民泊の宿泊費・経営費用の相場はどのくらい?
ゲストは安く利用することができ、ホストは空き家や空き部屋を有効活用できる民泊。お互いにメリットがあり、空き物件があれば手軽にチャレンジできるビジネスとして注目を集めています。
しかし、始めるハードルは低くても黒字への道のりは決して楽なものではありません。まずは宿泊料金と経営費用の相場を把握し、しっかりとした計画を立てることから始めましょう。
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何といっても安さが魅力!民泊の宿泊費の相場
ゲストにとっての民泊のメリットは、何とってもホテルよりもずっと安く宿泊できる点です。相場としてはひとり1泊あたり、2500円から3000円前後が平均的な価格。
このラインを基準として閑散期は安く、週末や近隣でイベントがある時には高くするなど、状況を見て価格を変えることが一般的です。
価格を変更する際には、近隣の民泊の相場もチェックしてください。相場より高すぎてはゲストが来ませんが、安すぎるのも考えものです。どこかひとつの民泊が突出して宿泊費を下げると、価格競争が始まり近隣一帯でどんどん値下げせざるを得ない状況に陥ってしまうためです。
また、相場だけにとらわれずゲストの目線でコストパフォーマンスに見合うかどうかを考えることも重要です。設備やサービスが充実していれば、他の民泊より多少割高でも人気が出る可能性があります。
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民泊運営の費用の相場
民泊の運営には、さまざまな方法があります。持ち家なのか賃貸なのか。立地場所はどんなエリアで広さはどれくらいなのか。届け出や清掃を専門家に委託するのか自分で行うのか。
ホストによって環境ややり方が異なるため、相場を一概にいうことはできません。以下はあくまでも目安になりますが、どのような部分にどの程度のお金が掛かるのかを見ていきましょう。
物件の準備費用
民泊運営のために家を買ったり借りたりする、または空き家や空き部屋を改装するためには、ある程度まとまったお金が必要です。
マンションなどの場合は、オーナーが民泊としての利用を許諾していなければなりません。民泊利用を許諾しているマンションは、一般的なマンションの1.2倍の家賃で敷金・礼金は2ヶ月分が相場と言われています。
空き家や空き部屋を使用する場合は、ちょっとした模様替え程度で済み、非常に安く抑えられることもれば、本格的なリフォームで数百万円程度掛かることもあるでしょう。
また、民泊として使用する物件の広さや階数によっては消防設備の設置が義務付けられています。工事が必要かどうかにもよりますが、数10万円から300万円程度掛かる場合があります。詳細は管轄の消防署までご確認ください。
民泊運営代行会社を利用する場合の費用
民泊の運営には、民泊運営代行会社を利用することが一般的です。民泊運営代行会社が行うサービスは、一般的に以下のようなものです。
- 予約ページへの掲載
- 外国人ゲストへの多言語案内
- 清掃サービス
- 収益シミュレーションの作成
- インテリア配置のサポート
- ハウスルールやガイドの作成
- プロのカメラマンによる物件の写真撮影
こうした手厚いサポートを提供するサービスがあるため、民泊は手軽に参入できるビジネスと言われているのですね。利用料金は売上の20%+清掃代が相場です。
家具・備品にかかる費用
民泊のゲストに多いのは、バックパッカーです。低価格で利用できる民泊は、まさにバックパッカー向けの宿泊施設と言えるのではないでしょうか。
バックパッカーの長期間滞在を想定し、普通の生活を送れる程度の設備が民泊には必要です。家具・家電のグレードや、何名までの宿泊を想定するのかにもよりますが、15万円くらいは予算を見ておきましょう。
消耗品・ライフラインの費用
家具・家電の他にタオルやトイレットペーパー、洗剤などの消耗品も用意しなければなりません。また、水道光熱費や通信費など、毎月支払いが発生するものもあります。
消耗品やライフラインに掛かる費用をトータルすると、毎月2万円~3万円前後が相場です。
万が一に備えるための費用
民泊向けの火災保険に加入しておくと、いざという時とても頼りになるでしょう。物件の広さにもよりますが、年間5万円前後からの保険料が一般的です。
また、騒音や水漏れなどで近隣からの苦情が発生し、民泊のホストが菓子折りを持ってお詫び行脚したという話を耳にします。トラブル対応のための費用も、多少は確保しておきましょう。
そして、開業や運用について困ったときは専門家への相談がベストです。民泊関連に対応している行政書士事務所では、内容にもよりますが、5万円程度から依頼・相談を受けている模様です。
なお、民泊の開業準備については以下の記事もご参照ください。
民泊運営はルールを守って
宿泊費や諸費用の相場を知る以上に重要なのは、民泊のルールを理解してきちんと守ることです。オーナーの許諾が無いのに、勝手にマンションの空き部屋を民泊したり、届け出を出さずに営業を始めることは絶対にNGです。
オーナーに見つかって強制退去になる、懲役や罰金などの刑事罰を受けるといった可能性もあるのです。民泊ビジネスで成功を収めるつもりが、人生に汚点を残す結果とならないよう、くれぐれも注意してください。
また、2020年10月現在、新型コロナウイルスの影響によって民泊は厳しい局面に立たされています。今は多額の費用を掛けて無理に開業するよりも、ホテルや旅館で宿泊業の経験を積むという選択肢もあるのではないでしょうか。
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