ホテルの休業
新型コロナウィルスが世界中で猛威をふるい、ホテル業界は大打撃を受けました。緊急事態宣言の最中では、休業を選択したホテルも多く存在します。
越県の禁止が解除された今も、新型コロナウィルスへの不安は払拭されず、宿泊客の減少に歯止めをかけることはできません。
休業要請に伴う休業
政府は2020年4月から5月までの間、新型コロナウイルス対策の特別措置法に基づく緊急事態宣言を全国に提言しました。
ホテルをはじめとする宿泊業は休業要請の対象ではなく、適切な感染防止対策の協力を要請にとどまりました。
しかしながら、緊急事態宣言による不要不急の外出を自粛することが要請されたため、旅行などの越県を伴う移動ができなくなったことは、宿泊業界・旅行業界に大きな打撃を与えました。
ホテルの利用客は激減し、稼働率が80%以上も減少したホテルもあるほどです。そのため、休業を余儀なくされる宿泊施設も少なくありませんでした。
ホテル周辺の飲食店や、アミューズメントパークは休業要請の対象であったことから、事実上の休業状態といったホテルもあったようです。
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ホテルの休業に伴う従業員の雇用
ホテルの休業で、何よりも課題になるのは従業員の雇用です。
ホテルの売上は宿泊や料飲など、どれも利用客がなければ収益の確保ができないものです。
また、ホテルの最大の商品ともいえるサービスは従業員の存在がなければ提供できません。
人の動きが無ければ収益の確保ができないのです。
宿泊客が少なければ客室の稼働も減少し、客室の清掃も不要です。そのため、客室清掃員の雇用に関する課題が報道されることもありました。
また、新型コロナウイルスの打撃を受けたのは、宿泊だけではありません。
感染拡大防止策として掲げられた、密閉、密集、密接を避けることやソーシャルディスタンスの観点から、挙式や宴会は軒並み中止になりました。
大きな宴会場を抱え、そこでの集客も収益源としていたホテルについては、大打撃です。
特に、配膳人と言われる宴会場で働くスタッは、稼働日に合わせて日雇いであることも多く、雇用の継続が困難な状況に陥りました。
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ホテルの休業で使用できる補助金
新型コロナウィルスの感染拡の影響を受けたホテルに対して、観光庁や経済産業省からのさまざまな支援がありました。ここでは代表的な補助金をご紹介します。
持続化給付金
新型コロナウイルス感染症の拡大の影響で、営業自粛をせざるを得ない事業者に対し事業の継続を支え、再起の糧とするための、持続化給付金が支給されました。
事業収入が前年度より一定程度減少した事業者が対象になり、法人の場合は最大200万円が支給されます。
雇用調整助成金
新型コロナウイルス感染症の影響で事業活動の縮小を余儀なくされた場合に、従業員の雇用維持を図るための、雇用調整助成金が支給されています。
日額上限を15,000円に引き上げ、従業員を解雇しなかった中小企業には費用の10割を支給しています。9月末までを支給期限としていましたが、感染拡大が続くことから12月まで延長することが決定されました。
休業で変化したホテルのサービス
休業していたホテルは、緊急事態宣言の解除とともに徐々に営業を再開するようになりました。大きく変化した人々の生活や行動に合わせ、ホテルのサービスも変化せざるをえない状況にあります。
感染症対策を優先したサービス
新型コロナウイルスの感染防止対策として重要とされているのは、他者との接触を減らすことにあります。
マスクの着用、手指消毒の徹底などに加え、一定の距離を確保することが求めらています。
お客様との物理的な距離が発生することで、サービスの在り方は当然ながら変化します。
これまで手渡しで行われていた金銭の授受はトレーを介して行われたり、ホテルによってはセルフサービスを売りにした宿泊プランを打ち出しているほどです。
これまでは、ホテル従業員の質の高いサービスによって醸成されていた安心・安全の在り方は、新型コロナウィルスの発生によって大きく変化しています。
人に合わないこと、人が集まらないことが優先されているなかで、どのようにしてお客様おとの心の距離を近づけるかは、ホテルの新しいサービスを考えるうえで、これまで以上に重要でしょう。
休業があってもホテルが守るべきものは変わらない
休業に追い込まれたホテルは守らなければいけないものは、ホテルの存続や従業員の雇用だけではありません。
何よりも、従業員とお客様の命を守ることを最優先にしなければなりません。これは新型コロナウィルスの発生が起因したものではなく、企業としては当然のことでもあるでしょう。
新型コロナウィルスの発生によって、これまでの生活様式や行動、安心や安全の基準が大きく変化しました。緊急事態宣言は解除になった今も、感染拡大は続いています。
ウィズコロナと言われることがあるように、新型コロナウィルスの存在を考慮したサービスを提供することがこれからのホテルには求められています。
これまで守り続けてきた高品質のサービスが思うように表現できず、歯がゆい思いをすることもあるかもしれません。
ホテルの休業がきっかけで、今後の在り方を考える場面があるはすです。
変化するものや変化せざる物が多い中だからこそ、従業員とお客様の命を守ることやお客様の心を守ること、どのような状況であっても変化しないものにも目を向ける必要がありそうです。