送迎サービスはホテル・旅館を選ぶ大事なポイントになっている!
お客様が旅行に出かけるときに頭に浮かぶことは、まず交通手段です。
「車を運転できる人がいない」「駅から宿へのアクセスが不便」などの理由から、ホテル・旅館まで送迎バスを利用したいと考えるお客様が多くいらっしゃるのです。
マイカーで行くとなればガソリン代や移動時間もかかり、連休などは道路が混雑するのでストレスが溜まりやすくなったりと、お客様の負担になっているということが窺えますね。
団体での旅行などの際も、ホテル・旅館を選ぶ大切なポイントとして重視されているケースが多いようです。
無料で送迎を行っているホテル・旅館もあり、その場合は送迎代が宿泊料金に含まれているようなプランを用意しています。送迎サービスの有無は、集客にもつながる手段として、実施しておいて損はないツールかもしれませんね。
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ホテル・旅館が送迎サービスを外部委託するときの注意点
ホテル・旅館が送迎サービスを行うとき、外部委託という選択肢もあることはご存知でしょうか。
送迎サービスを外部委託する際は「旅行業法」の登録を忘れないようにしてください。旅行業法では、旅行業そのものを「報酬を得て、旅行者のためにサービス(送迎も含む)の提供を受けることについて、代理で契約を締結・媒介・取次ぎをする行為」と規定されています。
そのため、ホテル・旅館が外部に送迎を委託することは、旅行者が送迎サービスの提供を受けることに対して宿側が間に入って取り次いでいると判断され、旅行業の登録が必要となっているのです。
宿泊施設が持つマイクロバスなどを使用して、自社のみで送迎を行っていれば問題ありません。ただ、外部委託する場合は面倒な手続きが生じてしまいますが、旅行業を登録しておくメリットもあることも確かです。
旅行業を登録しておくと、当然ですがホテル・旅館でも旅行業を扱うことができます。それによって、送迎サービスだけでなく、ホテル・旅館を起点としたオプショナルツアーを宿泊客に提供できるようになるのです。
集客ツールになるのはもちろんのこと、ツアーの売上だけでなく宿泊施設の売上を上乗せすることもできるので、売上アップが期待されるでしょう。
参照:旅行業法/法令リード
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送迎サービスの活用例とは?
送迎サービスの活用例は、ホテル・旅館によって異なります。実際にある事例をもとに解説しますので、詳しくチェックしてみましょう。
乗車・降車の最寄り駅を選択できる
宿側が指定する一ヵ所の駅だけに集合してもらうのではなく、指定する駅の数を増やし、その中からお客様の住んでいる場所から最も近い駅を選んでもうら工夫を行った旅館がありました。
従来は旅館の最寄り駅に集合してもらっていたのですが、特に高齢のお客様には負担になっていました。ですが、お客様に駅を選んでもらえるようにしたところ、「サービスの質が高い」と評価するリピーターも増え、お客様の満足度の向上にもつながったようです。
ツアーの企画
旅行業の登録をしたホテル・旅館は、周辺観光地をめぐる企画を宿泊プランのなかに組み込ませている傾向があります。
ガイドブックには載っていないような、地元民だけが知る穴場スポットのツアーは人気が高く、わざわざそのツアーに参加するために遠方から宿泊しに来られるお客様もいるのだそうです。
送迎を利用しないお客様にも「サービスの差」がないように注意!
ホテル・旅館で送迎サービスを活用する際は、送迎を利用する・しないに関わらず、お客様へのサービスに差が出ないようにしなければなりません。
どうしても送迎サービスを活用すると過剰なサービスになってしまうリスクがあります。時に、送迎サービスから派生させた企画は過剰サービスになりやすく、違法と判断されるケースもあるのです。
そのため、送迎サービスを活用する際は十分に注意し、どのお客様にも平等なサービスができるような工夫をする必要があるでしょう。