ホテルなのにベッドがない?
ベッドのないホテルが誕生した背景には、新型コロナウイルス感染症の流行が大きく関係しています。
日本におけるテレワークの導入自体は約30年以上前に遡りますが、最近では、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、リモートワーク(テレワーク)を推進する企業が急増しました。
しかし、リモートワークの場所は主に自宅。そのため、仕事環境が十分に整っていない在宅でのリモートワークに不便さを感じる人も少なくなかったようです。
そうした声に応えたのがホテル業界で、ホテルの客室を利用したリモートワーク・テレワークプランを打ち出すようになりました。
初めはベッドのある客室を提供するホテルがほとんどでしたが、より集中できる仕事環境を提供するため、客室からベッドを取り払い専用ルームを設けるホテルが登場したようです。
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ベッドのないホテルの特徴
では、ベッドのないホテルにはどのような特徴があるのでしょうか。一般的なホテルの客室と比較しながらご紹介します。
室内設備
一般的なホテル客室でのリモートワークプランは、ベッドがあることで仕事の合間に仮眠ができるというメリットがあります。
ただ、その一方で、ベッドが常に視界に入るため、長時間仕事に集中できないというデメリットもあるそう。
ホテルに欠かせないベッドを客室からなくすことで、ホテルという空間でありながらも仕事に集中できる環境を提供することができるのです。
また、そうしたホテルの多くは、ウェブ会議などにも対応できるように、客室内の壁紙に配慮したり、リモートワークの生命線でもあるインターネットの通信速度を早めたりなど、ストレスのない空間を提供しています。
アメニティ
一般的なホテルのアメニティといえば、シャンプーやコンディショナーなどバスルームまわりの品物が多いですよね。
しかし、リモートワークに特化した客室の場合、シャワールームを設置していないことも多いので、そうしたアメニティの用意はありません。
代わりに用意されているのは、コーヒーやスナック菓子など。仕事の休憩に嬉しいアメニティをおくことで、モチベーションを保ち、仕事の生産性を高めることができますね。
利用時間
客室の利用時間は、それぞれのワークスタイルに合わせて選べるようになっていることが多く、午前9時から午後10時までの最大13時間利用可能なホテルもあるそうです。
例えば、お子さんがいらっしゃる方は保育園や幼稚園のお迎えまでホテルでリモートワークをしたり、会社へ出社するように朝から夜まできっちりホテルで仕事をしたりなど、生活リズムに合わせて幅広く利用できます。
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ベッドのないホテルのメリット
ベッドがないホテルの特徴を踏まえ、メリットについて考えてみましょう。ベッドのないリモートワーク専用ルームを利用するメリットには、次のものが挙げられます。
- 気分転換になる
- 長時間集中できる
- セキュリティの確保
普段と同じ仕事をするにしても、見える景色が違うだけで気分転換になります。
いつもと違う環境という意味では、カフェやシェアオフィスなどを利用する手段もありますが、広々とした個室空間で作業できるのが、ホテルならではのメリットでしょう。
自宅にいると、どうしても気が散ったり仕事の合間に家事をしてしまったりなど、非効率な作業になりがちですが、ホテルであれば自分一人の空間で作業に集中できます。
また、広いデスクで資料を広げたりウェブ会議を行ったりできることや荷物を広げたまま部屋を出られるなど、セキュリティを確保しやすいのもメリットのひとつです。
他にもある!ベッドのないホテル
ここまでリモートワークに特化したホテルについてご紹介してきましたが、日は、リモートワーク以外の用途に最適なベッドのないホテルもあります。
例えば、ホテルの部屋にはベッドを置かずフローリングや畳に布団を敷くタイプのホテル。ベッドから落下するのを防ぎ雑魚寝もできるので、小さなお子様がいる家族連れに最適です。
また、ベッドを置かない代わりにプロジェクターを完備し、シアタールームとして客室を提供しているホテルもあります。映画鑑賞やライブ、スポーツ観戦など、趣味にぴったりですね。
ベッドのないホテルを活用して仕事環境をアップデート
「ホテルは泊まるもの」として考えると、ホテルなのにベッドがないのは不思議かもしれませんが、新型コロナウイルス感染症により、私たちの生活や働き方が変化し始めたのも事実。
そのため、ベッドがないホテルのような新しいスタイルの宿泊施設は、今後さらに需要が増えていくと考えられます。
宿泊に留まらないホテルを上手に活用し、自分の仕事環境を整えてみてはいかがでしょうか。