お客様対応の基本マニュアルを把握しよう!
接客・サービス業に携わるなら、気持ちの良いお客様対応ができて当たり前でなければなりません。
「これが正しい」と思っている対応でも実は間違っていたり、知らず知らずに不快な態度を取っていたりすることがあるかも。
この記事では、お客様対応の基本マニュアルとして押さえておきたいポイントを解説します。対面・電話・メールにおける対応のポイントや、NG対応の例などを把握してさわやかなお客様対応をめざしましょう!
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お客様対応マニュアル1:姿勢
姿勢は、その人の印象を大きく左右します。お客様対応にあたる際には、自分の姿勢を見直してくださいね。
対面
対面接客において、姿勢が重要であることは言うまでもありません。
お客様対応をする時だけでなく、待機中や品出しなどの作業をする時にも、背筋を伸ばしてきびきびと動くことを心がけましょう。
だらしなくやる気がないように見えてしまうため、疲れていても、猫背はNGです。制服の汚れや髪の乱れなど、身だしなみにも十分、気をつけてくださいね。
電話
電話対応でも、目の前にお客様がいることをイメージして正しい姿勢を保ちましょう。背筋を伸ばして座ることで、聞き取りやすい声が出ます。
「電話対応なら姿勢は関係ないのでは?」と思うかもしれませんが、それは大間違い。コールセンターなどでは、オペレーターの姿勢を厳しくチェックしているところもある程、重要なことなのです。
メール
お客様にメールを送る際には、電話対応と同様に、お客様が目の前にいるイメージを持ちましょう。
姿勢を正すことによって気持ちが引き締まり、誤送信や誤字脱字といったミスを防げるのではないでしょうか。
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お客様対応マニュアル2:あいさつ
あいさつは、お客様と企業とのファーストコンタクトです。企業全体の印象を左右するほど重要な要素と言っても過言ではありません。あいさつのポイントを見ていきましょう。
対面
対面でのあいさつは、歓迎の気持ちや感謝の気持ちを込めることが重要です。
接客の仕事に慣れてくると、流れ作業になりがちでお客様の方を見ずに挨拶をしたりしてしまいますが、軽く目を合わせて笑顔ではきはきと挨拶しましょう!
電話
電話におけるあいさつは、自分の名前をはっきりと伝えることが重要です。電話の最初に「お電話ありがとうございます。株式会社○○の△△でございます」と伝えることで、お客様は安心します。
また、電話を切る際にも「私、△△が承りました。失礼します。」と、もう1度名乗ることがおすすめ。「△△さんが責任のある対応をしてくれた」という好印象を残せます。
メール
お客様に送るメールはれっきとしたビジネスメール。ビジネスメールにおけるあいさつには、ある程度決まった形があります。
一般的に使われることが多いのは、以下のようなあいさつです。
- ・「大変お世話になっております」
- ・「平素は格別のお引き立てを賜り、厚くお礼申し上げます。」
- ・「突然のメールで失礼いたします(こちらからコンタクトを取る場合)」
メールによるお客様対応については、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご一読ください。
お客様対応マニュアル3:言葉遣い
お客様対応では、言葉を正しく使うことが重要です。間違った敬語や、ふさわしくない表現には要注意。それをふまえて、対面・電話・メールでのポイントを見ていきましょう。
対面
対面によるお客様対応が多い職業と言えば、飲食店のスタッフや販売員でしょう。そのような職場では「こちらはハンバーグになります」「レシートのお返しです」といった、謎の接客用語が飛び交っているケースが散見されます。
「よく聞くから」「職場でみんな使っているから」と言って、おかしな日本語を使っていると、お客様から教養を疑われます。また、勤務先の品格を下げたり、クレームに発展したりすることもあるので、正しい言葉遣いを心がけてくださいね。
以下の記事も、参考にしてください。
電話
電話口でも対面と同じく、正しい言葉遣いが求められます。電話対応ならではのポイントは「聞き取りやすさ」も重要であること。
例として返金・返品対応でお客様の口座番号を聞く場面を考えてみましょう。「口座」を丁寧に言うと「ご口座」ですが、音としては聞き取りにくいかもしれません。
この場合は「ご口座番号をお聞かせいただけますか?」よりも、「口座番号をお聞かせいただけますか?」と話した方が、お客様に親切ではないでしょうか。
正しさ・丁寧さと同時に、聞き取りやすさも考えて、言葉を選んでくださいね。
メール
メール対応における言葉遣いで注意したい点は、話し言葉と書き言葉の使い分けです。
もともとの言葉が詰まったり、なまったりしてできた言葉は、話し言葉です。文章で伝える際に、言葉が詰まったり、なまったりするのはおかしなことですよね。以下を参考に、言葉の使い分けを意識してくださいね。
- ・【話】どんな→【書】どのような
- ・【話】じゃない→【書】ではない
- ・【話】どっち→【書】どちら
- ・【話】とっても→【書】とても/非常に
- ・【話】しょうがない→【書】しようがない/仕方がない
お客様対応マニュアル4:案内
案内は、お客様対応の要です。どの方法でも正確さとスピード感を大切にしたいところ。それぞれのポイントを把握しましょう。
対面
対面でお客様を案内する際は、仕草や表情に注意しましょう。商品やポイントカードなどを渡す時は両手を添えることや、お客様を急かすような態度を取らないことを心がけてくださいね。
また、お客様対応の最中は「七分咲きの笑顔」が適切とされています。鏡を見ながら、相手が心地よく感じる表情を研究すると良いでしょう。
電話
電話によるお客様案内で特に注意したいポイントは、保留にする時と、保留を解除する時の声掛けです。
電話を保留にする際は必ず「少々お待ちください」と伝え、解除の際には「お待たせいたしました」と伝えることを忘れないようにしましょう。
また、電話でのやりとりはお互いに内容を勘違いしやすいもの。一方的に案内するのではなく、適切なタイミングで「ここまでで何かご不明な点はございませんか?」と確認を入れることもおすすめです。
電話によるお客様対応については、以下の記事で詳しく解説しています。併せてご一読ください。
メール
メールによるお客様対応でまず重要なことは、なるべく早い段階で一次対応をすることです。
メールで問い合わせをしたお客様は、自分のメールが届いているのか、返信先のメールアドレスを間違わなかったか、といった不安を抱きながら、返信を待っています。すぐの回答が難しいケースでも、「お問い合わせを受け付けました」という旨だけは、翌営業日中に返すことをおすすめします。
また、対面や電話と異なり、確実に対応の証拠が残ることも留意しなければなりません。誤字・脱字や案内の間違いには、細心の注意を払いましょう・
お客様対応マニュアル5:クレーム対応
接客業で特に苦慮するのは、クレーム対応ではないでしょうか。クレームをなるべく円満に収めるためのコツも把握しましょう。
また、理不尽なクレームを受けた場合の対処方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
対面
対面によるクレーム対応で特に注意したいのは、表情や姿勢です。
どれほど耳を傾け、適切な相槌を打ったとしても、ニヤニヤしていたり、ふて腐れたような姿勢だったりすれば、お客様の神経を逆なでしてしまうでしょう。また、まったくの無表情もNGです。
クレーム対応にあたるさいには口元を引き締め、真剣な表情を意識しましょう。
電話
クレームの電話が掛かってくると、ベテランスタッフでも慌ててしまうものです。
まずは落ち着いて、お客様の言い分に耳を傾けることを心がけてください。お客様が話している途中で、こちらの話を被せたりすると、ますますヒートアップしてしまいます。
言いたいことを言い切れば、お客様も多少は気持ちが落ち着くもの。傾聴姿勢を大切に、対応してくださいね。
メール
先述の通り、メールは証拠が残るものです。クレームに対していい加減な回答をすると、SNSで晒されて大炎上するかもしれません。
正確な事だけを、真摯に伝えるように心がけましょう。
また、メールは対面や電話に比べて、情報をスマートに伝えやすい利点があります。この利点をいかして、お客様の意見をどのように捉え、どう改善するのかを添えることがおすすめ。
きちんとした回答が得られれば、お客様も納得しやすいでしょう。
お客様対応のNG例
お客様対応には、やってはいけないことがあります。良くない対応の例を把握しましょう。ご自身の接客を振り返りながら、読み進めてくださいね。
お客様を尊重しない対応
「お客様を尊重しない対応」と聞いて多くの人が思い浮かべるのは、クレームの内容を疑ってかかったり、質問にきちんと回答しなかったりといったことではないでしょうか。
そのような対応はもちろんNGですが、親切にしているつもりでも、実は失礼な対応もあります。
例えば、お年寄りや障がいのあるお客様に対応する際、「優しくしよう」と思うあまり、子どもに接するような対応をしたりしていないでしょうか。
また、商品を購入する本人ではなく、付き添いの人とばかり話したり、勝手に「おじいちゃん・おばあちゃん」と呼んだりすることも失礼な話です。
年齢層やタイプに関わらず、「ひとりの大切なお客様」として接することを徹底してくださいね。
引継ぎが不十分
電話対応で特にやりがちなNG対応は、引継ぎを十分にしないまま、対応者が交代することです。
問い合わせ内容や進捗状況が、しっかりと共有されていなければ、対応者が変わるたびにお客様が最初から説明し直す羽目になります。
また、対応者によって案内の方針が異なるのもNGです。引継ぎのルールや案内の指針については、企業全体でルールを定める必要があるでしょう。
お客様に余計な手間をかけさせたり、戸惑わせたりしないことに、重点を置いてくださいね。
NGワードを使う
接客業・サービス業では「NGワード」とされる言葉があります。それらを使うとお客様を不快にさせたり、クレームをさらに大きくさせたりしてしまうので要注意。
お客様対応にあたる際、以下の言葉は避けてくださいね。
- ・でも
- ・だけど
- ・絶対に
- ・ですから
- ・なるほど
- ・できません
- ・ありません
- ・分かりません
- ・知りません
- ・だめです
- ・一応
- ・違います
基本を押さえてスムーズにお客様対応しよう!
今回紹介した基本を押さえれば、お客様に気持ち良くお店や施設を利用してもらえるはず。
不要なクレームを避けたり、起きてしまったクレームを収めたりすることが期待できるので、業務全体をスムーズに進められるのではないでしょうか。お客様対応にあたる際には、これらの基本を思い出してくださいね。