撮影を前提とした客室プランが大人気!
いまや「コスプレ」は日本を代表する文化ともなっており、海外も含め各地でイベントが行われています。漫画やアニメ、ゲームなどの登場人物に扮装し、自分が好きなキャラクターへの想いを表現しています。
普段からも好きなキャラクターへ変身し、撮影した写真をSNSやブログで発表しているコスプレイヤーですが、撮影場所には苦労が絶えません。
場所によっては手間のかかる撮影申請が必要で、もともと撮影が禁止されている場所もあります。そのため、撮影場所を選ぶことに難航するコスプレイヤーも少なくないようです。
そこに目を付けたホテル・旅館は、宿泊する客室をスタジオとして利用してもらうことで、コスプレイヤーの悩みを解決することができたのです。撮影を前提とした客室であれば撮影許可を取る必要もなく、商用撮影として使っても問題ありません。
いまではコスプレイヤーをターゲットにして、漫画やアニメの世界観を意識した内装デザインに変更した宿泊施設もあるほどです。
お客様からは「密室なので着替えるのがラク」「大きな鏡があるのでメイク直しがしやすい」と大きな反響を呼んでいます。さらに、ホテルの客室を活かした撮影はラグジュアリーな雰囲気を出しやすいので、ポートレート撮影に利用する方もいらっしゃるそうです。
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「撮影できるホテル」にするメリットとは?
「撮影できるホテル」にするメリットとは、具体的にどのようなことでしょうか。詳しく確認していきましょう。
客層が広がる
ある老舗ホテルでは若い客層になかなか振り向いてもらえず、予約率に伸び悩んでいました。ところが、撮影前提の宿泊プランを用意してからは、一気に若い客層が押し寄せるようになりました。
ホテルのイメージやブランドを損なわないような工夫が必要ですが、一般プランのお客様の快適性を守るアイデアがあれば問題ないでしょう。
ホテルの立地や内装を活かせる
もともとあるホテルの立地や内装を活かせるので、初期費用はそれほどかかりません。
実際に客室以外でも周辺のスポットを使って撮影を行う方もおり、そういった需要に応えるために、観光地と連携して「客室+周辺観光スポット撮影OK」を宿泊プランに組み込んだホテルもあります。
クチコミの拡散力が高い
コスプレイヤーは、撮影した作品をSNSやブログに投稿する方がほとんどです。そのため、クチコミの拡散力は非常に高く、ホテル側が宣伝に時間を割かずとも、宿泊プランの情報を新規顧客に提供することができるのです。
クチコミはゲスト側からすれば信用できる情報として重宝されるので、新規顧客の獲得率が一気に伸びることでしょう。
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大人気の「撮影できる客室プラン」をつくるポイント
はじめから「撮影できる客室プラン」のみに絞って、営業を行うのはとても難しいですよね。そのため、従来の宿泊プランはそのまま継続し、プラスして撮影できるプランを用意することが賢明です。
新しく宿泊プランを作る前に、他のホテルでは、撮影できるプランに対してどのような工夫が行われているのかチェックしてみましょう。
レンタル設備を用意する
撮影機材や、撮影に必要な小物のレンタルをしているホテルも多いようです。ただし、機材にはこだわりのある方もいらっしゃるので、予約時に「必要」「不必要」の意思を確認したほうが良いかもしれません。
しかし、レンタル設備を用意することは、様々なシチュエーションでの撮影が可能にさせ、サービスの質の高さにも直結しますので検討する余地はあるでしょう。
ホテル周辺のスポットもプランに入れる
周辺に有名なスポットや、宿側のおすすめのスポットがあれば、プランに組み込んでみてはいかがでしょう。
自然あふれる周辺スポットを活かそうとした旅館が、その場所でも撮影できるようにと、事前に周辺観光地と連携しプランを作成したそうです。
お客様に代わって宿側があらかじめ撮影許可を取っておくことで、撮影申請をしなければならないお客様の負担を減らすことができますよね。
ただし、ここで注意していただきたいのは行政との連携が必要になるパターンもあるので、企画説明の際には「地域にどれだけ貢献できるか」という視点も必要になるでしょう。
施設周辺のスポットをプランに組み込むことができれば、他の「撮影OKのホテル」との差別化ができる方法にもなりますので、慎重に進めることが重要です。
事前発送を受付ける
撮影が前提の宿泊プランとなると、お客様は大荷物になってしまいホテルに来るまでが辛いという声も挙がっているようです。
そういった苦悩を打ち破ったホテルは、衣装や撮影道具などをお客様の自宅からホテルまで事前発送を受け付ける工夫をしました。事前発送ができるおかげで、お客様はホテルまで身軽で行けるので、気軽にホテルを利用できると大変な好評をいただいています。
お客様には宿泊前に撮影ルールを明示しておこう
撮影できる宿泊プランを用意することで、稼働率は向上するかもしれませんが、撮影自体が一般プランのお客様の迷惑にならないように配慮することを忘れないでください。
なかには、他のお客様の迷惑にならないよう、全館貸し切りプランとして用意しているホテルも。さらにパブリックスペースでの撮影には制限をかけるなど、それぞれのホテルで撮影ルールを明示していることが分かりますね。
ホテル側が定めた撮影ルールをお客様に徹底してもらうことで、一般プランのお客様も、撮影プランのお客様も快適に過ごしてもらえるような工夫をすることが求められます。