定職につかない?定職につけない?
「早く定職に就きなさい」「いつ定職につくの?」
仕事を転々とするジョブホッパーや派遣社員であれば、両親・友人からこのような声をかけられた経験がある、という方も少なくないはずです。
「定職につきたくてもつけない」という状況の方もいることでしょう。その一方で、昨今、あえて「定職につかない」という選択をする人も目立ってきました。
定職につかない選択をすることには、どのようなメリットがあるのでしょうか。デメリットとあわせて、今一度押さえておきましょう。
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「定職につかない」には定義がある?
社会では、当たり前のように「定職」という言葉を耳にしますが、どのような意味があるのでしょうか。
明確な定義は存在しない
実は、「定職」という言葉には、明確な定義はないようです。ただし、一般的には下記のような意味合いが含まれる言葉とされています。
- ・会社からの直接雇用(基本的には無期雇用)
- ・雇用期間が一定年数を超えている
- ・福利厚生が一定以上のレベル
つまり、自営業をはじめ、フリーランス・契約社員・パートタイマー・アルバイトなどの働き方はどれも「定職についていない」と言われてもおかしくない、ということです。「定職=正社員」とイメージする方が多いのも頷けます。
雇用期間によって定職と考えられることも
定職は、正社員のように「無期限の雇用」に対して使われることが多い言葉ですが、同じ会社に継続的に勤めていれば、定職と見なされる場合もあります。
要するに、幾度となく契約を更新している契約社員や、5年以上同じ勤務先に勤めているアルバイトであれば、「定職についている」と表現することもできるのです。
これは、2013年に施行された労働契約法18条「有期労働契約が反復して更新され、5年を超えた時に無期雇用に切り替えができる」とされる「無期転換ルール」も、影響しているのかもしれません。
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定職につかないメリット
定職についていないと、どことなく肩身を狭い思いをしてしまうもの。しかし、定職につかないことで得られるメリットもあります。3つのメリットをみていきましょう。
勤労に対するストレスが少ない
特に、アルバイトや契約社員であれば、多少のプレッシャーはあるものの、正社員ほどの責任を負う必要はない、と考えている方も少なくないでしょう。実際、非正規雇用に対しては、会社もそのように考えていることが多いものです。
会社から任されている役割を全うしていれば良い、というのであれば、心持ちもだいぶ楽になりますよね。仕事に対するストレスも、最小限に済むことでしょう。
時間を有効に使うことができる
正社員はサービス残業が当たり前、という職場も少なくありませんよね。正しい労働の形ではないものの、「従わなければ会社に居づらくなる」という思いから、泣く泣く暗黙のルールをのむ正規雇用者も。
一方、非正規雇用者は、基本的には残業が課せられません。会社が雇用条件に「みなし残業」を含んでいないことも多いため、無駄な人件費を生まないために、残業をさせない傾向にあるからです。
中には、非正規雇用者に対してのみ、残業を厳しく管理しているという企業もあるほど。自分の時間を多く持てることは、大きなメリットと言えるのではないでしょうか。
スキルの幅が広がる
会社員であれば、課された業務に携わるスキルばかりに偏ってしまいますが、自営業・フリーランス・異業種のジョブホッパーであれば、会社員よりもスキルの幅が広がるのは言わずもがなです。
スケジュール管理や経理など、事務作業から実務までを1人で行うことができるようになれば、いざと言う時にきっと役立つことでしょう。自らでチャンスを生み出すことができるのも、大きなメリットのひとつです。
定職につかないデメリット
定職につかければ、自由度の高い人生を送ることができますが、メリットとデメリットは表裏一体。これから定職につく・つかないを決める判断材料として、定職につかないデメリットも押さえておきましょう。
収入が不安定
正社員は、基本的に「月給制」が多いでしょう。しかし、アルバイトや派遣社員であれば、大半の企業が「時給制」や「日給制」を採用しています。自営業やフリーランスであれば、「歩合制」という方も多いのではないでしょうか。
時給制・日給制・歩合制は、頑張りがダイレクトに収入に変わるので、一見よく見えるもの。しかし、働くことができない状況に陥ってしまえば、無収入になる恐れもあります。月給制であれば、これほど給与が増減することはそうありませんよね。
定職につかなければ収入が安定しない、とまでは言い切れないものの、定職についている方より月収の変動が多いことは、覚悟しておく方が得策です。
社会的信用が得づらくなる
正社員であれば、会社が存続し、本人が何か大きな問題を起こさない限り収入が見込めます。しかし、前述の通り、非正規雇用であれば収入は不安定なうえ、今後いつ支払えない状況になるかがわかりません。そのため、社会的な信用を得づらくなるというデメリットがあります。
例を挙げると、クレジットカードやローン審査が通りづらくなったり、保証人なしで賃貸を借りることができないということが起こり得ます。収入の大小問わず、立場は正規雇用よりも低くなってしまいやすいものなのです。
老後の不安が大きい
今現在、何不自由なく過ごせているという方であっても、年を重ねるにつれて不安が大きくなるというのは、定職についていなければ良くあること。
夢を叶えるために生活費の足しとして勤め出したものの、仕事に追われて本末転倒になってしまうというのはよく聞く話です。
また、社歴が長くなったことで転職しづらくなる、正社員としての転職が難しくなる、長い目で見れば、ボーナス・退職金がもらえないことに不安を覚える方も少なくないでしょう。
定職につかないことに不安を覚えたら行動を起こそう
昨今では、働き方も多様性が認められるようになってきました。そのため、定職につかずに生きていく、という選択をする方も増えています。
しかし、収入が安定しない・社会的信用が得づらくなるといったデメリットを見れば、定職につかないことはまだまだ大きなリスクがあると言えるでしょう。ですので、行き当たりばったりの考えから、定職につかない選択を取るのはおすすめできません。
ただ、定職につく・つかないを選ぶのは自分自身。どちらを選ぶにせよ、全力で仕事に向き合うことができれば、後悔は残りません。ぜひ自分らしい生き方を目指してくださいね。
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