ダイナミックパッケージとは?
ダイナミックパッケージとは、旅行者がインターネット上で航空券や宿泊先などを自由に組み合わせることができるツアーです。
ひとつのWEBサイトですべての予約が完結するので、旅行客にとっては予約サイトをいちいち横断せずに予約できることが魅力となっています。
多くの場合、旅行会社や航空会社を通じて行われていますが、ダイナミックパッケージのことを業界内では「Air(エアー=航空券)」+「Hotel(ホテル)」の造語で、“エアホ”と呼ぶことがあるそうです。
通常のパッケージツアーよりも航空券とホテルの選択肢が多く、より自由な内容で予約できるとあって個人客の利用が年々増加しています。
ダイナミックパッケージを利用すると、フライト便やホテルの空き状況によっては、往路と復路で別路線を選択できたり、複数の宿・客室のタイプを選べるなど、自由度の高い旅が実現可能となります。
団体客のパッケージツアーの需要が減少している昨今。
旅行客の「より自由度の高い旅行がしたい」というニーズに応えるため、各社がダイナミックパッケージに力を入れていることから今まで以上に注目を集めているのかもしれません。
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パッケージツアーとはどう違う?
ダイナミックパッケージとパッケージツアーの最大の違いは、自由度の高さです。2つを比較し、具体的な違いをみていきましょう。
パッケージツアー
パッケージツアーの旅行代金は、あらかじめ決まっています。予約内容については、予約した後でも業者に相談すれば変更できますが、ホテルなどの宿泊先はツアーによって決められたもののなかから選ばなければなりません。
旅行に慣れていない方や、休日が固定で決まっている方、旅行の日程があまり確定していない方にとって、パッケージツアーは非常にメリットがあるものでしょう。
ダイナミックパッケージ
ダイナミックパッケージは空室のある宿泊施設から自由に選べますが、旅行代金はそのときの時価によって変動するので注意が必要です。
予約内容は変更できないので、変更したい場合はキャンセルをしてからもう一度予約しなおす必要があります。
パッケージツアーとは反対に旅に慣れている方や、急な旅行・出張が決まった方、ホテルやフライト便が決まっている方にはおすすめです。
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ダイナミックパッケージが注目されているワケ
ダイナミックパッケージが大きな注目を集めているのは、旅行客が自分のオリジナルで自由な旅を楽しめるという点が起因しています。
しかも、ダイナミックパッケージであれば、世界中の目的地を一つのサイトから予約することができます。
コロナ対策もきっちりと敷かれており、たとえばANAセールスでは、新型コロナウイルス感染症に関する保険をプランに組み合わせたことで、ゲストが安心して旅行ができる環境を整え始めています。
旅行客にとっては非常に便利で安心安全のダイナミックパッケージですが、ホテル・旅館にとっては負担が増していく恐れがあるのです。
施設の集客率も向上するかもしれませんが、先を見据えた運営をするのであれば、ダイナミックパッケージに頼るだけでは大きなリスクを背負ったままになってしまうでしょう。
「組み合わせ自由の旅」でホテル・旅館が生き残るには……
ホテル・旅館の負担が増していく理由には、ダイナミックパッケージによって「脱OTAが難しくなってしまう」というポイントが挙げられます。
ダイナミックパッケージを通じた予約は、大枠で考えればOTA予約の部類に入ります。多くの宿泊施設はOTAに集客を頼るようになってきましたが、OTAに支払う手数料はホテル・旅館にとっては大きな負担となっていますよね。
これから先、ホテル・旅館が考えていかなければならないポイントは、いかに自社サイトからの予約率を上げるかという点です。現に、各ホテル・旅館では利益率を拡大させるために、自社ホームページからの集客数を増やす動きが高まってきています。
台湾のとあるホテルでは、リピーターに対して、自社サイトから予約してくれたお客様には3,000円の割引を行い、集客率を上げています。
このような事例を参考にするには、お客様にとって分かりやすく魅力的なWEBサイトになっているのか、改めて自社サイトを見直していくことも必要かもしれません。