これからのホテル業務に電話は必要?
2020年現在、電話はややアナログな道具になりつつあります。自宅に固定電話が無いという人も少なく無いのではないでしょうか。
それでもまだまだ必要な道具であることには違いありません。しかし、ホテルなどの商業施設においては従来の使い方のままでは時代に合わず、余計なコスト発生する原因となることもあります。
これからの時代に合う、ホテルと電話との付き合い方について考えていきましょう。
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ホテルの宿泊予約は電話も現役
ホテルの宿泊予約はご存じの通り、ネット予約が主流になっています。しかし、電話予約にも一定の需要があります。インターネットに不慣れなお客様や、特別なリクエストや質問があるお客様は、電話での宿泊予約を利用するのです。
電話での宿泊予約は、さまざまなお申し出に臨機応変に対応することができ、昔ながらの方法で安心感があることがメリットでしょう。
しかし、電話口でのコミュニケーションはなかなか難しいもの。口頭でのやりとりのため、言い間違い・聞き間違いが発生したり、電話越しの口調が冷たく聞こえるといったことで、トラブルとなるリスクがあります。
また、電話がかかってくればスタッフがその時どんな仕事をしていても対応しなければならず、業務の効率が落ちる原因となります。お客様側としても電話の後に、正しく予約が取れたかどうか心配になるのではないでしょうか。
業務の効率化や利便性を考え、コールセンターに電話業務を外注するホテルもあります。コールセンターによってはお客様のメールアドレスを聴取し、予約確認のメールを送信するところまで行います。
電話対応を専門とする企業に外注することで、ホテルの現場の業務負担を減らし、お客様にとっても安心できるサービスを提供できるのですね。
なお、電話予約のメリット・デメリットやホテルのコールセンターについての詳細は、以下の記事をご参照ください。
ホテルや旅館のコールセンターの仕事とは?業務内容や受電デビューまでの流れを解説
ホテル&旅館業界の就職・転職についての記事
ホテルの客室の電話は変化している
かつて、ホテルの客室には電話があるのは当たり前でした。しかし、誰もが携帯電話を持つ時代となり、客室電話の利用頻度は大きく低下しています。それに伴って客室電話は今、次のような変化の時を迎えています。
客室電話を取り払ったビジネスホテル
あるビジネスホテルチェーンでは、客室電話の利用料金についてのトラブルが多発していたそうです。使った覚えがない、こんな料金が掛かるほどは使っていないはず、使ったことは確かだが通話料金が高すぎるといったクレームが相次ぎ、スタッフが対応に苦慮していました。
そこで客室電話を廃止してフロントへの連絡は各フロアのエレベーター横に設置した内線電話を使ってもらう方式にしたところ、クレーム対応や請求の処理が減少し、コストを大幅に削減することができたのです。
さらに浮いたコストで設備や備品をより良いものに変え、顧客満足度のアップにも成功しています。
内線のみの客室電話
フロントやホテル内の施設などの、内線のみと繋がる客室電話を導入しているホテルもあります。
外線電話はお客様がご自分の携帯電話で掛けることが一般的。内線さえ繋がれば、ホテルの滞在中に困ることは無いでしょう。また、もともと内線にしか繋がらない客室電話であれば、通話料金のトラブルや請求の処理が発生しないため、人件費を抑えられます。
客室用タブレット
新しくオープンしたホテルや、ICTを積極的に活用しているホテルでは、客室用タブレットが導入されています。
客室タブレットの通話アプリでフロントと客室が繋がり、お客様の不在時にフロントから連絡をした場合でも通知が残るので滞在中のやりとりをスムーズに行うことができます。
また、客室用タブレットにはホテルの宿泊約款や館内施設の予約、観光案内や通訳アプリなどの便利な機能も搭載されています。ホテルは対応の工数を削減でき、お客様にとっても非常に便利。これからのホテルでは、客室用タブレットが主流となるのではないでしょうか。
ホテルにおける電話の使い方を見直そう
コスト面においても利便性においても、電話での宿泊予約や従来までの客室電話を使い続けることは、合理的ではありません。もし、ホテルが電話にまつわる問題を抱えているのであれば、新しい方法への切り替えを検討してはいかがでしょうか。
しかし、お客様の中には新しいものには不安がある、使い方が分からないというお客様も居ます。使い方についての案内を設置し、親切・丁寧に教える姿勢を持つことを忘れてはなりません。
便利な道具を導入しただけで終わるのではなく、お客様の反応を見ながら、ホテルの電話改革を進めていきましょう!