女性から注目を集める女性専用の宿・旅館とは?
若い女性を中心に人気を集める「女子旅」は、2010年に流行語となった「女子会」を観光業界が模して造ったとされる言葉のひとつです。気の合う女性同士で行く女子旅では話が盛り上がるうえ、気兼ねなく行けると今もなお人気が続いています。
そんな女子旅の検討者や宿泊業界からも注目を集めているのが「女性専用」の宿・旅館です。
女性専用の宿・旅館は宿泊客のみならず、複数人での予約が見込めること、またSNSでの宣伝効果に期待が持てるなど、宿・旅館にとってもメリットが大きいものとなっています。では、一体どのような点で通常の宿と差別化を図っているのでしょうか。
女性専用の宿・旅館の3事例とあわせ、一部分で女性特化を図っている宿、女性の集客を成功させるポイントをご紹介します。
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女性専用の宿1:ウェルカムスイーツとドレスでお姫様気分の宿
愛知県には、宿泊料金にサービス料金が組み込まれているオールインクルーシブとして宿泊を提供しているハイクラスな宿があります。
到着後に目に飛び込んでくるのは色とりどりの椅子が置かれたロビーラウンジ、客室では女性の多くがこよなく愛するスイーツの詰め合わせがお出迎えをしてくれます。また、ドレスや着物をレンタルし、写真を撮ることができるサービスも人気です。
ハーブティーやルイボスティーなどの30種類以上のお茶が楽しめるティースタンドでは、ついつい気になるお茶を試し飲みしてしまう女性も多いようです。
宿は女性に好まれるようなフォトジェニックな空間設計がなされているうえ、いたるところに「姫」という単語が散りばめられていることも相まって、まさにお姫様気分を満喫できる宿となっています。
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女性専用の宿2:24時間開放の館内カフェでガールズトーク
次にご紹介するのは、全12都道府県に展開する大手リゾートホテルグループが手がける女性専用宿です。国内旅行先としても人気の高い、北陸・石川県にその宿はあります。
24時間開放されているフリードリンク飲み放題のラウンジカフェでは、早めのチェックイン後にカフェを楽しんだり、チェックアウト前にゆったりした時間が作れると人気です。
他に、カラオケルーム・天然温泉・サウナ・4,000冊以上の漫画などの館内施設や、種類豊富なバイキングも楽しめ、若い世代からミドル世代まで幅広い層の女性が楽しめるつくりとなっています。
1泊2食付で10,000円以下という割と安価な宿泊料金も、大きな魅力のひとつとなっているのではないでしょうか。
女性専用の宿3:ゲストハウスは女性専用で安心感アップ
宿泊客の全てを女性のみとしているホテル・旅館は全国でも指折り程度しか存在しませんが、ゲストハウスでは女性専用として謳っている宿が多い印象です。
これは、ゲストハウスやカプセルホテルがシャワールーム・洗面所などの共用部が多く有していることが背景にあると考えらえています。
女性からすれば、男性も利用できる共用部は何かと気を遣ってしまうものです。また、セキュリティ面・プライバシーを気にする女性であれば、男女混合のゲストハウスを避けたくなるのも無理はありません。
しかし、ゲストハウスの館内全て女性のみの利用であれば、たとえドミトリータイプであっても安心して利用ができますよね。女性客にももっと気軽に利用をしてもらいたい、女子旅の拠点にして欲しいという思いから、女性専用にするゲストハウスも多いようです。
宿の一部が女性専用という施設は多い
前述の通り、全体が女性専用という宿は限られています。ただし、下記のように一部の施設やプランを「女性専用」と謳っているホテル・旅館は数多く存在します。
- ・大浴場・露天風呂
- ・専用フロア
- ・宿泊プラン(薬膳や無農薬野菜を使用した女性向けの食事・アメニティなど)
- ・体験・アクティビティ(アクセサリー作り・着付け体験など)
宿泊客が女性のみであることは女性にとって大きな安心感と気兼ねなさが得られますが、宿としては利用シーンが限られてしまうため、集客源が減るというデメリットは避けられません。
よって、現行のホテル・旅館で差別化を図りたいという場合には、まずは一部の女性専用エリア・プランを設定してみるのが得策でしょう。
女性専用・女性向けの宿として集客を成功させるポイント
女性専用あるいは女性向けのサービスを前面に押し出す際には、いくつか押さえておくべきポイントがあります。女性客の集客を成功させるポイントをみていきましょう。
選択肢の幅を広げる
「男女で買い物の時間に差がある」というのは良く聞く話ですが、これは買い物に対する男女間の意識の差から起こる現象とされています。男性の買い物は目的達成のためである一方、女性は選ぶ過程も含めた時間の過ごし方に重きを置いて買い物をすると考えられているのです。
では、宿泊業者が女性心理を掴むため取り組むべきことは何でしょう。まず第一に考えられるのは、女性特有の時間の使い方を考慮するということですよね。ひとつの事柄に対し、複数の選択肢を与えるということも近道と言えます。
選択肢の幅を広げるだけでも女性の満足度は上がる傾向にありますので、可能な限り複数の選択肢を提示してあげるようにしましょう。
写真映えを心がける
女性にSNSで自ホテル・自旅館を拡散してもらいたい場合には、写真に残したいと思わせる空間づくりが重要になります。
空間・料理・色浴衣の種類や色味は、女性の心に刺さるつくりになっているでしょうか。どんなものが写真に撮られやすいのかがわからないという担当者は、他社のSNSの画像などを参考に、空間づくりを行ってみてくださいね。
小さな思いやりを散りばめる
- ・貸し出しのネイルの横に、コットンとリムーバーが置いてある
- ・選べるフェイスパックに効能のPOPが掲示してある
- ・チェックアウトが11~12時で、慌てずに朝の支度ができる
- ・浴場移動用にバッグが無料貸し出しされている
上記のような小さな心遣いであっても、女性は感動を覚えるものです。細やかな配慮ができる宿は、きっと前向きな口コミやリピーターが増えるはずですので、今一度自ホテル・自旅館に取り入れられるものがないかを振り返ってみましょう。
「女性専用」を宿に取り入れて特別感を演出しよう!
女性専用の宿は、旅行好きの女性にとって打って付けの宿となることでしょう。特別な日を気が置けない知人や家族と過ごすことができるのであれば、きっと多少値が張っても利用してもらえるはずです。
宿・旅館で「女性専用」と打ち出す際には、女性ならではの行動・心理を分析したうえで、満足をしてもらえるような空間づくり・PRを心がけてくださいね。全館女性専用とするのが難しい場合は、まずは小さなところから取り組みを進めてみましょう。
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