのような違いがあるのか知っておいて損はないでしょう。
有料職業・人材紹介事業の例
民間の就職・転職エージェントや職業・人材紹介会社は有料のところがほとんどです。料金が発生するのは企業に紹介した人材の採用が決まったタイミング。成功報酬として、企業から手数料を受け取ります。
有料職業・人材紹介事業の特長として挙げられるのは、一般的公開されていない求人情報を持っている場合があることです。人気の企業が大々的に求人を出すと、応募が殺到し、対応に追われてしまいますよね。
そこで有料職業・人材紹介事業に人材紹介を依頼して、採用試験の前にふるい分けをするのです。めったに求人が出ない会社に入りたい!という人は、有料職業・人材紹介事業者に相談してみましょう。道が開ける可能性があります。
ただし、有料職業・人材紹介事業者にはあっせんできない業種がふたつあります。それは、港湾運送業と建築業務です。このふたつの業種は専門性が極めて高い業種であることから、有料での職業紹介・人材紹介はできないことになっているので注意しましょう。
参照:有料職業・人材紹介所であっせんできない業種について/厚生労働省大阪労働局
無料職業・人材紹介事業の分類
一方、無料の職業・人材紹介事業に分類されるのは、ハローワークや学校などの就職あっせん、地域おこしなど地方公共団体の施策として行う就職相談などです。
また、農協・商工会議所・商工会などの特別な法律によって設立された法人が、構成員を対象として職業紹介をする場合も、無料職業・人材紹介事業にあたります。
有料・無料の職業・人材紹介事業をするには、厚生労働省への届け出や許可が必要です。次の項目で詳しく見ていきましょう!
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職業・人材紹介事業をするための許可や届け出を見てみよう
有料・無料の職業紹介事業をするためには、どのような許可や届け出が必要なのでしょうか。それぞれに見ていきましょう。
有料職業・人材紹介事業は許可が必要
有料職業・人材紹介事業をするには、厚生労働省の許可を得る必要があります。
許可にはいくつかの基準が設けられており、基準を満たしていなければ当然、許可はおりません。大阪労働局のホームページから、許可基準をいくつかピックアップして紹介します。
【職業安定法(以下「法」という。)第31条第1項第1号の要件(申請者が、当該事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有すること。)】
- A.資産(繰延資産及び営業権を除く。)の総額から負債の総額を控除した額が500万円に申請者が有料職業紹介事業を行おうとする事業所の数を乗じて得た額以上であること。
- B.事業資金として自己名義の現金・預貯金の額が150万円に申請者が有料職業紹介事業を行おうとする事業所の数から1を減じた数に60万円を乗じた額を加えて得た額以上であること。
【法第31条第1項第2号の要件(個人情報を適正に管理し及び求人者、求職者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること】
- A.個人情報管理体制に関する判断:職者等の個人情報を適正に管理するための事業運営体制が整備されていること。
- B.個人情報管理の措置に関する判断:求職者等の個人情報を適正に管理するための措置が講じられていること。
【有料職業紹介事業を行う事業所は、その位置、構造、設備、面積からみて職業紹介事業を行うに適切であること】
プライバシーを保護しつつ求人者又は求職者に対応することが可能であること。具体的には、個室の設置、パーティション等での区分により、プライバシーを保護しつつ求人者又は求職者に対応することが可能である構造を有すること。
ただし、上記の構造を有することに代えて、以下の(a)又は(b)のいずれかによっても、この(イ)の要件を満たしているものと認めること。また、当分の間、以下の(c)によることも認めること。
(a)予約制、近隣の貸部屋の確保等により、他の求人者又は求職者等と同室にならずに対面の職業紹介を行うことができるような措置を講じること。この場合において、当該措置を講じない運営がなされた場合には、許可の取消し対象となる旨の許可条件を付するものとすること。
(b)専らインターネットを利用すること等により、対面を伴わない職業紹介を行うこと。この場合において、対面を伴う職業紹介事業の運営がなされたときは、許可の取消し対象となる旨の許可条件を付するものとすること。
なお、適切な苦情処理等の実施について必要な指導を行うものとすること。
求職者のプライバシーを守ることに関しては、特に厳しい基準が設けられているのですね。
これらの基準をクリアし、きちんと許可を得ている有料職業・人材紹介事業者であれば、会社のホームページなどに「01‐ユ‐000001」という形式の許可番号が掲載されています(ユは有料のユ)。
有料職業・人材紹介事業者を利用する際には、確認してみてくださいね!
出典:有料職業紹介事業の許可基準について/厚生労働省大阪労働局ホームページ
無料職業・人材紹介事業は届け出が必要
学校、商工会議所、地方公共団体などが無料職業・人材紹介事業をする場合は、厚生労働省への届け出が必要です。
厚生労働省や各都道府県のホームページで届け出の様式がダウンロードできるので、必要事項を記入し、添付書類と併せて提出します。
届け出が受理されれば「01-ム-000001」という形式の届け出受理番号が付与されます(ムは無料のム)。無料の職業・人材紹介事業者を利用する場合は、この番号を探してみましょう!
おもてなしHRは有料職業・人材紹介事業者
私たちおもてなしHRは、厳しい基準をクリアして許可を得た有料職業・人材紹介事業者で、ページの最下部に、許可番号がしっかりと記載されています。
おもてなしHRでは、ホテル・旅館の仕事に特化した職業紹介・人材紹介をしています。宿泊業に興味のある人は、ぜひ活用してくださいね!
なお、人材・職業会社の種類や選び方についての記事は、以下のページでまとめて紹介しています。