人気が高いカプセルホテルとは?設備や経営のルールを紹介

カプセルホテルとは、低価格で宿泊できるユニットを提供するホテルです。最近では清潔感や安全性を重視した、女性も安心して利用できる施設や、豪華な設備のあるカプセルホテルも登場し、注目を集めています。どんな人に需要があるのか、経営するにはどんなルールがあるのかを紹介します。

カプセルホテルとはどんなホテル?

カプセルホテル

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カプセルホテルとは、大人ひとりが横になれる程度の広さのユニットに寝具を設置し、目覚まし時計、小型テレビなどを備え付けた宿泊施設です。

ユニットは多くの場合「カプセルフロア」や「ユニットフロア」と称される室内に2段重ねにずらりと並べて配置されます。

カプセルホテルは、旅館業法では簡易宿所にあたり、ユニットは家具扱いで鍵を掛けることができません。そのため、ユニットの出入口はスクリーンやなどで簡易的な目隠しをするのみで仕切られます。

鍵をかけられないため、貴重品はユニットの外に用意された鍵のかかるロッカーに入れるか、フロントに預ける必要があります。

ひとりあたりが使える面積が少なく、鍵も掛けられないカプセルホテルですが、宿泊費用の安さや、工夫が凝らされていることによって人気が高い施設も数多くあります。

カプセルホテルを利用するのはどんな人?

終電後

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カプセルホテルは1979年、大阪市に初めての施設がオープンして以来、一定の需要を保っています。どのような人が利用するのか確認していきましょう。

終電を逃した人

カプセルホテルをよく利用するのは、終電を逃したサラリーマンです。飲み会や残業などで帰りが深夜になったとき、タクシーを使って帰宅するよりも安上りになることがあるためです。

空きがあれば予約しなくても宿泊可能、安いところなら3000円以下で宿泊できるので利用する人が多いのですね。入浴施設を併設しているところが多く、身体を清潔にできるので翌日も仕事という日でも安心です。

旅費、経費を抑えたい人

ひと昔前までのカプセルホテルとは、上記のように終電を逃したサラリーマンや、住所不定の日雇い労働者の利用が中心でした。

「他に宿泊できる場所が無いから仕方がなく利用する」というイメージが強かったカプセルホテルですが、最近では明るく清潔で、セキュリティの高いカプセルホテルが登場しています。

そのため、観光旅行や出張、イベントや就職活動などの際に利用する人が増えています。ビジネスホテルの客層と被っていますが、より費用を安く抑えたいと考える人がカプセルホテルに流れています。

趣味で泊まる人も居る

一度でもカプセルホテルに宿泊したことがある人ならお分かり頂けると思いますが、カプセルホテルには非常に独特の雰囲気があります。

SF映画の宇宙船のような、飛行機のコクピットのような、秘密基地のような。

感じ方はそれぞれですが、そんな「自分だけの空間」がすっかり気に入って、全国のカプセルホテルを巡る旅をしたり、宿泊する理由は特になくても宿泊するという人が少なくありません。

「趣味で泊まる」ことができるのは、やはり一般的なホテルよりも低価格で利用できるからという点が大きいのではないでしょうか。

人気が出るカプセルホテルの特徴とは

サウナ

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冒頭でも紹介した通り、現在高い人気を集めているカプセルホテルが多数あります。客足の多いカプセルホテルには、どんな設備や工夫があるのでしょうか。

大浴場、サウナがある

人気の高いカプセルホテルには、必ずと言っていいほど大浴場やサウナなどの、しっかりと汗を流せる入浴施設があります。人工温泉やバブルバスなどの豪華な設備を備えたカプセルホテルでは、身体の疲れがほぐれてぐっすり眠れると評判になっています。

ただし、入浴施設が充実したカプセルホテルはコストがかかる分、宿泊費を高く設定する必要がありますね。価格競争で負けないバランスを保つことが重要です。

女性も安心して利用できる

カプセルホテルとはかつて、男性専用であることが当たり前の設備でした。しかし、最近では女性の宿泊客を受け入れ、安心して利用できるサービスを提供しているカプセルホテルが人気です。

施設そのものが女性専用のカプセルホテルもあれば、男性と女性のフロアを分けているところもあります。男女のフロアを分けているホテルは、それぞれのフロアに入るのに、専用のカードキーを持っていないと自動ドアが開かないというところが多いです。

音を出さない目覚まし

カプセルホテルとは、旅館業法上、客室を密室にすることができない施設です。そうなると、気になるのは他の宿泊客が出す音の問題です。イビキや、寝言、歯ぎしりなどは耳栓で対策することが一般的ですが、目覚ましについてはどうでしょうか。

ある人気のカプセルホテルでは、目覚ましを音ではなく、セットした時間になると自動的に照明が点いてベッドのリクライニングが起き上がる仕掛けを採用しています。

これなら、他の宿泊客がセットした目覚まし時計の音でゆっくり寝ていたい人が起きてしまうことが無いですね。

コワーキングスペースとして利用できる

現代は、さまざまな働き方があります。インターネットを活用し、オフィスに出勤しない「コワーキング」で仕事をする人も増えています。

カプセルホテルは、コワーキングスペースとして利用したいという需要もあります。特に、旅行と仕事が同時進行の「ワーケーション」で働く人にとって、仕事のスペースにできるカプセルホテルは大変便利でしょう。

コワーキングスペースとして利用してもらうためには、下記の設備が必用です。

  • 快適なWi-Fi
  • 仕事に適したデスク
  • 自由に使えるコンセント

デスクやコンセントはユニットの中ではなく、ラウンジへの設置でも対応できますが、ユニットの中にあればより喜ばれるでしょう。また、FAXやコピー機もあるとなお良いですね。

人気の個室カプセルホテルとは

満足

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冒頭で説明した、フロア内にユニットがずらりと並んだカプセルホテルの他に、個室カプセルホテルと呼ばれるものがあります。

こちらは鍵のかからない小さな部屋の中に、就寝用のユニットと、机などのちょっとした家具が配置されたものです。一般的なユニットよりも使えるスペースがあるのでトランクを置いたり着替えをするのに便利でとても人気があります。

個室タイプではないユニットに、プラスアルファ程度の価格で宿泊できる場合が多いようです。利用した人からは、次のような高い評価を得ています。

  • 気楽に使えてよかった
  • ビジネスホテルとほぼ同じ機能なのに安い
  • 机があってよかった
  • 室内に鍵のかかるロッカーがあるのは便利
  • ラグジュアリー感、プレミアム感があった
  • ベッドのわきにスーツケースが置けるのが便利だった

このような個室タイプのユニットを一般的なユニットを並べたフロアの一角や別のフロアにいくつか用意している施設が多いです。

ふつうのホテルでいうところの「特別室」のような存在ですね。その特別感を、低価格で提供できるので、お客様満足度が高いのでしょう。

カプセルホテルの経営について

チェックリスト

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カプセルホテルは、需要が高く、まだまだビジネスチャンスがある分野です。それでは、カプセルホテルを経営する際に守らなければならないのはどんなことでしょうか。

カプセルホテルは旅館業法では、簡易宿所に分類されることは冒頭でも説明したとおりです。簡易宿所の営業で守らなければならないルールには、下記のように定められています。

  • 客室の延床面積は、33平方メートル以上であること。
  • 階層式寝台を有する場合には、上段と下段の間隔は、おおむね1メートル以上であること。
  • 適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有すること。
  • 当該施設に近接して公衆浴場がある等入浴に支障をきたさないと認められる場合を除き、宿泊者の需要を満たすことができる規模の入浴設備を有すること。
  • 宿泊者の需要を満たすことができる適当な規模の洗面設備を有すること。
  • 適当な数の便所を有すること。
  • その他都道府県が条例で定める構造設備の基準に適合すること。

この条件を守らないと、業務改善命令を受けたり、営業停止処分になることもあり得ますのでしっかりと確認、厳守しましょう。

参照:簡易宿所の営業ルールについて/厚生労働省の資料

需要が高まるカプセルホテル

成功の鍵

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今回紹介した通り、現在さまざまなタイプのカプセルホテルが増えています。インバウンド誘致やワーケーションの推進で、今後ますます需要が高まっていくことでしょう。

一般的なホテルよりも小さなスペースで開業できるカプセルホテルには、大きなビジネスチャンスが眠っている可能性があります。時代に合ったカプセルホテルの経営で、大きな利益を目指してみてはいかがでしょうか。

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