宿泊代金の未払いにホテルはどう対応する?

当然のことですが、ホテルが商売として成り立つのは、お客様が宿泊代金を払ってくれるからです。しかし、宿泊代金を支払わずにホテルから消える「スキッパー」と呼ばれる人や、支払の約束をしたもかかわらず、いつまでも未払いにしている人が存在します。スキッパーの手口や、防ぐための対策を考えていきましょう。

宿泊代金の未払いはホテルが抱える大問題

逃げる人

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「スキッパー」という宿泊業界用語があります。これは、宿泊しておいて代金を払わずに逃げる、悪質な人のことを指す言葉です。スキッパーは、ホテルの経営を脅かす存在で、被害が続けば営業を続けられなくなる恐れもあります。

スキッパーの手口や、被害に遭った時の対処方法、未然に防ぐためには何が必要かをチェックしていきましょう。

また、キャンセル料金の未払いもスキッパー同様に、放っておけない問題です。キャンセル料金については、以下の記事を参照してください。

ホテルの無断キャンセルが増加!損失を防ぐための対策とは

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宿泊代金未払いの手口

お金を払わない

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スキッパーの手口には、お決まりのパターンがあります。

まず、狙われるのは料金後払いのホテルや旅館です。無料で宿泊するのが目的なので、これは当然と言えることでしょう。そして予約無しか、当日予約で来館し、2泊以上の宿泊でチェックインし、1泊した後に外出のふりをして戻ってこないという手口がもっとも横行しています。

宿泊するだけでなく、さんざんご馳走を食べ、お酒を飲み、マッサージなどのサービスも利用してから居なくなるという大変あつかましいケースもあります。お金を払わないだけでなく、宿泊施設で働く人々のおもてなしの心も踏みにじる、非常に悪質な手口なのです。

また、チェックアウトの際に手持ちの現金がない、クレジットカードが使えないなどの理由で後日支払う約束をし、そのまま払わないというケースもあります。

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宿泊代の未払いの被害に遭った時の対応

警察

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ホテルが宿泊代の未払いの被害に遭ってしまった時は、どのように対処すれば良いのでしょうか。

まずは、宿泊カードに記載された電話番号や住所に連絡を取ってみることがセオリーです。請求書を郵送する場合は、内容証明付きにしましょう。

ただし、宿泊料金を踏み倒すような人物、特にスキッパーは、正直に自分の電話番号や住所を記載する可能性は低いです。どうにか連絡が付いた場合でも「払う」と約束はするものの、いつまで経っても払わないケースが多々あります。

こうした場合は、警察に被害届を出すことを検討しましょう。払う、払うと言って払わない場合や、支払い能力が無いのに宿泊をした場合は、詐欺罪が成立する可能性があるのです。新たな被害者を増やさないためにも、届けるべき届はきちんと出すことをおすすめします。

また「払ってくれなければ被害届を出しますよ」と告知することで、支払に応じるというケースも多々あります。なるべく穏便に済ませようと思ったら、警察に行く前に被害届を出す旨を相手に伝えるのも手段です。

宿泊施設の場合、未払い代金の時効は一年間です。一年間何もアクションを起こさないでいると請求できなくなってしまうので注意しましょう。

ホテル側のミスで宿泊代未払いになるケースもある

ミス

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ホテル側のミスで宿泊代が未払いとなるケースもあります。

ツアー旅行などで宿泊代込みのもの、別のものがあったり、予約時にクレジットカードで支払を済ませているお客様も居ます。清算のタイミングや方法が多岐にわたるので、まれにホテル側でミスを起こして宿泊代金を請求せずにチェックアウトをしてしまうことがあります。

こうしたミスに気が付いた場合、お客様に連絡を取って請求するかどうかはホテルごとに対応が異なります。請求するとなった場合はお客様に不信感を与え、解決までの対応が長引きやすいので注意が必要です。

ダブルチェック、トリプルチェックを行い、請求に関するミスは絶対に起こさないように気を付けましょう。

宿泊代金の未払いを防ぐには?

監視カメラ

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宿泊代金の未払いは、ホテルで対策を取ることである程度防ぐことが可能です。効果的な対策について確認していきましょう。

前払い制にする

チェックイン時に料金を支払うか、予約の際にクレジットカードでの支払いを済ませてもらう前払い制であれば、宿泊代金を取りはぐれは起こりません。そのため、ビジネスホテルやカプセルホテルなどでは前払い制にしているところが多いのです。

しかしながら、老舗ホテルや高級ホテルでは、宿泊代金は基本的に後払いにしていますよね。これは、お客様を信頼することを大前提とするためですが、宿泊料金を踏み倒す人やスキッパーは、そこにつけこんで狙ってきます。

ホテルのポリシーとして後払いを貫くのあれば、他の対策を講じる必要があります。

デポジットを預かる

料金前払いにする他、予約の際やチェックインの際にデポジットを預かるという方法もあります。デポジットとは、宿泊時の保証金のことです。

クレジットカードのコピーを取って保管し、何かあればそのカードで決済するのが一般的ですが、現金で預かる場合もあります。現金の場合は、チェックアウト時に宿泊代金や飲食代金を差し引いて清算します。

こうしてデポジットを確保しておけば、万が一逃げられたとしてもまるまる損をするということが無いので安心ですね。

防犯設備の導入、防犯意識を高める

防犯設備を導入し、従業員全員の防犯意識を高めることも、宿泊代金の未払い防止には欠かせないことです。

監視カメラを作動させ、カメラで録画していることを知らせるステッカーなどをお客様の目につくところに掲示しましょう。また、カメラがしっかりと作動しているいかどうかの点検も忘れてはなりません。

また、宿泊するにしては荷物の少ないお客様や、予約なしで突然来館するお客様には要注意です。後払いが基本の高級ホテルでも、こうしたお客様には前払いやデポジットをお願いしているところもあります。

ただし、前払いやデポジットのお預かりは、お客様に「あなたは信用できません」と言っているようなものです。気を悪くする人も居ますので、あくまでも丁寧にお願いするスタンスを心がけてくださいね。

宿泊代の未払いは防ぐことが重要

防ぐ

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宿泊代の未払いによって発生するのは、金銭的な損害だけではありません。日々、お客様のために心づくしのおもてなしをしている従業員の士気が大暴落する恐れがあるのです。また、きちんと宿泊料金を支払って泊まっているお客様にも申し訳ないことですよね。

全従業員で高い防犯意識を持ち、宿泊代の未払いを起こさせないことが重要です。万が一起こってしまった場合は、速やかに警察に相談することをおすすめします。

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