ホテル経営でもレジは侮ってはならない
レジはコンビニ・スーパーなどの小売業や、飲食店・美容室などのサービス業にスポットが当てられやすいものですが、ホテル業界にとっても重要な役割を持つということを忘れてはなりません。
と言うのも、様々な顧客情報を収集する「POSシステム」がレジに搭載されているかどうかで、経営戦略の質に大きな差が生まれるからです。
POSシステムのPOSは「Point of sale」の略で、“販売時点の情報”という意味を持ちます。つまりPOSシステムをわかりやすく説明すれば、来館したお客様の来館日時・年代・性別・売上などをデータとして記録しておけるシステムということになります。
データとして顧客情報を残しておけば、ターゲット設定・プラン策定・販促の戦略設計に役立つことは想像も容易ですよね。そんなホテル経営に影響を与えるレジについて、種類やそれぞれのメリット・デメリット、導入時の確認ポイントをご紹介します。
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ホテルにおすすめする2種類のレジ
これからホテルが新たなレジを導入する際におすすめする、2種類のレジについて解説します。
POSレジ
POSレジは、POSシステムとレジスター(売上の保管・管理ができる箱型の機器)を組み合せたもので、販売業全般で導入が増えているレジとなっています。コンビニやスーパーで見かけるレジの大半は、POSレジと考えて問題ないでしょう。
POSレジシステム・レジアプリ
モバイル決済と共に徐々に広がりを見せているのが、POS機能をタブレットやスマートフォンから利用できるPOSシステム・レジアプリです。売上の保管にはレジスターや金庫が必要になるものの、注文・会計・売上管理はPOSレジ同様に行うことができます。
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POSレジのメリット・デメリット
POSシステムと金庫が一体となったPOSレジの、メリットとデメリットをご紹介します。
メリット
最大のメリットは、キャッシュドロア、レシートプリンタ、バーコードを読むハンディなどの周辺機器が一体となっていることでしょう。機器を別途購入・連携させる必要はなく、導入後スムーズな利用が可能です。
またPOSレジシステム・アプリと比較した場合、サポートが手厚いという特徴もあります。これまではレジスターのみで、POSシステムの導入が初めてというホテルにとって手厚いサービスがあることは大きなメリットとなるはずです。
デメリット
デメリットは、導入費用・ランニングコストが高額になりやすいということです。システムの構築が必要になるので、導入時は最低でも1台10万円程度はかかると思っておくのが無難です。
加えて、POSレジは抱きかかえるほどのサイズが一般的であるため、広く重さに耐えられる設置スペースが必要となることも、ホテルによってはデメリットになるはずです。
POSレジシステム・レジアプリのメリット・デメリット
続いて、導入企業が続々と増えるPOSレジシステム・レジアプリのメリット・デメリットをご紹介します。ぜひ、前項「POSレジ」と比較してみてくださいね。
メリット
メリットは、何と言っても導入費用・ランニングコストが低いということでしょう。中には、無料でPOSシステム・レジアプリを提供している企業もあり、気軽にPOSの利用を始めたいというホテルにおすすめです。
また、POSシステム自体をパソコンにインストールしたり、クラウド上で利用することも可能です。よって、パソコン・タブレットをレジ以外で利用することができ省スペースであること、軽減税率など法改正時の移行がスムーズになることもメリットと言えます。
デメリット
デメリットは、ネットワーク環境が必須ということや、一体型のPOSレジほどサポートが手厚くない傾向にあることです。デジタル慣れしていなければ導入・操作・アップデート時に戸惑いを覚えることもあるでしょう。
そして、無料で提供されているPOSレジアプリは大抵、売上の一部を手数料として支払う必要があります。そのため、完全無料で利用できるレジは無いということは覚えておきましょう。
ホテルのレジ導入時には何を確認すべき?
ホテルが新たにレジを導入する際には、どのようなことを確認しレジを選ぶべきなのでしょうか。確認すべき3つの項目をご紹介します。
導入費用とランニングコスト
ご紹介したPOSレジやPOSレジのシステム・アプリは、多くのメーカーによって販売・提供されています。そのため、導入費用は無料~数十万円、ランニングコストは数千円~数万円の月払いあるいは手数料払いなどと、提供企業によって費用は大きく異なります。
特に、POSレジシステム・レジアプリは昨今のモバイル決済の増加を背景に、新規参入が続いています。よって、新しくレジを導入する際には、目ぼしいレジをいくつかリストアップし、年間費用の試算・比較を忘れずに行うようにしてくださいね。
自ホテルに必要な機能があるか
レジで使用できる機能もまた、提供企業によって異なります。POS機能の他、顧客管理・セルフチェックイン・TODO機能なども併せて利用できるシステムもありますので、自ホテルで必要な機能の棚卸しを行い、使いきれる機能を有したレジを選ぶようにしましょう。
他システムと連携ができるか
宿泊予約システムや顧客管理システムなどのシステムを既に導入しているというホテルであれば、新しいレジと連携ができるかも忘れずにチェックしておくべきです。
また前述の通り、上記の機能を包含したレジシステムもありますので、費用対効果や使いやすさを考え、導入を検討してみてくださいね。
ホテルにぴったりのレジを導入して戦略的な経営を!
宿泊予約サイトを経由した予約が増えた今、宿泊料金を現地払いするお客様は少なくなっているはずです。しかし、現金が無くならない限りレジは必要となります。
これまででは考えられなかったほど、数多くの機能を携えたレジが続々と登場していますので、レジスターのみのホテルや、ホテルの新設を検討している担当者はぜひ最新のレジ情報をチェックし、より戦略的なホテル経営にシフトしてみてはいかがでしょうか。
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貴ホテルにぴったりの人材をご紹介しますので、気になる担当者はぜひ気軽にご相談くださいね。